2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(その5):ヴァナ・ディールをもう一度(2/2 ページ)
プリズムパウダーは残りわずかだが、魔晶石のあるエリアまではあと少しのところまで来ている。このまま危険を顧みずに突き進むか、それとも用意しておいた呪符デジョン(使うと瞬時に街に帰れる)でいったん引き返すか……。おそらく引き返すと、当分オズトロヤ城の魔晶石探索は保留になるだろう。ここまで来るのにかなりの神経を削ってきた。探索自体は初めて奥まで行ったこともあり緊張感満載で楽しめたのだが、もう一度やれと言われると精神的にキツイものがある。やはりここで引き返すのは男じゃない。何よりガルカっぽくない。進もう!
なかば戦闘不能になるのを覚悟して、さらに奥へと進んだ。扉を開けるためにインビジ状態を解除して通路を進む。ここでついにプリズムパウダーが尽きてしまったが、この通路を右に曲がると目的地にたどり着くはずだ。その曲がり道には魔道士系と吟遊詩人のヤグード族が2体いる。
しかし、どちらも壁際を向いているので間をすり抜ければ見つからないはず!! そう考えた瞬間に僕は2体のヤグード族の間を駆け抜けた。途中で止まることはもちろん、振り返ることもなくひたすら走り続けた。そして最後の扉を開けるとついにイベントが発生。めでたくオズトロヤ城の魔晶石を入手したのである。これほどスリリングな探索は初めてだった。しかし、達成感もあり心地よい疲れである。
チームワークでベドーの魔晶石もゲット! そして大空へと旅立つ!!
残す魔晶石はベドーのみ。ベドーの奥へ進むには獣人クゥダフ族のノートリアスモンスター(NM)を倒すことで手に入るアイテムを使ってクエストをクリアする必要があるらしい。そのNMはレベル40のソロでは勝てない相手なので、日を改めてLSのメンバーに手伝ってもらうか……と思っていた矢先、ちょうどログインしたメンバーの1人が同じミッションを受けていたので「一緒にやりませんか?」と言ってくれた。
ダボイで出会ったプレーヤーといい、このときのメンバーといい、何てグッドタイミングで僕を助けてくれるのだろう。しかも聞くところによると、僕と同じく残す魔晶石はベドーだけだと言う。これはもはや運命だ。
続いてログインしてきたメンバーも手伝ってくれることになり、計3人がベドーで集合することになった。僕以外は高レベルのプレーヤーなので、クゥダフ族のNMも難なく倒してまずはクエストをクリア。これでベドーに奥へ行くのに必要なアイテムがそろった。再びベドーへ移動して奥へと進み、無事に魔晶石を入手した。やはりパーティで挑むと心強い。
2人にお礼を告げてジュノへ移動し、ミッションランクが5になった。これでジュノ〜三国間を飛空艇で移動できるようになったのだ。すでにカザム行きの飛空艇には搭乗できるので、空から見る景色にはそれほど感動はしなかったが、ジュノ大公に認められたこともあってか、冒険者としては随分と経験を積んできたように感じる。
忍者取得まであと一歩!!
そのあとLSメンバーが忍者取得クエストを手伝ってくれることになった。クリアするまでにはいくつかの手順があり、いつかこんな日が来るだろうと思って、自力で(と言ってもNPCと会話するだけなのだが)コロロカの洞門でリーチ族のNMを倒すところまで進めていたのである。ひとまずツェールン鉱山入口を集合場所とし、そこからコロロカの洞門へ向かった。メンバーたちの護衛のおかげで道中は何の危険もなく、NMが出現するポイントに到着。メンバーにターゲットを調べることを告げたあと「???」を調べた。
通常ならここでリーチ族のNMが3体出現するらしいのだが、調べても何も起こらない。あれ? と思って何度も調べてみるがリアクションは同じ。もしかしてNPCと会話しきれていないのでは……? と一抹の不安がよぎったが、クエストの途中経過を忘れないために本にチェックを入れておいたので間違いはないはずだ。
メンバーにそのことを告げると、「一応戻ってNPCと会話してみよう」という結論に達し、バストゥークへと戻る。そして対象のNPCと会話すると……なんとイベントが発生した!! 何故だ!? NPCと会話するところまでは本で印を付けておいたのに! もしやこの印は、(とりあえずここまで進めよう)と目安で付けた印で、それで実行した気になっていたのか……!! 僕のオマヌケな行動はオズトロヤ城だけでは収まらず、ついにLSメンバーにまで迷惑をかけるハメになってしまった。過去最高記録と言ってもいいほどの速いタイピングで謝罪のコメントを入力。メンバーは「いいよいいよ^^」と笑って許してくれた。何とも申し訳なく、恥ずかしい話だ。
若干の遠回りをしたものの、今度は「???」を調べると情報どおりにリーチ族のNM3体が出現。メンバーたちの力であっさりと全滅させることに成功し、必要なアイテムを手に入れることができた。この日、レベルは上がらなかったものの、飛躍的に前進した気がする。運命的な心優しきプレーヤーとの出会いとか、LSメンバーのご好意とか、そういった温かい空気に包まれた一日だった。
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