3部作も中盤に。緑の中国山岳地帯でくり広げられる物語とは?「ガンパレード・オーケストラ 緑の章 〜狼と彼の少年〜」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年04月13日 15時00分 公開
[小泉公仁,ITmedia]
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イベントやデートの演出は、相変わらずあっさり風味

 白の章でも感じたことだが、意中の相手と仲良くなっていくプロセスは楽しいのに、肝心のデートで行き先のバリエーションが少なく、そこでのやりとりも淡泊で何だか物足りない……。ほおを赤らめたり、表情をさまざまに変えるのはかわいらしいが、デート中はそれぞれが一言ずつコメントするだけ、というのは演出不足気味でさびしい。これは、特定の日になると起きるイベントでも同様で、もうちょっとドラマチックに盛り上げてくれたら、と思う。

画像 あらかじめチケットを用意しておけば、デート当日に映画館や水族館などに行けるが、やっぱりデートスポットはたくさんほしい。そして、今回もプールはなし……
画像 特定の日に必ず発生するイベントもいくつかあるものの、会話がひと言ふた言交わされるだけで終了。白の章ではクリスマスやバレンタインデーなどがあったが、今回は時期の関係上「散歩」や「月見」といったものに

 ほかにも、ランダムに発生するイベントや、ある条件を満たした場合に起きるイベントもあるが、私がプレイしていて遭遇した中では「UMA」というイベントがおかしかった。これは、ある技能レベルを上げてから深夜に体育館裏へ行くと始まるようだ。詳細はあえて避けるが、重い話がやや多い中でこうしたユーモラスなイベントがあると、何だかほっとする。

画像 夜中に一人で体育館裏に行くと、突然「UMA第一章」というイベントが始まる。何やら得体の知れない者との接近遭遇したようだが……
画像 あれは宇宙人だったのか?その後、章が進むにつれて正体が明らかに

「転属」で勘違い。前作のセーブデータがあればOKと思ったら……

 白の章と同様に、緑の章も1周目のプレイをクリアすると、2周目からは異なるシナリオを選択できるようになる。また、1周目ではランダムで出現したクラスメートを自分で選べたり、1周目でクリアしたキャラクターのステータスを引き継げるところも同じ。

画像 「ヒーロー」シナリオをクリアすると、2周目からは「戦闘記録」と「神話」シナリオも選択できるようになる
画像 2周目以降は、主人公(プレーヤーキャラ)だけでなく、ヒロインや友人も任意に設定できる

 また、緑の章一番の目玉は、やはり前作白の章からの「転属」。セーブデータによる連動で、白の章に登場したキャラクター(生徒のみ)を緑の章にも登場させることができる。ところが、転属させようとしたものの、無情にも「転属者は誰もいませんでした」と出るだけ……。てっきり白の章のクリアデータさえあれば、そのクリアしたキャラクターが出てくるものと思ったら、どうやら勘違いしていたらしい。緑の章のマニュアルによれば、白の章で“転属命令”を受けている必要があるという。というわけで、再び白の章に戻ってやり直す羽目になった……。

画像 白の章を野口直也でプレイし直して、祈るような気持ちでエンディングを迎える
画像 ようやく転属命令が下った。このあたりは、白の章のマニュアルでもう少し明確に書いておいてほしかった
画像 緑の章に転属すると、制服も緑の章のそれに替わる。なお、白の章で培ったステータスや技能レベルは引き継がれない

 総括すると、訓練時のスキップや戦闘時の武器切り替えの簡易化など、前作の発売から間がないながらも細部に改良が施されていて、プレイがよりスムーズになっているところに好感が持てる。動物兵器の導入で戦闘に変化をつけているのもよい。ただ、舞台やキャラクターは変わっても基本的なプレイスタイルに大きな違いがないためか、白の章をプレイしたとき以上に作業感を覚えてしまった。特に学園生活では、各種パラメーターの上げ下げに終始していることがどうしても意識されてしまう。白の章との連動でも、転属させたキャラクターはプレーヤーが操作することはできるが、ヒロインなどのノンプレーヤーキャラに設定できないのが残念だ。

 最も気にかかったのは、ここまで白の章、緑の章とプレイしても、大局のストーリーが進んだようには感じられなかったということ。これに続く「青の章」を遊べば、“ドラマチックな展開で大団円”となるのだろうか。青の章は、少し間が開いて7月20日に発売予定とのこと。夏の海が舞台らしいので、今度こそ水着デートが期待できそうだが(こだわる)、発売までの時間は、もしかすると連れて行きたいキャラを転属させるための猶予期間、ということなのだろうか?

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