レビュー
2006年12月26日 00時00分 更新

「ブルードラゴン」レビュー:

鳥山がつき、坂口がこねし名作RPG、遊べるXbox 360ユーザーは至極幸せ (2/2)

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早いもの勝ちの戦闘だけど、急ぐ必要はなし

 以後のストーリーは実際にプレイして楽しんでいただくとして、ここではプレイ時間の大半を占めるであろう、戦闘シーンに着目していく。

wk_0601226bd07.jpg 画面上部にキャラクターのアイコンで表示されているのが行動順番。素早さの数値が高いキャラクターから行動していく

 本作の戦闘シーンは、ターン性を採用している。行動順や行動回数はキャラクターの素早さで変化するため、素早いキャラクターならばよりたくさん攻撃できるのだ。これだけなら割とオーソドックスなシステムだが、本作ならではの特徴がふたつある。1つは、「以後、どのような順番でキャラクターが行動するかが、画面上に表示される」ということ。もう1つは、「ため攻撃」を行えることだ。


wk_0601226bd08.jpg 左のキャラクターから行動し、行動し終わると顔アイコンが右側へと移動する

 行動順序が目に見えてわかるので、戦略プランを練りやすいのが大きな魅力だ。たとえば、誰かのHPが尽きそうになっていても、敵の行動よりも先に仲間が行動できるならば、あえて回復せずにそのまま攻撃して敵を倒してしまう、という作戦が立てられる。逆に、すぐに敵の行動ターンになるのであれば、攻撃よりも回復を優先させた方がいい……といい感じである。以後の展開を予想しやすいので、あまりバクチ的な行動を行わなくてもよい戦闘システムなのだ。

 戦闘のカギを握るのは、ストーリーと同様に“かげ”だ。“かげ”には、一般的なRPGでいう職業のようなシステム“カテゴリー”が設定されている。カテゴリーは、物理攻撃を得意とする「モンク」のほか、相手からアイテムを盗める「アサシン」など、全部で9種類。モンスターと戦い、SP(シャドウポイント)をためてカテゴリーのランク(カテゴリーのレベルのようなもの)を上げると、使える魔法や特殊攻撃といった“スキル”をどんどん覚えていくのだ。また同時に、キャラクターの能力も上がる。

wk_0601226bd09.jpg モンクの “カウンター”は、相手の直接攻撃を受けると反撃するスキル。行動順番が回ってきていない状態でも攻撃できる、おトクなスキルだ
wk_0601226bd10.jpg アサシンのスキル“交渉術”は、お店や宿屋で料金が割り安になるという一風変わった能力を持つ

 設定できるカテゴリーは、最初は3つだけだが、ゲームを進めると、選択可能なカテゴリーを増やせる仕組みだ。

 習得したスキルは、装備して使用する。ここで注目したいのは、装備できるスキルは、設定したカテゴリー以外のスキルも使用できるということ。例えば“かげ”のカテゴリーをモンクにして、回復魔法が使える「ホワイトマジック」というスキルを装備すれば、肉弾戦が強く、かつ回復魔法も使えてしまうのだ。ただし、一度に装備できるスキルは数が決まっているため、全部のスキルを装備することは不可能。スキルをどのように組み合わせて思い通りのかげにするかという、“かげ”のカスタマイズも楽しめるのだ。

 ちなみに、筆者のイチオシスキルは、カテゴリー「ブラック」で習得できる「ブラックジェネレート」。フィールドを歩くだけでMPが回復するという能力のスキルで、メチャクチャ便利。1人が覚えたところ、MPを気にしないでガンガンスキルを使えるようになったので、速攻で全キャラクターに覚えさせてしまった。MP残量をあまり気にせず、派手なスキルをガンガン使った戦闘が楽しめるようになったため、気分爽快!

ゲージを止める腕前が戦局を変える

 戦闘シーンのもうひとつのシステムである、“ため”についても触れておこう。これは、一部のスキルを発動させるとき、ボタンを押しっぱなしにしてゲージをため、スキルの威力を上げて発動できるというシステムだ。効果はスキルによって異なり、例えば攻撃系のスキルであれば威力が上がり、魔法系のスキルであれば効果範囲を広げられる、という具合だ。

 ただし、チャージすればするほど、発動するタイミングが遅くなってしまうというデメリットもある。前述の行動順番と兼ね併せて、その時々で最適なタイミングを計る戦術的な楽しさも味わえる。

