連載
» 2008年04月04日 18時29分 公開

伝説のクソゲー「頭脳戦艦ガル」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

連載第58回は、「頭脳戦艦ガル」(デービーソフト)。あの、みうらじゅんさんも“一番”と評した伝説のクソゲーですが、実際にプレイしてみると、新たな発見があったりなかったりするものです。

[ゲイムマン,ITmedia]

ファミコン初のRPG?

画像 今回は画面写真が単調になりそうなので、花を添える意味で、満開の桜の写真を載せてみた。千鳥ヶ淵公園にて

 前回「ハイドライド・スペシャル」を、“ファミコン初のRPG”と書いたが、それに対してこんなメールをいただきました。

 「FC初のRPGは頭脳戦艦ガルですよ。というわけで、次回はコレでお願いします」(ナカヤマさん)

 確認してみたら、確かに「頭脳戦艦ガル」の発売日は1985年12月14日。1986年3月18日発売の「ハイドライド・スペシャル」より早い。

 メーカーは、「FLAPPY」というパズルゲームで有名だったデービーソフト。かつてはハドソンとともに、札幌に存在するソフトハウスとして知られていた。

 デービーソフトでは、「頭脳戦艦ガル」を“スクロール・ロールプレイングゲーム”と称していた。パッケージにもROMカセットにも説明書にも、デカデカと「SCROLL RPG」の文字が躍っている。パッケージの側面にも「スクロール・ロールプレイングゲーム」。背面には「衝撃のスクロールRPG」。くどいくらいにこの言葉をおしているのだ。

 しかしさっきのメールには続きが。

「『これのどこがRPGやねん』っていうツッコミを期待します」

 そう、このゲーム、どこからどう見ても、縦スクロールのシューティングゲームなのだ。

 操作するのはジスタス-21という宇宙戦闘機。Aボタンでミサイルを発射、Bボタンで斜めにミサイルを発射(パワーアップ時)。地底、コア、宇宙とワープを繰り返して、宇宙空間制御装置「ドラッグ」を破壊するのが目的だ。

 敵を撃っていくとジスタス-21がパワーアップし、Aボタン押しっぱなしでミサイルが連射されるようになる。さらに敵を倒すとミサイルの威力が上がり、遂には斜めにミサイルが撃てるようになる。RPGらしい点といえば、このパワーアップくらいか。

 もっとも、この斜めミサイルが異様に使いづらい。Bボタンを単独で押さないと出てこないのだ。つまり、まっすぐ前へのミサイルと斜めミサイルが同時に撃てない。実質、前へのミサイルの威力が上がったところで、パワーアップは終わりと考えていい。

 ちなみにパワーアップしていると、ミスしても残機は減らず、1段階のパワーダウンだけで済む。

画像 最初は地底エリア。敵の攻撃だけではなく、でこぼこした壁も自機をはばむ
画像 斜めミサイルが出ると前へのミサイルが出なくなる。ちなみに斜めミサイルは、押しっぱなしで連射になることはない

100パーツを集める苦行の旅

 10年ほど前、「仰天 B級ゲームの逆襲」(レトロゲーム研究会編、二見書房)という本に載っていた、みうらじゅんさんへのインタビュー記事を読んだことがある。

画像 赤い三角形の描かれたものが、100個集めなくてはならないパーツ。目立つから見逃すことはあまりないだろう

 これによると、“クソゲー”という言葉を考案して世に広めたみうらさんが、一番クソだと思ったゲームがこの「頭脳戦艦ガル」だという。コース上のパーツを100集めるのが目的なのに、各ステージが難しくて先へ進めない上、進んだとしてもグラフィックが全然変わらない、というのがその理由。

 さて「頭脳戦艦ガル」のエリア(ステージ)数は、地底12面、コア8面、宇宙10面の計30面。1つ1つのエリアは比較的短く、所要時間は1エリアあたり1分ちょっとくらい。

 しかし、最後のエリア30をクリアしても、宇宙空間制御装置「ドラッグ」は出てこない。各エリアに1個ずつある「パーツ」を100個集めてからエリア30をクリアしないと、出現しないのだ。

 エリアの数は30。しかも最初の地底12エリアでは、各エリアの最後に「インターチェンジ」とよばれる分岐が現れ、どちらのルートに入るかによって次に来るエリアが変わる。一度のプレイで12エリア全部を通ることはできないため、エリア30までに通るエリアは30より少なくなる。

 パーツ10個に相当する隠れキャラもあるが、それを取ったとしてもパーツを100個集めるためには、エリア1からエリア30まで、最低3周はしなければならない。

 で、みうらさんの記事にもあったとおり、先のエリアに進んでも変化がない。背景が地底、コア、宇宙の3種類しかないのに、エリア数が30もあって、クリアには3周か4周必要。長すぎる。

画像 地底の各エリアの最後には、左右に分かれた「インターチェンジ」がある。自機が通ったほうの道が広くなり、次のエリアへつながる
画像 真ん中の白い丸は、「ジスタスワープ」のできるアイテム。地底からコアへ、コアから宇宙へ、宇宙から地底へと即座にワープできる
画像 絵的に地味なので、飛鳥山公園の桜の写真でお楽しみください
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/1605/20/news111.jpg 絶対にプラスチックのカップで「焼きプリン」を作るという執念 森永「焼きプリン」の製法特許がすごいと話題
  2. /nl/articles/2312/09/news033.jpg 13年外につながれボロボロのおばあちゃんワンコを保護 人間を信じ始める姿に涙「今まで苦労した分以上の幸せな余生を送れますように」
  3. /nl/articles/2312/10/news011.jpg 犬同伴OKのビュッフェに柴犬と行ったら…… 全く別の楽しみ方をしてしまう姿に「かわいいいいい」「気持ちよさそう」
  4. /nl/articles/2312/10/news019.jpg 入院で2週間不在だったママを待ち続けた猫、再会の瞬間…… 涙を誘う喜びあふれる“お返事”に「深い絆に涙が」「嬉しさがひしひしと」
  5. /nl/articles/2312/10/news018.jpg 同居猫のおしりを嗅いで「テメェ屁こいたなぁ!!!!!??(怒)」と理不尽ギレする猫の姿に抱腹絶倒「夜中に爆笑させないで」「名作」
  6. /nl/articles/2312/10/news061.jpg 遠藤憲一、保護犬を家族に迎える 「保護時には栄養失調と足に怪我を」悲しい過去も、ウキウキお散歩ショットにほっこり
  7. /nl/articles/2312/08/news013.jpg 愛猫が息を引き取る直前「ありがとう、楽しかったよ」と声を掛けたら…… 家族みんなが久々に集った夜の奇跡に涙
  8. /nl/articles/2312/09/news081.jpg 短編ホラーゲーム「8番出口」で“開発者も知らない異変”が発生し笑いと恐怖 「マジでホラー」「本物の『怪異』だ」
  9. /nl/articles/2312/10/news033.jpg 捨てられて真っ黒だった元野良猫が、家猫になった今では…… 真っ白で幸せいっぱいの暮らしに「ほんときれいな美猫さんに」「胸が熱くなる」
  10. /nl/articles/2312/08/news180.jpg ミス東大の水着グラビアデビューに「東大まで行って」と失望の声 本人&現役グラドルも加わるネット論争に
先週の総合アクセスTOP10
  1. オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
  2. 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  5. 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  6. マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  7. 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  8. 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  9. “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  10. 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」