リモコンを振りかぶり、群がるスライムを一閃――Wiiでキミも勇者になれる! 「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」レビュー(2/3 ページ)

» 2007年07月31日 15時01分 公開
[仗桐安,ITmedia]

 戦闘中にできることと言えば、忘れてはならないのが、必殺剣の存在。プレイが進行し敵に攻撃したり敵の攻撃を防御したりすることで主人公の必殺剣ゲージは溜まっていく。これが100%に達したら「2」ボタンを押して必殺剣発動だ。必殺剣は冒険が進めば進むほどに増えていく。

 それぞれ特定の操作をプレーヤーに指示する画面が表示されるので、指示通りに操作し、敵めがけて一閃すれば豪快に発動し大ダメージを与えることができる。各フィールドの最後に登場するボスキャラには特に有効なので、ボスキャラとの対峙時に必殺剣が発動できるようペース配分することが肝要だ。仲間のレベルが上がると覚える合体必殺剣というものもある。こちらはかなりの威力と見た目の派手さがあるので、ここぞというところでズバッと発動させて気持ちよいプレイを楽しんでほしい。

必殺剣の種類によって指示は異なる。うまく決まれば必殺剣が炸裂するので、ミスらないように注意しよう

 旅は道連れ、世は情け……というわけで、仲間を引き連れて旅に出られるのも本作の特徴。パートナーとして選べるキャラは徐々に増えていくのだが、最終的にはディーン、バウド、セティアの3人から選択が可能になる。それぞれ得意な魔法やサポート方法が違うので、状況に応じてパートナーを選ぼう。メニュー画面の“さくせん”から仲間への指示を「いのちだいじに」「バッチリがんばれ」などから切り替えることが可能。「ドラゴンクエスト」シリーズおなじみの要素だ。

プレイが進めば、連れて行く仲間を自由に選べるようになる。誰を連れて行くかはプレーヤー次第だ
アルソード王国の王子・ディーンは攻守にバランスがとれた仲間だ
元僧侶のセティアは回復系の呪文が得意

主人公の父バウドはかつては名うての剣士だったが、今は攻撃魔法のエキスパート
敵に攻撃魔法を仕掛けるディーン。適材適所で難局を切り抜けろ

ボリュームは若干物足りないが、グラフィックもサウンドも申し分なし

 プレーヤー=主人公はアルソード王国の城下町に暮らす少年だ。少年は16歳の誕生日を迎え、王国に伝わる試練を受けなくてはならない。うーん。まさに“ドラクエ”的な導入部分。ファンとしてはたまらないものがある。

 主人公の周りにはアルソード王国の王子であるディーン、右腕が義手で剣士を引退した父バウド、元僧侶だと言う謎の少女セティアなどがいて、主人公とともに旅をすることになる。タイトルにもある“仮面の女王”ヒルダなど気になるキャラが次々と登場し主人公を冒険の世界へと導く。物語は章立てで進んでいき、しっかりとエンディングに向かって展開していく。

城下町の人々のセリフはプレイの進行に合わせて細かく変わっていく

 おそらく、プレイがさくさくと進めば、クリアするまでにはそれほど時間がかからないだろう。これは本作におけるもっとも残念な部分だ。「もっとやりたい……。この世界でもっといろんなところで冒険したい……」そう思わせる腹六、七分目なボリュームに対しては、好意的にとれば「これが1作目なのだから続編に期待しよう」という気持ちにもなる。思えばファミリーコンピュータで登場した初代「ドラゴンクエスト」だってその後の続編と比べればかなり短い時間でクリアできた作品だ。今後この路線でさらにボリュームのある続編が出る可能性は十分にありえるのではないだろうか。

 本作のグラフィックに関しては、十分に及第点。一人称視点で歩く王国の町並みや森、洞窟、塔の中などは臨場感たっぷりで“主人公=プレーヤー”という一体感、冒険している感覚を大事にしている「ドラゴンクエスト」シリーズの、ある意味正しい進化だと言っていい。鳥山明氏の描いたイラストを3Dで表現した各キャラも実に違和感がなく、上質の鳥山アニメを楽しんでいるような感覚を味わえるだろう。

城下町もしっかりと描きこまれている。ほどよくリアルで心地よい空間ができあがっているのだ

味方キャラだけではなく、各ステージのボスである敵キャラもバッチリしゃべる!ゴーレムがしゃべったときには何だかちょっと感動してしまった

 各キャラにボイスがあるというのは「ドラゴンクエスト」シリーズとしては珍しい点だ。通常会話ではいつもの“トゥルルルル”という音声でセリフが進むが、ここぞというイベント時には全員フルボイス。声優たちの熱演もあいまってドラマチックな要素がぐっと強まっているという印象だ。

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