 ちなみにゲージをためるとき、ゲージ上のオレンジ色の位置“スイートスポット”で止めると、MPの消費が少なくなったり、次に回ってくる順番が早くなったりするというメリットがある。発動タイミングを優先させるか、威力を思いっきり上げるか、それとも“スイートスポット”を狙ってエコロジーに攻めるか。たったひとつのスキルを発動させるだけでも、これだけの戦略的な要素を楽しめるのだ。

wk_0601226bd11.jpg ゲージ上の顔アイコンで表示されている位置が、そのキャラクターの順番となるタイミング。顔アイコンよりも左側で止めれば、そのキャラクターより先に行動し、右で止めれば遅くなる
wk_0601226bd12.jpg ゲージのたまるスピードやスイートスポットの位置は、スキルによって変わる。ゲージは最大までたまっても、その後増減を繰り返すので、狙った場所に止めるチャンスは一度きりではない

サラリーマンにはありがたい“バリバリア”

 本作は、フィールド上でもスキルを使用することができる。その中で特筆しておきたいのが、「バリバリア」というスキルだ。このスキルを発動させてバリアを身にまとうと、一度戦ったことのある自分よりも弱い敵は、戦闘せずに倒せてしまうという、なんとも便利なものだ。ただし入手できるのはSPだけ(バリバリアのレベルで獲得量が変わるが、最大でも正規に戦闘をした場合の半分)で、経験値は獲得できないという弱点がある。

 このバリバリアは、弱い相手と戦いたくないときや、“かげ”を育てるときに非常に有効だ。相手にぶつかるだけでバシュンバシュンと倒せるので、爽快感も味わえる。レベル上げに長時間避けない人でも、楽にかげを育てられるのはかなりの長所だろう。

 ちなみにバリバリアは、「バリバリア2」や「バリバリア3」といった上位スキルが存在している。バリバリアは相手を倒すごとにMPが減るのだが、最初のバリバリアはこのときの消費MPが多すぎて、あまり実用的ではない。使うならばバリバリア2以降のほうがよいだろう。

wk_0601226bd13.jpg “エンカウントサークル”というシステムもある。サークル内に居る敵のうち、どれと戦うかを選択できるシステムだ。複数の敵と同時に戦うことも可能だ
wk_0601226bd14.jpg モンスター同士でも、いがみあっているヤツらが存在している。このようなライバル関係にある複数の敵と同時に戦闘すると、モンスター同士が戦う“モンスターズファイト”が発生することも。強力な敵を、楽に倒せてしまうこともあるのだ

年末年始だけじゃ遊びつくせないかも!

wk_0601226bd15.jpg 馬車護衛のミニゲーム。馬車にダメージを受けることなくクリアすれば実績解除となる。バリバリアで倒せるとラクかも

 モンスターズファイトの組み合わせを探し出すのも楽しいが、それ以外にもやり込み要素は満載だ。Xbox 360のやり込みの筆頭である“実績”システムは、かなり細かく設定されている。たとえば、随所で登場するミニゲームでハイスコアを出すことだったり、モンスターズファイトを100回行うものなど、条件はさまざまだ。ちなみに筆者が解除できたのは、まだ3個程度……。全実績解除への道のりは、なかなか手ごわいです。

 また、タンスや道ばたの小石など、世界のあちこちを調べられるのも本作のポイントだ。その数は途方もなく膨大で、5000以上あるという噂だ。このような場所を調べると、大抵は回復アイテムなどの消耗品を入手できるのだが、中には能力値がアップする場所など貴重なメリットを得られるポイントもあるため、無視はしたくない要素だ。

 この調べるポイント、ハズレの場合は「NOTHING」と表示される……のだが、実はこれ、本当はハズレではない。ストーリーが進むと、このNOTHINGを発見した回数に応じて、貴重な装備品をくれるキャラクターが登場するのだ。世界は広く、調べられる場所もとても多いので、そう簡単には全世界のNOTHINGを制覇できない。まさに最高難易度のやり込みと言える。

 鳥山氏の親しみやすいキャラクターと世界に、RPG未経験の人でも触りやすい戦闘が見事に融合した本作。入り口はとてもライトなのに、プレイをしてみるとかなりディープにやり込める骨太な作りになっている。RPG初心者のゲーム入門編としてプレイするのにも最適だが、年末年始にまだプレイするゲームを決めかねている人にはぜひプレイしてほしい。やりごたえはバツグンなので、年末年始だけでは時間が足りないかもしれない。筆者ももちろんブルドラ三昧ですごす予定。とりあえず、寝正月になるなんてことはなさそうだ。

「ブルードラゴン」
対応機種Xbox 360
メーカーマイクロソフト
ジャンルRPG
発売日2006年12月7日
価格7140円(税込)
(C) 2006 BIRD STUDIO / MISTWALKER, INC.All rights reserved.
(C) 2006 Microsoft Corporation. All rights reserved.


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[磯野正学,ITmedia]

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