映画のようなスケールを目指したクリーチャー作り――「RISE FROM LAIR(ライズフロムレア)」:Factor 5現地取材リポート その2(1/2 ページ)
「RISE FROM LAIR(ライズフロムレア)」特集第2回目は、ビジュアルスケッチなどを元に、性格やタイプの異なるドラゴンたちが息づく世界を見ていくことにしよう。
さまざまなタイプのドラゴンが生息する世界
「RISE FROM LAIR(ライズフロムレア)」(以下、ライズフロムレア)では前回述べたとおり、物語のもう1人の主役はドラゴンだ。ここでは数種類のドラゴンが生息しているという。
一般的にドラゴンといっても、インドや中国、そしてヨーロッパなど、西洋で考えられるドラゴンと、東洋のものとはかなり異なる。これをモチーフに、新しいアプローチでとらえ直したのが、「ライズフロムレア」に登場するドラゴンたちだ。「実世界の動物や恐竜を振り返りながら考えた」とFactor 5社長のジュリアン・エッゲブレヒト氏。サラマンダやヘビに加えて、羽の部分などはコウモリを参考にして描かれている。ただし、日本人であっても、ほかの国の人であっても、何らかの形で共通するイメージを想起させることが大事だ、とエッゲブレヒト氏。異なる文化的な背景からインスピレーションを受けて、それを融合して表現したのが「ライズフロムレア」に登場するドラゴンたちだ。
そして、ここに登場するドラゴンたちにはさまざまな種類があり、おのおの性格も異なっている。力強いドラゴンもいれば、それほど強くないドラゴンもいる。その種類に応じて、プレーヤーは戦略を立てなければならない。
登場するクリーチャーについて解説してくれたのは、プロデューサーのブライアン・クルーガー氏。「全体のシルエットや羽の形はそれぞれのドラゴンによって異なっている。今回のテーマは、ロンという1人の主人公の物語だが、その描かれる世界は広大なものとなっている。このため、ほかのクリーチャーについても、小さいものから大きなものまで描いた」(クルーガー氏)。ドラゴンももちろん1種類ではなく、さまざまなタイプが考えられている。
「ライズフロムレア」では、映画で見るようなスケールを意識し、目指したそうだ。プレイステーション 3によってそれが実現できたことも強調する。映画でも通用するようなキャラクターを作り上げるにはどうしたらよいのか、またそのようなキャラクターに遭遇したときのプレーヤーが、自分自身でカメラを操作して、その世界を体験できるという想定のもとでゲームがデザインされているそうだ。
アートディレクターのウェイン・ロー氏は、このために開発チームへ参加したメンバー。ロー氏は映画のビジュアルアートなどを担当していた人で、このタイトルについては初期のコンセプトメイキングからかかわっている。
「キャッチフレーズを考えたときに、『ジュラシックパーク』をリアルタイムで再現するような世界を目指した」とロー氏。ただしそこで目指すのは、恐竜の時代ではなくドラゴンの住む時代。これに加えて中世の文化的要素を取り入れようと考えたそうだ。また最近の映画では、ファンタジーの世界が広く受け入れられているが、「ライズフロムレア」では、あくまでも中世の世界をデザインベースに考えられている。
こうした世界でのクリーチャーはどのようにして作り上げられたのだろうか。「5万ポリゴンを“プログレッシブ・メッシュ”という技術でキャッシングして使い、実際の飛んでいるシーンでは800万ポリゴンを使っている」(ロー氏)そうだ。
そしてプログレッシブ・メッシュにより、人やドラゴンなどのクリーチャーだけでなく、街や水路、海といったものをすべて一度に、リアルタイムで描画している。ちなみに、「このドラゴンが実際にゲーム上で動くときには、どのくらいのポリゴンを使っているかはCellしか分からないので、そういう質問は勘弁してくれ(笑)」(クルーガー氏)とか。
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