「ドロロンえん魔くん」が本格ホラーで復活!! OAV「鬼公子炎魔」(1/2 ページ)

永井豪原作の漫画「ドロロンえん魔くん」が全4巻のOVAとなって登場する。その発売に先駆けて、原作者の永井豪氏や出演者の方々にお話をうかがってきた。

» 2006年06月02日 00時00分 公開
[ITmedia]
(C)2006永井豪/ダイナミック企画・バンダイビジュアル

 国内外を問わず、各メディアに巻き起こっているリバイバルブーム。ハリウッドでは「宇宙戦争」や「キング・コング」、日本映画では「鉄人28号」や「戦国自衛隊」などのリメイク版が上映され、ゲームでは「スーパーマリオブラザーズ」や「テトリス」が再登場するなど、過去の名作たちが、21世紀の最新技術によって美しくダイナミックに復活を遂げている。

 そんな中、言わずと知れた巨匠・永井豪氏原作の「ドロロンえん魔くん」が、OVAとなって登場する。永井豪氏と言えば、「マジンガーZ」や「デビルマン」など数え切れないほどの人気作を世に送り出したヒットメーカーであると同時に、現在のリバイバルブームの中心的人物でもある。実写映画では、監督・庵野秀明×主演・佐藤江梨子のコンビで話題を呼んだ「キューティーハニー」や、10億円という莫大な制作費を費やし最新のVFX技術をふんだんに用いた「DEVILMAN」、漫画でも永井氏以外の作者によって執筆された「キューティーハニー a GO GO!」や「マジンガーエンジェル」など、多くのリバイバル作品が世を騒がせている。

 「ドロロンえん魔くん」のリバイバルは満を持してと言ってもいいだろう。この作品は、「デビルマン」や「キューティーハニー」と肩を並べる永井氏の代表作のひとつで、1973年10月から1974年3月にはテレビアニメも放映されていた。その放映を見たことがないという人でも、「名作アニメ」としてご存じの方が多いのではないだろうか。当時の人気は相当なもので、放映を見ていた少女たちの中には「えん魔くんと結婚する!!」と豪語していた人も多かったと聞く(本作でシャポ爺役を演じる長島雄一さんの奥さんもそうだったらしい)。

 そんな当時の「えん魔くん」と言えば、明るいわんぱくな少年。そんな彼が、周囲で起こる奇っ怪な事件を仲間たちとともに解決していくというコミカルな雰囲気を持つ作品だった。しかし、今回の「鬼公子炎魔」ではその真逆。難解かつ凄惨な事件に、主人公の炎魔たちが挑んでいくという純粋なホラー作品になる。

 そのストーリーはこうだ。

 炎の化身・炎魔は、魔界から逃げ出した「魔」を狩るため、人間界で「炎魔探偵事務所」を開いて情報を集めている。そんなある日、彼の元に「行方不明になってしまったローラという娘を捜してほしい」という依頼が舞い込んでくる。ところが、街ではローラに関係する人間が何者かに次々と殺されていき……。奇妙な連続殺人事件へと巻き込まれることになった炎魔たちは、真犯人を突き止めるべく調査をしていく――。

炎魔
−ENMA−
(声/徳本恭敏)
炎の化身。魔界より逃げ出した「魔」を狩るために人間界へとやってくる
雪鬼姫
−YUKIHIME−
(声/千葉紗子)
氷の化身。雪女族の姫にして、炎魔のパートナー
カパエル
−KAPAERU−
(声/佐藤せつじ)
河童の妖怪。炎魔探偵事務所では情報収集を担当している

シャポ爺
−SYAPOZI−
(声/長島雄一)
炎魔の頭上にいる帽子型の老妖怪。地獄界の生き字引的な存在

(C)2006永井豪/ダイナミック企画・バンダイビジュアル

 本作の物語は、「ドロロンえん魔くん」のアフターストーリー。子供だった「えん魔くん」が成長し、青年「炎魔」となった世界が舞台となる。当然、前作では幼かった数々のキャラクターも成長し、大人になった姿で登場する。

 そんな物語に至る経緯というのは、至極単純なものらしい。原作の永井氏はこう明かしてくれた。「わんぱくで面白い主人公だったえん魔くんが、成長して大人になったらどうなるんだろう? というところから今回の企画は始まりました。成長したのだから戦い方もハードになっているだろうし、より強い敵とも戦うことになる。これは面白そうだな、と」。

 それに合わせて、コミカルタッチだった前作から雰囲気がガラリと変わっている。登場キャラを妖艶かつアダルトタッチなデザインに変更し、ジャパニーズホラーを意識したエロティックでグロテスクな映像作りが行われている。「正統派」と言っても遜色のない本格的なホラーが展開していく。

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