ゲーム史上最大のナゾに挑む――レベルファイブ新作ソフト発表会で新たな事業展開も(1/2 ページ)

レベルファイブは、2月15日発売予定のニンテンドーDS用ソフト「レイトン教授と不思議な町」を発表。パブリッシャー事業を展開することになった。それに伴いロゴマークを変更。今後はデベロッパー事業との両面での展開となる。

» 2006年10月11日 21時02分 公開
[加藤亘,ITmedia]

 10月11日、東京・青山のスパイラルホールでレベルファイブは従来のゲームソフトの制作・企画に加え、パブリッシャー事業を展開していくことを発表した。その第1弾タイトルとなるニンテンドーDS用ソフト「レイトン教授と不思議な町」も公開され、企業ロゴも刷新されることが明かされた。なお、従来どおりデベロッパーとしての一面も残しての事業展開となる。

 レベルファイブは1998年10月10日に“5つ星のゲームが作れるように”という願いをこめて福岡に設立された。あれから8年。2000年12月にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)から発売された「ダーククラウド」や、2002年11月に発売された続編「ダーククロニクル」をはじめ、2004年11月にはスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」や2005年12月にSCEより発売された「ローグ ギャラクシー」などプレイステーション 2でのデベロッパーとして確固たる地位を築いてきた。

 そして、最近では2006年11月にSCEより発売されるPSP用ソフト「ジャンヌ・ダルク」やプレイステーション 3用ソフト「白騎士物語(仮)」などの開発で注目を集めていた。そんなタイミングでのパブリッシャー事業への発表となった。

 冒頭挨拶に立ったレベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏は、「完全なパブリッシャーとなるわけではなく、デベロッパーとしての両面での事業展開となる」と説明。ニンテンドーDS用ソフト「レイトン教授と不思議な町」が、制作から販売まで一貫して行う最初のタイトルとなることが紹介された。

 また日野氏はこれに伴い企業ロゴも新しくすることも明かした。新しい企業ロゴは全体的にグレーを基調としたシンプルなイメージとなっており、パブリッシャー事業の開始を機に、レベルファイブがソフトメーカーとしてより洗練された次元に踏み込んだことを表すとのこと。「中央の“V”には、5つ星のソフトを作るという“5”を意味する数字の『V』と、次世代への“ビジョン(VISION)”を意味する『V』、そして新しいビジネスへ踏み出し“勝利する(VICTORY)”の『V』と、3つの意味が込められている。レベルファイブという名前が面白いゲームという代名詞になれるようにしたい」(日野氏)と由来と意気込みを語った。


レベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏
左が従来のロゴ。右が今後新たに使用されることになったレベルファイブの企業ロゴ

「レイトン教授と不思議な町」とは?

 前述したとおりレベルファイブがパブリッシャーとして最初に扱うタイトルが本作、2007年2月15日発売予定のニンテンドーDS用タイトル「レイトン教授と不思議な町」となる。価格は税込み4800円。日野氏はタッチペンを使用する操作感から本作がニンテンドーDSでの展開となったと解説する。日野氏自らも企画とプロデュースに関わっているとのこと。

 大ベストセラー「頭の体操」の著者・多湖輝氏を監修に迎え、ナゾトキ・ファンタジーアドベンチャーという“RPGのレベルファイブ”が新たに挑戦するジャンルとなる。「レイトン教授」シリーズとして全3部作を予定しており、今回発表された「不思議な町」はその第1弾となる。声優としてレイトン教授役に大泉洋さん、助手のルーク少年に堀北真希さんを起用。現在の開発度は80%くらいとのこと。

 プレーヤーは主人公レイトン教授となり、不思議な町の住人から出題されるパズル=“ナゾ”を解くことでストーリーが進んでいく。ヨーロッパの歴史を感じさせる温かい町並みの中で出会う、個性豊かな町の住人たちが問う数々の“ナゾ”によって「不思議な町」は怪しい影を落としていく。ストーリーに組み込まれた難解なミステリー、そして事件をつづるアニメーションで臨場感が高まっていく。

「頭の体操」の多湖輝氏。レベルファイブの創造性に驚いたと語る

 本作の“ナゾ”は「頭の体操」シリーズの多湖氏制作によるもの。日野氏によって迎えられた多湖氏はまず「頭の体操」とはどういうものなのかと有名な問題を出題する。見方を変えるだけで答えはひとつだけではないことを証明してみせようというわけだ。


「頭の体操」でも有名な1問。通常は枠に囚われ5つの線で結ばれるが、ちょっと頭をひねれば4本でも可能に。さらにアメリカのスタンフォード大学の教授たちが3本でもできると問題自体の捉え方の柔軟性を説く。さらに厳密な直線ではないがと発想の可能性を提案する

 多湖氏は日野氏と最初に出会った頃を振り返り、「すぐにでもゲームへの協力を快諾したかったが、一応事務所を見せてほしいとお願いしました。事務所に行くと1人1人が実に個性的でクリエイティビティーにあふれ、この会社の人々に任せたらすごいものができるんじゃないかと確信した」と、レベルファイブの力量に惚れたことを明かす。だからこそいい作品になっていると自信をのぞかせた。「『頭の体操』で有名な問題以外にも、本作のために新たに30問ほど問題を製作し収録している。熱気の中で作られています。家族みんなで楽しんでもらいたい」(多湖氏)

会場ではレイトン教授役の大泉洋さんと、ルーク少年役の堀北真希さんのビデオメッセージが流された。堀北さんは声優初挑戦となる。大泉さんも堀北さんも出来上がりを楽しみにしていると心強いコメントを寄せてくれた
来賓代表として任天堂代表取締役専務営業本部長 波多野信治氏が登壇し挨拶。「レベルファイブの質の高い開発力がニンテンドーDSに迎えられることを歓迎し、新しいジャンルとして完成度の高い作品となることを祈願した

会場外には試遊台も多数用意されていた。あれ? 案内してくれるお姉さんのコスチュームのロゴが新しいものに。体験版では会場で流されたアニメーションのほかにゲーム序盤と中盤のダイジェストが遊べた。例えば町に行くための問題や車をいかに外に出すかなど、ピカラット(レベルに相当)に合わせた問題が多数出題される。ゲーム中に集めたメダルを使用してヒントを聞くことも可能。問題解決を先送りにすることもできた
最後はもちろん登壇者たちによるフォトセッションとなり閉幕となった。今後、レベルファイブは「レイトン教授」シリーズを皮切りに、さまざまなハードへソフトを供給販売するパブリッシャーとしても躍進する
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」