カードを置くとモンスターが浮かび上がる――PS3のプレイアブルソフトを触ってきました(その2):E3 2006「SCEブース」(1/2 ページ)
PS3タイトルの中で一風変わった2作品を紹介しよう。既存のゲームの枠に捕らわれないこうした発想で、ハードと同様にソフト側も次世代に向けたさまざまなチャレンジが行われている。開発者へインタビュー。
カメラを使って奥深いカードゲームの魅力を手軽に体験――「THE EYE OF JUDGEMENT: Conqueres of 9 fields」
「THE EYE OF JUDGEMENT」は、次世代EyeToyカメラを使ったPS3のロンチタイトルとして制作が進められているリアルカードを使ったバトルゲーム。SCEAカンファレンスで公開され、E3会場でもSCEブースでプレイアブルが出展されていた。今回は現地で本作のプロデューサーを務めるSCE渡辺氏にインタビューの機会をいただいたので、早速本作のゲーム内容について触れながら紹介したい。
―― いろいろ新しい試みが盛り込まれた作品だと思いますが、まずは本作を制作したきっかけからお聞かせください。
渡辺 このゲームの特徴である“サイバーコード”というテクノロジー(2次元バーコードを認証する技術)を使って何か面白いゲームができないか、といろいろ試行錯誤してこの「THE EYE OF JUDGEMENT」の企画がスタートしました。カードだけでしっかり遊べる奥の深いものを作るため、2年近く紙だけでゲームデザインを行ってまして、その後グラフィックまわりを1年ほどかけて作り込んでいます。
―― どういうゲームなのでしょうか?
渡辺 ルールはいたって簡単です。3×3の合計9マスの土地(盤面)にプレーヤーがお互いにターンを重ねてリアルカードを出し合い、先に5つの土地を支配したほうが勝ちというものです。カードは100種類以上用意していますが、個々にステータス能力や攻撃可能エリアが決まっているためカードを置いた向きによって戦略が変化します。カードゲームですが、チェスに似ていると思います。一見難しそうに見えますが、やればすぐにわかりますよ。
―― ゲームで使うカードの種類はどういったものが?
渡辺 土地を支配するクリーチャーカードと、フィールドに何らかの効果を発動させるスペルカードの2種類があります。クリーチャーカードを置く場所によってクリーチャーの向きが決まるのですが、横や後ろからクリーチャーが攻撃されると不利なので、プレーヤーはターン毎にカードの置き場所、向きを考えながら配置する必要があります。簡単ですけどかなり奥深い、やり込み度のあるゲームになっています。
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―― なぜカメラでカードを認識させて遊ぶ、といった発想が生まれたのでしょうか。
渡辺 最近のカードゲームは、ルールの計算が難しくなっています。それにカードゲームを遊ぶ人は今まで頭の中で(バトルの模様や計算式を)考えていたと思うんですが、こうした形でゲームの進行や計算をPS3がやってくれれば、誰でも簡単にできます。それとカードゲームでは勝敗の判定を巡って友達同士のケンカが絶えなかったりするんですが、そういうのも一切なくなる。そういう意味では、かつてない新しいゲームになると思います。
―― PS2ではなく、PS3タイトルとして制作することのメリットは。
渡辺 グラフィック能力もそうですが、やっぱり次世代用のカメラですね。前のカメラに比べ認識するレゾリューションがまったく違うので、より細かなカードのデザインができるようになった。EyeToyカメラはフレームレートで60フレームを読み込めないんですよ。今回はVGAで60フレームきっちり読み込めますので。
―― 収録されているカードの種類はどれくらいなのでしょう。
渡辺 最初のバージョンにはカードデータが100種類以上用意されています。ただ、同梱を予定しているのは30枚。これはVSモードを遊ぶために必要なデッキの最低枚数で、残りのカードはブースターパックのように5枚一組で出すなどの形で次第に拡張していこうと考えています。
―― まさに本物のカードゲームと同じ発想ですね。
渡辺 カードゲームはこれまで友達がいて初めて成立するゲームでしたが、今回用意したVSモードでは対人戦だけでなく、いろんな種類の優秀なAIを搭載したCOM相手に戦うことができます。それぞれのCOMに個々のテーマデッキとAIが中に入っていますから、一人でも毎回違うバトルが十分に楽しめると思います。COMのテーマデッキの中には、かなり凄いことをやってくる者もいます。
―― ネットワークを使った対戦もできるのでしょうか。
渡辺 オンラインバトルは予定に入ってます。リアルカードを使ったオンラインバトルは今までなかったんで、こちらもかなり熱くなれると思います。
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