レトロゲーム大賞に「スーパーマリオブラザーズ」――「レトロゲーム・アワード2007」東京ゲームショウ2007

人気番組「ゲームセンターCX」とのコラボレーション企画として行われた「レトロゲーム・アワード2007」で、レトロゲーム大賞に任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」が選ばれた。任天堂の宮本茂氏も登場。

» 2007年09月22日 21時22分 公開
[ITmedia]
画像 審査委員の面々。左から有野課長(よゐこの有野晋哉さん)、日経エンタテインメント!編集委員の品田英雄氏、そして本誌でもおなじみゲイムマンだ

 CS「フジテレビ721」で放送されている人気ゲーム番組「ゲームセンターCX」と日経エンタテインメント!の企画により開催された、「レトロゲーム・アワード2007」。1985年から1987年に発売されたゲームの中で、ゲームセンターCXで取り上げられたものも含め164タイトルをノミネートし、公式Webサイトなどでの投票結果、および審査委員の選考を踏まえて大賞や最優秀新人賞、審査員特別賞などの各賞の作品が選出された。

 審査委員は、ゲームセンターCXでおなじみ有野課長(よゐこの有野晋哉さん)、日経エンタテインメント!編集委員の品田英雄氏、そして本誌でもおなじみゲイムマン。もちろん3氏ともイベントに参加し、各賞の発表やトロフィーの授与なども行った。

 まず始めに発表されたのは、「最優秀新人賞」。受賞したのは、メタルギアシリーズでおなじみ、コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏だ。壇上に登場した小島氏は、「まだ1本しか作ってないんですけど、つぎはファミコンに挑戦してみたいと思います。」と、20年前の状態を想定した小島氏らしいコメントで会場をわかせた。

 また、最優秀新人賞受賞についてどう思ったか、と聞かれたところ、「今日ここに来るまでちょっと意味がわかりませんでした(笑)」。その後も、MSX版メタルギアの画像を見ながら、「すごいですね、ゲームはここまで来ましたよ、色が出てます色が!」と、至る所で小島節が炸裂していた。

画像 「最優秀新人賞」のトロフィーを受け取る小島秀夫氏。「今日ここに来るまでちょっと意味がわかりませんでした(笑)」と言いつつ満面の笑顔だった
画像 小島氏は、受賞作でもあるMSX版メタルギアをバックに、MSXの性能の低さから”敵を攻撃しない戦争ゲーム”を思いついたといった有名な裏話などを語った

 次に発表されたのは、「審査委員特別賞」だ。こちらは、有野課長が独断で選択したものだが、受賞したのは「魔界村」だ。受賞理由は、「芸人仲間から『コントローラ投げたくなる時とかないですか?』と聞かれるんですけど、そういう気持ちになることは一切ない、ゲームだったら何でも面白い、ということで選びました。」と有野課長。ゲームセンターCXを見ている人ならわかると思うが、魔界村は番組内での挑戦で16時間をかけて1周クリアし、エンディングかと思ったら1面からもう1周しなければならないことが判明し、「これ以上やったらゲーム嫌いになる!」とまで言わしめたソフトだ。選択理由も含め、さすが有野課長といった感じだ。

 授賞式には魔界村の初代プロデューサーである藤原得郎氏が登場し、「有野さんに選んでいただいて大変光栄です。これからも苦しんでもらうようなソフトを作っていきたいと思います。」と語っていた。

画像 審査員特別賞「魔界村」の初代プロデューサー、藤原徳郎氏。プレイをギブアップした有野課長から「ゲームは好きだけど作ったヤツは嫌い」と、ある意味最高の賛辞をもらっていた
画像 ファミコン版魔界村は、“大人の事情”でアーケード版よりも難易度が高かったそうだ

 続いては、「ゲーム秘宝館・殿堂入りゲーム」だ。こちらは、一般投票の上位4作品の中から審査委員の選考により選出された。ノミネートされた4作品は、タイトー「たけしの挑戦状」、アイレム「スペランカー」、ハドソン「高橋名人の冒険島」、カプコン「魔界村」。その中から選出されたのは「たけしの挑戦状」。当然、発表と同時に会場は笑いに包まれたが、誰が見ても当然の受賞と言っていいだろう。

 トロフィーを受け取ったタイトーのプロモーションチームディレクター、豊田巧氏も「この手の賞は全て負けたことはありません(笑)」と語り、さらに笑いを誘っていた。ちなみに、プレゼンターはゲイムマンだ。しかし、マスク越しでも見るからに緊張した面持ちがわかるほどで、「『ぷっ』すま」の汚名返上は……!?

