運命の11月11日を定点観測――PS3を買えた方も買えなかった方もおはようございます

プレイステーション3が発売された11月11日。早朝の都心各所ではプレイステーション 3の購入を希望する人たちが長蛇の列を作っていた。1000人以上の老若男女がプレイステーション 3の発売を今か今かと待ち続けていた。

» 2006年11月11日 11時11分 公開
[仗桐安、加藤亘,ITmedia]

池袋――1000人を越える長蛇の列。一番ノリは、2日前の昼から!

 11月11日、午前6時すぎ。今にも雨が降りそうな曇天の中、ビックカメラ池袋本店前にはプレイステーション3購入希望者が長蛇の列をつくっていた。ビックカメラ前を最前列とした行列は、ビックカメラ左隣のマクドナルド方面に伸び、その後ぐるりと裏手に回る。裏の道路で行列は一端途切れているので、ここまで見ると「大した行列ではないな」と思ってしまうのだが、よくよく見るとそこで行列が終わっているわけではない。裏の道路を100メートルほど進んだ地点にある池袋駅前公園の中に、更に大行列ができていた。その数、なんと1000人以上! プレイステーション 3の注目度の高さがうかがえる光景だった。

男女の比率は、ザッと見で9:1で男性の方が多かった。年齢層は20代〜40代が圧倒的に多かったが、年配の夫婦、お子さん連れなども散見。外国人もそこかしこに見られ、幅広い層が並んでいた

 ビックカメラ本店での発売は7時。店員が持つプラカードには「プレイステーション3本体は完売致しました」という表記が。整理券はすでに配布済みとのことで、並んでいる人には本体は行き渡るようだ。早朝に訪れたが並ぶこともできずに、ビックカメラ池袋本店での購入を諦めた人もいるのではないだろうか。なんとも“し烈”な状況である。

先頭組は2日前から! 気合い入ってます

 最前列を陣取る男性にお話を聞いてみたところ、9日(発売2日前)の14時半くらいから並んでいる、とのこと。「9日の夕方くらいには何人か人が集まってきた。10日の17時あたりで人数が170人くらいになってきたので、店側との相談の上で行列が整理された。その後の店側の対応は非常に手際がよかった。当日の朝5時くらいに来ても並べたようなので、ここは実は穴場だったんじゃないですかね」と店側の対応を評価。「本体と同時購入するソフトは『リッジレーサー7』と『RESINTANCE(レジスタンス) 〜人類没落の日〜』。Linuxが動くコンピュータとして買うが、次世代の描画能力がどんなものか興味がある」とのことだった。

 ちなみに他の並んでいる人たちに聞いてみたところ、本体と同時購入したいソフトはさまざま。数人に聞いた範囲では「リッジレーサー7」と「機動戦士ガンダム ターゲット イン サイト」の人気が高いようにうかがえた。また「今日は本体だけ買う。『AFRIKA』がやりたいんだけど、いざやりたいときに本体が手に入らない可能性が高いと思った。だからこうして発売日に並んでいる」という声も。60Gバイトモデルと20Gバイトモデル、どちらを買うかという質問に対しては、圧倒的に60Gバイトモデルという回答が多かった。

 先ほどの最前列の男性からは「こういうのは祭りごとなので早い段階から並んでみた。プレイステーション 3がどうしても欲しい! という強い購買欲ありきではなくて、行列ができるというイベントも含めて購入までの過程を楽しんでいる」というコメントもいただいた。確かに列をなしている人の中には、仲間たちと遊んだりしゃべったりしながら、行列そのものを楽しんでいるような人たちが多く見受けられた。

公園に陣取る購入希望者は、ある人は布団を敷いて眠り、ある人は携帯ゲーム機で時間を潰し、ある人は友人たちと談笑し、それぞれがプレイステーション3発売までの時間を自由に過ごしていた
6時半ごろになると大型液晶テレビにプロモーション映像が流れ、店頭にプレイステーション3の箱が登場!みんながこぞって写真を撮っていた

 ビックカメラ池袋本店では「次回入荷は未定」とのこと。ついに登場したプレイステーション3が市場に潤沢に供給されるまでは多少の時間を要することになりそうだ。

新宿――さしたる混乱もなく、修行僧のようにただじっと耐える列

最後尾でも昨日の11時頃なので、けっこう待つのもキツイとこぼす……お察し申します

 新宿西口のヨドバシカメラでは、西口本店の外周を軽く過ぎ、明治安田生命ホールの駅側にまで続くほどの列ができるほどの盛況ぶりを見せていた。

 午後10時には1000人以上が並ぶにいたり、用意していた規定の数に達したのか、事実上の完売宣言を発表した。最後尾に近づくにつれ、60Gバイトモデルが購入できない旨を説明する姿も。早い段階で割り込み防止券が配布され、朝7時の販売開始までひたすら夜を待つ持久戦の様相を呈していた。

