人は、いつも“空”にあこがれ、そしてゲームの中に“空”を再現する:「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」レビュー(1/3 ページ)
ナムコが誇る看板タイトルの1つ、「エースコンバット」シリーズ最新作がついに登場する。気になるストーリー展開やゲーム性など、一足先にチェックしてみた。エースパイロットとしての腕を発揮し、この地に平和を取り戻すことはできるか!?
人は、いつの時代も空へのあこがれを捨てられないもの。だからこそ、昔から人類は空にあこがれ、空を目指し、そして空という領域を自らの手中に収めてきた。とはいえ、空は万人にとって身近なものではない。そこで、ゲームという仮想世界で、誰もが空を駆け巡ることができるようにしたものが生まれた。フライトゲームと呼ばれるジャンルだ。
空中を舞台にしたゲームは数多く発売されているが、その中でも定番ものと呼べるのが、飛行機同士の空中戦をメインに捉えた「フライトアクション」、または「シューティング」と呼ばれるものだろう。1対1または1対複数のドッグファイトの中、敵機をおとしてストーリーを進行させていくのは、空を飛ぶ楽しみと戦う興奮を一度に味合わせてくれる。
このようなタイトルはさまざまなハードで発売されているものの、グラフィックがきれいなだけでゲーム性が乏しかったり、リアル指向に走りすぎたばかりに爽快感を失ってしまうなど、今ひとつしっくりこないものが多かった。そんな中にあって、飛び抜けて良くできたと個人的に感じているソフトが存在する。ナムコの看板タイトルの1つ、「エースコンバット」シリーズだ。プラットフォームをプレイステーション 2へと移した4作目から、性能が向上したハードを活かしてハイクオリティな映像を提供し続けているだけでなく、優れたゲーム性も相まって現在でも高い人気を得ている。その最新作である「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」(以下、「ACE-ZERO」)が、3月23日にいよいよ発売となる。
ワイド画面の威力は絶大。プレイ感覚の違いに驚愕
ACE-ZEROは、すでに掲載した記事にもあるとおり、歴史的には前作の15年前が舞台となっている。「エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー」にて「ベルカ戦争」と呼ばれていたその戦いを、自らの手で再現することになるのだ。
ドッグファイト時の画面構成やインタフェースなどはほぼ前作そのままなので、シリーズを通してプレイしている人ならば、特に迷うこともないだろう。特筆すべきは、前作から導入されているワイド画面モードで、これを選択すると迫力あるプレイが楽しめるようになったことだ。4:3のTVでプレイしていたのと比べてはるかに左右が広いため、ドッグファイト時に視界が広く、戦いやすくなった。
といっても、こちらの環境としては、14インチの小さなゲーム専用TVだけ。そこで今回は、検証のためにPCのキャプチャカードを経由させ、ワイド画面比率で表示させてプレイしてみた。その画面を見てから通常のTVでプレイすると、思った以上に狭さが際だつ。これはもう、快適にプレイするにはワイドTV必須では? と思ったほどだ。5作目が発売された2年前と違い、今ではワイドTVの普及率も高いはずなので、自宅にワイドTVがある人は、プレイ開始前にあらかじめ選択しておこう。
また、前作には登場しなかった機体も増え、よりバリエーション豊かになった……のはいいのだが、実際に購入するまでが大変。なかなか所持金は貯まらないし、ACE-ZEROでは各機体ごとの特殊兵装を購入するにもクレジットが必要となるので、戦いを有利に運びたい人は、むだづかいは禁物だ。
特殊兵装は標準で1種類が用意されているが、それ以外にバリエーションを増やしたいときには、各機体ごとに購入しなければならない。中には、クレジットを払ってまで購入しなくても、と思う兵装もあるが、そのあたりは好みの別れるところか。いずれにしても、特殊兵装の選択は慎重に行いたいところだ。
なお、設定の部分でひとこと言うと、通ならば音声は英語にし、字幕なしでプレイしたいところだ。こうすれば、気分は間違いなくエースストライカー。ある意味、英語を耳から学びたい人にも便利なオプションかもしれない。日本語字幕表示を加えるとより雰囲気が出るので、こちらもお勧めだ。
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