誰もが知っている「テトリス」が、ニンテンドーDSによって生まれ変わる「テトリスDS」レビュー(4/4 ページ)

» 2006年05月02日 00時01分 公開
[桜山憂太,ITmedia]
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一瞬の発想力と判断力が問われる「ミッション」

 さまざまな課題をこなしていく「ミッション」モード。「マラソン」では、次々出される問題に対して、制限時間内に答えればブロックが下がり、逆に答えられなければブロックがせり上がってくる。上に積まれるまで続くのがこの「マラソン」だ。レベルが上がるほど制限時間が短くなり、課題も難解なものが多くなる。状況に応じた一瞬の閃きが重要。

 もう1つの「タイムアタック」は、レベルに応じた10問をどれだけのタイムでクリアできるかを競うモードで、こちらも、状況にあった判断力が活かせない限り、タイムを縮めることができないだろう。

「マラソン」では、右下のハートマークが制限時間を表している。全てが白くなる前に課題をクリアしなければならない。ギリギリになると焦ってしまいがちだが、いかに冷静に対処できるかがカギと言えるだろう
問題によっては、自分でその状況を作り出してから、消さなければいけないものもある。ただ、消すだけでなく、積み上げる発想力も必要だ。同じ問題が「マラソン」でも出ることがある

新しい落ち物パズル!?「キャッチ」

4×4を作ったら一定時間で自動的に爆発するが、X(エックス)ボタンを押すとすぐに爆発をさせることができる。爆発は十字になるので、上手く巻き込めば敵を倒すことが可能

 上画面から下画面に落ちてくるテトリミノを繋げていき、4×4以上の塊を作って消していくのが「キャッチ」。落ちてくるテトリミノは回転できないため、下画面に表示されているコアをどのように回すかがカギとなっている。また、エネルギーが設定されており、たまに落ちてくる敵(メトロイド)に当たるか、テトリミノをキャッチできずに落としてしまった場合は、エネルギーが減ってしまう。また、テトリミノに対して、固まっているブロックを回転して当ててしまってもエネルギーは減ってしまう。そのエネルギーが空になるか、ブロックが上下に詰まってしまうとゲームオーバーだ。また、LかRを押せば高速落下ができるので、敵とテトリミノが重なってしまっている時は高速落下させて、素早くキャッチしてしまおう。

シンプルだからこ熱くなる「対人戦」

 ここまでは、テクニックと1P用のゲームモードを解説してきたが、ここでは対人戦について触れておこう。対人戦は大きく分けて2種類が用意されている。近くのDS同士で対戦をする「マルチプレイ」と、世界中の人と対戦をする「Wi-Fiタイセン」だ。

「マルチプレイ」では、テトリスDSのカートリッジが1つあるだけで、最大10人で対戦できる。モードは「スタンダード」と「ミッション」と「プッシュ」の3種類が用意されている。スタンダードでは、初心者や上級者が混ざっても対戦できるように、ハンデやチームの設定をすることが可能だ。また、スタンダードのみ、アイテムの概念があるため、一発逆転を狙った戦いができたりする。

 「Wi-Fiタイセン」は、Wi-Fiコネクションが必要となる。遊ぶためにの環境を必要とするが、世界中の人と対戦できる面白さはぜひプレイしてもらいたい。また、「Wi-Fiタイセン」時のみ“RATING”が採用されており、最初は5000からスタートすることになる。勝つとポイントが増加して、負けるとポイントは減少。 しかも、RATINGの差が開いている時に勝てば、一気にポイントが上がるので、RATINGが低い人は大物食いをするぐらいの心意気で望むといいだろう。

 対人戦は1Pゲームとは違い、負けた時の悔しさや、勝った時の満足感など、さまざまな感情を味わうことができる。シンプルなゲーム性だからこその駆け引きや、アイテムを使った時の一発逆転など、とにかく面白さは無限と言っていい。マルチプレイでは、カートリッジが1本あれば、多くの人と対戦できるので、とにかく間口を広げて遊んでもらえる。「Wi-Fiタイセン」に関しては、マリオカートの時とは違い、「ゲーム中に切断した場合は負けがつく」と先に注釈がでるようになった。それに加え、かなりギリギリの状態からも逆転が可能なゲーム性のため、途中で切る人はほとんどいないようだ。RATINGが開いていても、スタンダードの4人対戦などは、アイテムの集中攻撃によって、一番高い人が真っ先に負けるパターンもあったりする。この辺の駆け引きや戦略が、対人戦の真骨頂であり、面白さであるのでとにかくオススメ。1Pゲームでは会得できない、対人戦独特の戦略などもどんどん吸収すれば、あなたもいつの間にか強くなっているはず。