 冷え込む外気と眠気から身を守るために、完全防備のうえ寝袋持参で待機する方や、グループでまるでキャンプのように食料など買い込み話し込んでいる方、見ず知らずの参列者とゲームを興じる方など、それぞれのスタンスで発売のその時間をじっと堪え忍んでいた。

シャッターが開くと中からPS3がドドンと登場。にわかに活気づく。粛々と開店準備が続いていた

 待っている購入希望者に話を聞いてみたところ、欲しいゲームは「リッジレーサー7」と「機動戦士ガンダム ターゲット イン サイト」と答えてくれた。中には「欲しいソフトは今のところないけど、とりあえず買ってみようと思い」と、剛毅な発言をする方も。とはいえ、ソフトは購入しなくても、ダウンロードして遊べるタイトルもあるので、希望のタイトルが発売されるまではそれで楽しんでみたいと語ってくれた。

 なお、ヨドバシカメラ新宿西口本店で本体を購入すると、先着で「アーマード・コア4」の映像体験ディスクがもらえるとのこと。

 ちなみに、新宿西口のビックカメラは抽選券を配布しての販売のため、さすがに深夜からは並んでいない……かと思いきや、何気に早朝の始発組が数人遠巻きに抽選券配布を待つ姿を見ることができた。きっと、人気店での戦いに敗れた人々を含め、自らの運を賭けて獲得を狙う人々が後ほど駆けつけるのではないだろうか?

秋葉原――雨と寒さ対策と、さらに混雑解消の試みが実施される

多くの報道陣が詰めかけている

 秋葉原のヨドバシカメラ「マルチメディアAkiba」では既報のとおり、終電前に並んだ大人数の列を地下4階と5階の駐車場へと誘導し、混乱を避ける策に打って出た。地下6階まで巨大な駐車場スペースを確保しているマルチメディアAkibaならではの作戦といえる。おかげで早朝から降り出した雨を避けることができ、購入希望者は暖房の効いた屋内で待機することができた。

 新宿西口の完売宣言に慌てて秋葉原に移動したという方に話を聞くと、始発組が駆けつけた頃に受付を終了した模様。なにやらワールドワイドな人々が渾然一体となり、あとはじっと発売時間を待つことになった。

10秒前からカウントダウンの声が秋葉原の駅前に響いた

 マルチメディアAkibaでは、秋葉原駅側の特設スペースにPS3カウントダウンを開始し、その横には100人分の特設販売コーナーが設置されていた。イベントがあるということで、多くの報道陣も詰めかける中、昨晩から並んだ第1号の方が、ソニー・コンピュータエンタテインメント元会長の丸山茂雄取締役からPS3を手渡された。ちなみに本体以外によく購入されていたのが、周辺機器はメモリーカードアダプタだった。


カメラを向けるとガッツポーズで意気込みを表してくれた丸山氏

 駐車場を開放したように、マルチメディアAkibaでは特設販売コーナー以外に、2階から6階のレジカウンターで購入者に対応していた。レジの数にもよるが、1000人も並ぶと最後尾の方が購入するのに1時間以上もかかる場合がある。今回、いち早く列の解消に努めたというわけだ。店舗初の試みは今後も実行されるかもしれず、いち早く手に取りたい購入者にはありがたい施策となるのではないだろうか。

 販売もスタートした7時20分過ぎ、有楽町でイベントをこなしたSCEの久夛良木健社長兼CEOがこちらにも登場。実際にPS3を手渡し、購入者への感謝を述べた。


購入者第1号の方と記念撮影
駆けつけた久夛良木氏から直接手渡され感動したとコメント
報道陣に囲まれ、PS3が示す未来と購入者へ感動を与えるだけのハードであり自信があると語っていた

 事前の有楽町を含め、大型量販店を中心にまとめてみた。ここ以外でも渋谷や横浜、はたまた日本各地でPS3協奏曲のまずは第1章が奏でられたことになる。序曲でさまざまな憶測が飛び交ったものの、発売前の値下げ発表が功を奏したのか……。初日は順調に出荷分を販売できた様子。しかし、年末に向けてPS3の供給体制を整えられるのかは見えていない。そして肝心のゲームタイトルが出そろってくるまで、もう少し時間がかかるとあって、ユーザーの中にはまずは静観という向きもある。これらの浮遊層を購買へと傾ける意欲的なタイトルが増え、誰でも買えるようになることを期待したい。

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