「GT5」でも「GT-R」が“アンヴェイル”。そして実車でもコラボレーションが(2/3 ページ)
ここで開発チームとして作り上げた成果が公表された。それはコンソールパネルとは別に、コクピット中央にあるパネル、「マルチファンクションディスプレイ」のデザインを手がけたこと。このパネルはユーザーが6個並びもしくは3個並びでユーザーがカスタマイズ可能で、「アクセルモニタ」や「ブレーキングモニタ」、「ステアリングモニタ」、「ギアポジションモニタ」、「エコノミーモニタ」といった内容も表示できる。
このディスプレイのコンセプトは、「マシンの状態を知る」、「走行環境を知る」、「走りを記録する」ということ。「あくまでも車を安全に走らせるための仕組み」(山内氏)。
このマルチファンクションディスプレイについて水野氏は、「僕がこれまで“車”というものを作ってきた世界と全然違うが、“頭で、空想している世界で働いている人”ということは一緒。僕も5年前には空想の世界で全部部品ができて、すでに走っている。会社で開発するというのは、頭の中を形にして皆さんに提供するだけ。業種はまったく違うがやってることはまったく同じ人と出会えたという感想は変わらない」と語る。最初に山内氏が企画を提案したときにはとうてい受け入れられないだろうと思ったそうだが、水野氏が一気に乗って「普通の自動車開発ではあり得ないスピード」(山内氏)で実現したそうだ。「速い車を作ってるんだから、早い仕事をしないといけないんですよ(笑)」(水野氏)。
このようなコラボレーションは今後も続くそうだ。マルチファンクションディスプレイについても、ネットワークを広げたりとモデルチェンジしたい、と水野氏。「TVゲームの技術を車に使ってもらった。次はネットワークとしてTVゲームの中に入ってくる。山内さんにはもっともっと大きい世界を考えてほしいとお願いしている」(水野氏)。山内氏によると、実現しているのは構想の一部だそうで、今後にも期待が持てそうだ。加治氏は「GT-Rにしても『GT5 プロローグ』にしてもまだ発売前で何も始まっていない。これからもっともっとすごいことが待っている」とコメントした。
「グランツーリスモ」シリーズが登場してから10年。そのころはあこがれだったGT-Rのアンヴェイルイベントに立ち会えるだけでなく、実際に水野氏などと仕事ができるようになったのことはとても感激だと語る山内氏。「少しでも大好きな車の世界に近づけるべく頑張っていきたい」と最後に抱負を述べた。
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