あと1年、PS3でどこまでできるか。まだまだ実験段階:「みんなのGOLF 5」開発者インタビュー(1/2 ページ)
国民的人気ソフト「みんなのGOLF」シリーズ最新作がプレイステーション 3で登場する。プレイアブル出展されていたソニー・コンピュータエンタテインメントでも、長い待ち行列ができていたほど。シリーズプロデューサーの池尻大作氏に話を聞いてみた。
プレイステーション 3での発売が予定されている、国民的人気ソフト「みんなのGOLF」シリーズ最新作「みんなのGOLF 5」。ソニー・コンピュータエンタテインメントブースでプレイアブル出展され、多数の来場者が詰めかけており、改めてその人気の高さを認識した。今回、その「みんなのGOLF」シリーズのプロデューサであるソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンの池尻大作氏に話を聞く機会を得たので、「みんなのGOLF 5」(以下、みんGOL 5)についていろいろと聞いてみた。
――「みんGOL 5」でプラットフォームがプレイステーション 3になるわけですが、これまでの「みんなのGOLF」シリーズと比べてどこが変わっているのでしょうか。
池尻氏 やはり、いちばん大きな違いはグラフィックですね。誰が見ても、「絵がきれいになったなあ」という印象を持ってもらえると思いますが、全体的な絵のきれいさ、寄ったときの絵のきれいさ、これがいちばんの違いです。例えば、遠目で見て「ゴルフ場全体がきれいになったな」というきれいさ、アップにしたときの芝のカッティングや枯れた草の描写などですね。
――寄った部分というのは、テクスチャの質や描き込みの向上ということですか?
池尻氏 そうです。靴の模様や身につけるアクセサリなんかもそうですね。「みんGOL」はフリーカメラになっていて、プレーヤーが好きな部分をアップにして映せるようになっていますので、細かな部分まで手を抜かずにやっています。
――プレイステーション 3の強大な能力は、特にどの部分に使っているのですか?
池尻氏 現時点ではやはりグラフィックの部分ですね。特にいちばん大きいのは、ホールの描写です。これまではメモリの制限があって1ホール分のデータしか持てなかったんですが、プレイステーション 3ではより多くのメモリを使えるようになりましたので、「みんGOL 5」では複数のホールデータを同時に持って表示できるようになっています。これで、隣のホールを使った攻略もできるようになっています。より大きな舞台でゴルフをしよう、というふうに作っています。
それ以外にも、細かな部分では、バンカーに球が入った場合の砂の飛び散りを表現するパーティクル処理や、球を打つときの芝の飛び散りなどの分かりやすい部分は特に力を入れています。あと、弾道にもかなりの計算を行っています。かといってあまりリアルにしすぎてもだめなんです。実際のゴルフの弾道そのままだと、ゲームで再現するとやや勢いが感じられないんですよ。なので、みんGOLシリーズではより気持ちよさが感じられるよう調整しています。弾道の物理演算は、内部では従来よりさらに高度な処理を行うようになっています。でも、そういった技術的な部分は見えないところでやるのがみんGOLですから、他のゲームほどアピールしづらいですね。
――実在のホールを収録することも考えられているんですか?
池尻氏 現時点では、まだ分かりません。まずはプレイステーション 3でどこまでのクオリティのコースを造れるのか、その点を研究している段階です。今回展示しているのは、最低限ここまでは作れますよ、というものです。これに、もっと木を増やせるとか、まだできていないことがいっぱいあります。みんGOL3ではじめて”プレイステーション 2でここまでできる”ということがわかって、みんGOL4になって”こういうコースをやりましょう”ということになりました。今回展示した「みんGOL 5」は、その手前の段階のものですから、まだまだこれからということです。
――確かに、「みんGOL 5」を試遊してみて、まだジャギーが目立つとか、グラフィックのクオリティ面で気になる部分はありました。そのあたりも今後ブラッシュアップされていくわけですね。
池尻氏 そうですね。今回は東京ゲームショウに間に合わせて、かつ快適に遊べることを優先して作ったものですから。発売日も2007年夏となっていますから、まだ1年前ですよね。だから、まだできていない部分があると言われればそのとおりですね。クオリティはもっと上を目標としています。
――エフェクト面での進化もありますか? 例えば新しい弾道であるとか特殊なショットとか。
池尻氏 そうですね、増やしていくことになると思います。今回は、東京ゲームショウに展示するということで、オーソドックスな部分に限定していますが、旗包みやスーパースピンなどもすでに実装されています。他に何かあるのかと聞かれると、今は答えられませんが、もちろん新しいハードになったので何ができるか考えています。実現したいアイデアはいろいろありますよ。
――そういった部分は、プロゴルファーの方の意見を聞いて取り入れるというようなこともあるんですか?
池尻氏 イベントなどでお会いすることがありますので、そういった機会に、どうですか、と聞くことはあります。その中で良く出るのは「風の動きが違う」というものです。特に、風が強すぎるというのはよく聞きますね。実際のゴルフでは、クラブのフェース角度やスイングなどほんの少し変えて対処するのですが、みんGOLで体の向きを大きく変えて打ちますよね。あと、風が刻々と変化するというのも言われます。でも、こういったリアルさを追求した要素を加えると一気に難しくなるんです。だから技術的には可能でも、現状は見合わせています。
あと良く聞くのは「フライヤー」ですね。フライヤーというのは、ラフから打つときに球が飛びすぎるというものなんですが、ゴルフをやっている人以外には(クラブの飛距離以上に球が飛びすぎるということが)分かりにくいので、これまで見送っていました。でも、今回は実験的に盛り込んでいます。
――みんGOLシリーズはリアルさを追求するゲームではないですよね
池尻氏 リアルすぎるとパーを取るのが難しくなるので、そうなるとお客さんが離れていくと思うんですよね。今回お客さんのプレーを後ろで見ていたのですが、ほとんどの人がパーかボギーぐらいでホールアウトして行かれいました。プレイするときに、「みんGOLをプレイしたことはありますか?」と聞いて、ないという人には“みんなのクラブ”を選択してもらって。向きもクラブの種類も合っていますから、と説明したら、ほとんどの方がだいたい遊べています。そういう安心感は大事にしたいですね。
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