ぼ、ぼくがガンダムを一番うまく扱える、と思ったのに――「戦場の絆」開発者との熱いバトル(2/2 ページ)
さて、ひと通りプレイしたあと、遊んでいるだけでは仕事にならないので、もちろん小山氏と馬場氏にお話をお伺いしてきました。
“究極のガンダムごっこ”が「戦場の絆」
――アッガイ、強かったです……。
小山 それぞれのモビルスーツを使うと、間合いが違うことにびっくりすると思いますよ。近接格闘型のモビルスーツの格闘攻撃は3連撃+αの強力な攻撃ができますが、射撃の射程距離が極端に短い。逆に遠距離支援型は敵の射程外から射撃攻撃ができますが、格闘攻撃は連撃すらできませんので陸戦型ジムとガンタンクでは、使い心地が全然違ってくるんです。
――モビルスーツの特徴を考えて戦うことが重要なんですね。
小山 モビルスーツのタイプによって攻撃範囲だけでなく、レーダーの見える範囲も違います。信頼できる前衛と後衛を組み合わせて戦うことが重要ですね。サッカーと一緒ですよ。なので、全員陸戦型ガンダムでも勝てません。
ただ、先日のロケテストでのできごとなんですが、ジム・スナイパーカスタムのチームがいて、“信長の鉄砲隊”をやっていたんですよ。ジム・スナイパーカスタムは狙撃タイプで遠距離しか攻撃できませんし、撃つためのチャージにも時間がかかるんです。この弱点を補うために、敵拠点となるダブデ陸戦艇を1人が攻撃したら、次の人に変わってまた狙撃、という感じで戦っていました。あれはおもしろかったですね。敵拠点を落とすことでも勝利できますので。ただし狙撃タイプは戦ってみても分かるように、近寄られるとなにもできません。このため狙撃ポイントを探しては逃げ回ることになります(笑)。
――「戦場の絆」にはアムロなどのキャラクターが登場しませんね。
馬場 「戦場の絆」では、プレーヤー自身が1年戦争の主人公になれる、というのがポイントなんです。このためキャラクターは出てこないんです。キャラクターになりきって戦うのではなく、ジムとザクで戦いを学んで使いこなしてから、「戦場の絆」における自分の人生を目指していくことになります。
小山 モビルスーツの個性の違いを感じてほしいですね。ガンダムじゃなくてあえてガンタンクで戦うぞ、みたいな。動作が速かったり、モビルスーツが強かったり、攻撃力があるということはポイントではないんですね。
――モビルスーツの特徴については、プレイしてみて何となく分かりました。
小山 モビルスーツには近接格闘、近距離戦、中距離支援といった距離別に“タイプ”を決めていて、あえて個々の性能ではバランスを考えていないんです。そこに複数のプレーヤーが色々なモビルスーツを組み合わせてチーム編成を決めるという形で介在することで、それぞれの個性が生かされていくんです。プレイして分かったと思いますが、相手チームに高性能のモビルスーツに乗った上手いプレーヤーがいたとしても、モビルスーツの編成や戦術で充分勝つことができるんですね。ロケテスト時も、ザク4体で巧みな戦いをしたチームもありましたし、あくまでもユーザーに依存しているんです
もちろん、自分が使い慣れているモビルスーツだからといって、それだけを使っているのでは勝てないと思います。ニューヤークだから生きるモビルスーツもありますし、そのほかのステージでは、それはあまり役に立たないかもしれない。普段はザクタンクを使っているけど、ここではズゴックを使ってみるかな、というように、ステージによってがらっと変わると思いますよ。
また、ドームスクリーンを導入したのも、“見るだけで分かって遊べる”からです。プレイしやすいんですね。ヘッドマウントディスプレイだと、頭を回して視線が動いても、見えるものは変わりませんし。自然に、普段生活している感覚でプレイできればと思いました。今回のテストプレイでも、モビルスーツが迫ってくる怖さを体験いただけたと思いますが。
――みんなで戦うのが「戦場の絆」の楽しさですね。
小山 そうですね。「戦場の絆」は“究極のガンダムごっこ”なんですよ。みんなの夢はやっぱり「ガンダムを動かしたい」ということだと思いますが、ゲームよりもスポーツ的な部分もあるかもしれません。“ゲームセンターで、みんなで遊ぶ”ということがおもしろさにつながっているんだと思います。仲間と一緒にゲームセンターで遊ぶのもいいし、ゲームセンターで仲間を作るのもいいですし。
先日のロケテストは、ゴールデンウィークの1週間という期間だったんですが、毎日プレイし続ける人もいたりして。近くのラーメン屋さんに食事に行ったとき、ロケテストで配ったニューヤークの白地図を見ながら、サラリーマン風の人が戦略を練っていたのも見ました(笑)。
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