新たな世代に贈るスクウェア・エニックスの新たな試み:スクウェア・エニックス「PRE-CONFERENCE MEETING」(2/2 ページ)
「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト」&「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタル・ベアラー」
「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」は、2003年にゲームキューブ対応ソフトとして発売され、独自の世界観と複数人で同時に楽しめるRPGとして高い評価を得た作品。現在「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」シリーズとして、ニンテンドーDS専用ソフト「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト」とWii専用ソフト「ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル クリスタル ベアラー」の2タイトルが開発されている。
この両作品をエグゼクティブプロデューサーを務める河津秋敏氏は、「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト」について、前作の良いところである“みんなでワイワイ”できるというところを生かして、4人同時プレイを実現していると説明する。また、前作においてコアなファンから要望が多かったシングルプレイの充実もはかられているとのこと。
「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト」は、双子の2人を主人公に、紅い月とクリスタルを巡るある異変から平和を取り戻すため、運命に立ち向かい旅に出るといった内容。じっくりストーリーを楽しめるシングルモードと、最大4人でさまざまなクエストを攻略し対戦できるマルチプレイモードが搭載されている。会場では本作の発売日が8月23日、価格が税込み5040円であると明かされた。
なお、2006年のE3でイメージ映像が上映されたWii用ソフト「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタル・ベアラー」については、ディレクターの板鼻利幸氏がWiiの実機映像を紹介するだけにとどまったものの、開発度が低いと言うわりにはよく動いているといった印象。両作品の映像は週末の「SQUARE ENIX PARTY 2007」でも上映されるとのこと。
(C) SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved. Character Design:Toshiyuki Itahana
「ファイナルファンタジー XII インターナショナル ゾディアックジョブシステム」
引き続き登壇したエグゼクティブプロデューサーの河津秋敏氏は、本作を単なるインターナショナル版という位置づけではなく、新たなシステムを追加した新しい遊びを提供するものになると解説する。本作プロデューサーの伊藤裕之氏も、北米版のために録り下ろした英語版を搭載。舞台や映画で活躍する本格的な俳優陣が演じたキャラクターボイスは、シネマティックな演出にこだわったXIIの世界観&キャラクター像に新たな輝きを与え、ファンにはお馴染みの様々な名場面をドラマティックに蘇らせると伊藤氏。ボイスの演出には、種族や地域に応じた“方言”を設け、イヴァリースの世界をより緻密に再現しているという。また、16:9のワイドスクリーン対応モードも追加されている。
タイトルにもなっているゾディアックジョブシステムについて伊藤氏は、従来の「ライセンスボード」を変更し、1種類だったライセンスボードを12種類としている。モンク、赤魔戦士、ウーランなど個性豊かな12種類のジョブに応じたライセンスボードで、従来版のキャラクターメイクの要素はそのままに、キャラクターをジョブに特化させ成長させることが可能になったとのこと。
ライセンスボードにとどまらず、バトルシステムに関してほぼすべての要素に手が加えられ、まったく新たなバトルの楽しみを提供していると自信をのぞかせる。本作の変更点については、「SQUARE ENIX PARTY 2007」において試遊可能とのことなので、その目で確認することができるだろう。なお、北米限定版用に制作されたレアDVDをベースとした、新たなDVDが同梱される予定とか。
「THE LAST REMNANT:ラスト レムナント」
プレイステーション 3とXbox 360に対応する、スクウェア・エニックス初のマルチプラットフォーム対応タイトル「THE LAST REMNANT:ラスト レムナント」(以下、「ラスト レムナント」)が再び登壇した和田氏の口から発表された。
この新たな挑戦と位置づけられた本作は、世界戦略のタイトルとしての期待度の高さをうかがわせる。というのも、和田氏も述べているが過去の実績と新型ゲーム機の市場を鑑みれば、ワールドワイドでのビジネス展開、そしてヒット作品を作り出す必要があるからに他ならない。
日本だけでなく世界に視野を向けた本作は、完全オリジナルのスクウェア・エニックスの新ブランドとしての位置づけになる。新しい世代、新しい感性を持つクリエイターによる、全世界でのエンターテインメント作品として、スクウェア・エニックスとしては初の日米同時発売を予定しているという。
本作の内容についてプロデューサーの上田信之氏は、独特なファンタジーの世界を、新型ゲーム機ならではの高精細なリアルタイム映像で描いた完全オリジナルRPGタイトルとなると説明。マルチプラットフォーム戦略ということもあり、開発にはエピック・ゲームズの、ゲーム専用ミドルウェア「Unreal Engine 3」を初めて採用している。
発表会では、開発中のゲームのデモンストレーションを行い、広大なフィールドやダンジョン、ダイナミックな世界観などが紹介された。多くの都市と街、ダンジョンなどが点在しているフィールドの中から2つの特徴的な都市「Athlum」と「Nagapur」を選択。「Athlum」では、この世界で力の象徴ともいえるレムナントのひとつ「ガレリアハート」という巨大な剣にも似た構造物が圧倒している。また、「Nagapur」にもドラゴンの姿をしたレムラントがその威容を示していた。これらレムナントはさまざまな形をしているとされている。フィールドには、モンスターが救う洞窟や地下水路、渓谷なども存在している。なお、モンスターとはシンボルエンカウント方式での戦闘となる。
本作の真骨頂であり、最大の特徴ともいえるのがバトルシステムではないだろうか? バトルシステムについてはディレクターの高井浩氏から言及された。
本作では、コマンドRPGというスタイルを取りながら、最大70体による緊迫感溢れる集団バトルを簡単な操作で実現している。状況により変化するコマンドや、戦闘にリアルタイムに介入するシステムなど、戦闘に緊張感を与えるシステムが用意されていた。デモ映像では、主人公たち味方勢力と敵勢力の近接戦闘の様子となっており、戦況に応じて目標を変化させたり、手の空いた人間が加勢する姿が見て取れた。また、敵増援部隊が参戦してくる状況での一発逆転ともいえる“レムナント”の使用らしきものも確認できた。
映像でも分かるが、戦況による敵味方のテンションによってBGMが切り替わり変化していく。味方を鼓舞し、敵の心を折るような気持ちいい戦闘が味わえるわけだ。馴染み深いコマンド戦闘でありながら新しい感覚が得られることだろう。
Unreal Engine, Copyright 1998-2008, Epic Games, Inc. All rights reserved.
「SQUARE ENIX PARTY 2007」は、5月12日(土)〜13日(日)午前10時〜午後5時まで、千葉県・幕張メッセで開催される。入場は無料。前回は4万5000人を超える来場者を記録している。天候にもよると思うが、スクウェア・エニックスが新しい世代に送る新たな試みを肌に感じてみてはいかがだろうか?
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