火の回りで踊れば、西洋諸国もタジタジ!?――新文明である先住民族が追加されたRTSの決定版:「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:ザ ウォーチーフ」レビュー(1/3 ページ)
リアルタイムストラテジーゲームの金字塔「エイジ オブ エンパイア III」に、待望の拡張パックが登場した。アメリカ大陸における、西洋列強国と先住民族との攻防を描いた本作、新要素に着目してみる。
PCゲームにおいて、押しも押されぬ人気ジャンルの一つ、リアルタイムストラテジー(以下、RTS)。内製ユニットを用いて、食料や金といった資源を集め、その資源を用いて軍隊を作り、敵国へ攻め込む。これら一連の流れがすべてリアルタイムで進行するため、通常のシミュレーションゲームよりもアクション性が高いことが特徴だ。
マイクロソフトよりリリースされた「エイジ オブ エンパイア」は、RTS黎明期に大ヒットした名作。開発を手がけるのはEnsemble Studioで、Xbox 360用ソフト「Halo Wars」の開発に着手したことを2006年の秋に発表し、業界内の話題を集めている。
世間一般にRTSというジャンルを知らしめることに成功させた「エイジ オブ エンパイア」はその後シリーズ化され、2006年初頭に最新作「エイジ オブ エンパイア III」(以下AoE3)が登場した。物理演算やHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)といった近年流行している技術をRTSとしては初めて採用し、映像面を大幅に進化させ、RTSというジャンルに新たな風を吹き込んだのは記憶に新しい。
このたび、AoE3の拡張パックである、「エイジ オブ エンパイア III: ザ ウォーチーフ」(以下AoE3:WT)が登場した。本編であるAoE3の魅力を含め、語っていこう。
使用文明は3つ増えて計11文明に
本シリーズは、登場する文明からひとつ選択し、その文明を発展させて、相手文明を討ち滅ぼすことが目的だ。過去作では、ローマやカルタゴ、ビザンティンといった古代文明が登場した。
AoE3では舞台がアメリカ開拓史となったため、スペイン、イギリス、フランスといった、大航海時代〜19世紀に猛威をふるった西欧列強国が使用可能な文明として登場した。これに加え、AoE3:WTでは、“アステカ族”、“スー族”、“イロコイ族”という3つの文明が新たに使用可能になった。
このうちアステカ族とイロコイ族は、実はAoE3では、プレーヤーが直接操作できない“先住民族”という形で登場した。このたび、めでたく操作文明という位置に格上げされた形になる。
新たに操作可能になったこの3文明は、スペインやオランダ、ドイツといった火器を中心に扱う列強国に比べ、原始的なユニットを中心に構成されているという特徴を持つ。非力なイメージがあると思うが、この3文明だけが利用できる特権も多数用意されているため、列強諸国と対等に渡り合える。
その特権の1つが、たき火をかこんで祈る「ファイア ピット」という建物だ。この建物に、内政ユニットである町の人を祈らせると、ユニットの生産速度を早くしたり、回復ユニットを作成できるなど、独自の効果を得られるのだ。この効果は、祈らせる町の人を増やせば増やすほど大きくなる。
これ以外にも、大使館を建設して原住民ユニットを作成できる場所を増やせたり、独自のユニークユニットを作成できる特別な神殿を建てられるなど、先住民族でしか行えない要素はたくさんあり、既存文明とはまったく異なる戦略でゲームを進める必要があるだろう。そのため、本編をやりこんだプレーヤーでも、新鮮な気持ちで新文明を楽しむことができる。
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