マルチプレイでは面と向かっているのであれば、「口撃」する場面もありえる。筆者としては、勝ちに拘り過ぎるよりは、場の雰囲気が盛り上がるように、みんなでワイワイ楽しむのが一番の面白さだと思う
Wi-Fiコネクションを持っていない人は、ぜひ購入するか、店頭サービスを利用して、一度は試してもらいたい。時を忘れるほどにのめり込めるはずだ
Wi-Fi対戦は最初なかなか勝てないかもしれないが、それも試練と思い受け入れよう。もし、強い人と当たったならば、上画面を見てどのような戦い方をするかを研究してしまうのも手。上達の近道は、「上手い人の真似をする」のが一番だ

DSだからこそ出来る遊びの数々を堪能するべし

 ここまで、ゲーム内容について触れてきたが、最後に個人的な感想を。初めてテトリスを遊んだのは、中学1年の時のこと。それから20年余り、機種を替え、時を経ても、ゲームシステムの根本は変わらず、常にテトリスは人々に親しまれてきた。本作「テトリスDS」は筆者のように、長年遊んできた人間から、初めて触ると言う人まで、多くの層に向けられた珠玉の1本と言えるだろう。最近では、小さい液晶のテトリスや、携帯電話のテトリスなど、至る所で触れられるためにすんなりと遊べる人が多いようだ。その間口の広さは言わずもがな、ニンテンドーDSというハードの特性も存分に活かし、新たなテトリスの遊び方を提供してくれている。1人でやり込めるモードもあれば、1カートリッジで通信プレイもでき、Wi-Fiを使えば世界中の人間と対戦ができる。これほど、多彩に遊べつつ、誰もがルールを理解しているタイトルはそうはない。3,800円で、これだけ遊べるタイトルを探す方が難しいだろう。未購入の人には、胸を張ってこのソフト「テトリスDS」をオススメしたいと思う。

 また、個人的なツボではあるのだが、至る所にファミコンタイトルのテイストを入れているのには、懐かしさ以上の感動を感じた。ゆっくりそのデモを眺めることができないため、最近では誰かがプレイしているのを見せてもらうようなことをしている。そうすると、ゆっくりといろいろなデモを見られるからだ。あえて、無理を承知でお願いするならば、これらのアレンジを加えたファミコンミニを発売してもらいたいと思うほどだ。どうですか、任天堂さん?

何はなくとも、まずは対戦を遊んでほしい。対人戦ほど、このソフトの醍醐味を味わえるものはない。カートリッジが1つあれば、多人数プレイができるという敷居の低さも、間口を広げられる要因と言える
筆者一番のオススメは「プッシュ」。これほど、人の性格が出るゲームモードはないだろう。相手に合わせるのか? 我が道を行くのか? 奥の深さは無限に広がると言える
スタンダードのステージクリアでは、さまざまなファミコンのアレンジ版が、上画面でデモとして流れている。その出来栄えは、このグラフィックでソフトを発売してほしいほど。レベル20まで行けば、あの「テトリス」のアレンジが見られる。音楽はもちろんアレ
テトリスDS
対応機種ニンテンドーDS
メーカー任天堂
ジャンルアクションパズル
発売日2006年4月27日
価格3800円(税込)
プレイ人数1〜10人(Wi-Fi対戦時は最大4人)
対応ニンテンドーWi-Fiコネクション
Tetris(R)&(C)1985~2006 Elorg,a Tetris Holding Company. Licensed to The Tetris Company. Game Design by Alexey Pajitnov. Logo Design by Roger Dean. All Rights Reserved. Certain new game elements developed by Nintendo,and any characters,sounds and video games originally owned by Nintendo:(C)2006 Nintendo.


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