画像 「ゲーム秘宝館・殿堂入りゲーム」は、やっぱりこのタイトル「たけしの挑戦状」だった。もはや誰の異論もないはずだ
画像 プレゼンターのゲイムマン。がちがちに緊張していたのが痛いほど伝わってきたが、しゃべるたびにキッズコーナーからの妨害が入っていたのは、笑いの神が降りてきた証拠か!?

 最後に発表されたのは、「レトロゲーム・アワード2007 大賞」だ。こちらは、まず投票の結果上位5作品に優秀賞が与えられ、1位に大賞が与えられるという形であった。優秀賞を受賞した5作品は、スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」および「ドラゴンクエスト II 悪霊の神々」、アイレムの「スペランカー」、任天堂の「ゼルダの伝説」および「スーパーマリオブラザーズ」。

 そして、大賞を受賞したのは「スーパーマリオブラザーズ」であった。しかも、授賞式には任天堂の宮本茂氏が登場し、有野課長からトロフィーを受け取った。宮本氏の登場は事前に伝えられていなかったこともあり、宮本氏登場とともに会場からは大きな歓声が上がった。「一般の投票で選んでいただいたということですごくうれしいです。だから自分で(賞を)受け取りに来ました。」と宮本氏。おそらくこれは宮本氏の本音だと思うが、やはりユーザーに支持されるというのは、ゲームクリエイターにとって何にも勝る栄誉なのだろう。

 その後、壇上にはファミコン本体が運ばれ、宮本氏自らスーパーマリオブラザーズをプレイするというおまけ付き。宮本氏のプレイはゆっくりかつ確実といった感じで、「スムーズなプレイではないですね」との有野課長の突っ込みにも動じず、しっかり1-1をクリアしていた。最後に宮本氏が、再度ユーザーに感謝しつつ壇を下り、授賞式は終了となった。

画像 「レトロゲーム・アワード2007 大賞」は「スーパーマリオブラザーズ」が受賞。壇上には、生みの親である任天堂の宮本茂氏が登場し、有野課長からトロフィーを受け取った
画像 ユーザーの投票で1位となって受賞したことを宮本氏は本当に喜んでいた
画像 宮本氏自らスーパーマリオをプレイ。有野課長に「スムーズなプレイじゃない」と突っ込まれながら、難なくWORLD1-1をクリアしていた

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  2. /nl/articles/2411/20/news049.jpg 高校生の時に出会った2人→つらい闘病生活を経て、10年後…… 山あり谷ありを乗り越えた“現在の姿”が話題
  3. /nl/articles/2411/20/news222.jpg ディズニーシーのお菓子が「異様に美味しい」→実は……“驚愕の事実”に9.6万いいね 「納得した」「これはガチ」
  4. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  5. /nl/articles/2411/20/news054.jpg 「防音室を買ったVTuberの末路」 本格的な防音室を導入したら居住空間がとんでもないことになった新人VTuberにその後を聞いた
  6. /nl/articles/2411/20/news050.jpg プロが教える「PCをオフにする時はシャットダウンとスリープ、どっちがいいの?」 理想の選択肢は意外にも…… 「有益な情報ありがとう」「感動しました
  7. /nl/articles/2411/21/news083.jpg 間寛平、33年間乗り続ける“希少な国産愛車”を披露 大の車好きで「スカイラインGT-R R34」も所有
  8. /nl/articles/2411/21/news085.jpg 「もしかしてネタバレ?」 “timeleszオーディション”候補者がテレビ局を退社 ディズニーの“船長”としても話題
  9. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
  10. /nl/articles/2411/21/news018.jpg グルーミングが出来ない生まれたての子猫、とんでもない体勢になり…… 想像以上のへたくそっぷりに「どこにも届いてないww」「反則級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた