出世指南のシリアスゲーム「太閤立志伝」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/5 ページ)
金ヶ崎でしんがりを申し出る
北陸本線の敦賀駅から、「ぐるっと敦賀周遊バス」に乗る。気比神宮の大鳥居の前を通り、金ヶ崎緑地で降りた。復元された旧敦賀港駅舎などが建ち、芝生広場の先は日本海。そして東側の、木々で埋め尽くされた丘に、かつて金ヶ崎城があった。山すその昔の戦場を、今では犬やラジコンカーが走り回る。
城址に金崎宮という神社が建っている。お市の方の伝説にちなんで、両端をひもで結んだお守りがある。神社の脇から丘に登ると、頂上から日本海を見下ろせた。
それにしても戦国時代の武士は、よくこんな急坂を上り下りしてたもんだと思う。疲れたし脚に来た。
ここで行なわれた織田軍の撤退戦が、いわゆる金ヶ崎の退き口(のきぐち)。
「太閤立志伝」では、斎藤家を滅ぼすか傘下に収めるかした後に、信長は朝倉義景の勢力下にある金ヶ崎城へ出陣。藤吉郎も従軍する。しかし金ヶ崎を包囲したところで(実際には落とした後)一報が入り、浅井長政が裏切って、織田軍の背後へ進軍したことを知らされる。
挟み撃ちに遭った信長は退却を決意。このとき殿軍(しんがり)を申し出るかどうか選択肢が出るので、申し出れば敵との野戦になる。不利な状況なので勝つのは難しいが、負けても藤吉郎自身が生き残って清洲城まで帰れれば信頼値が上がる。
その後あまり間を置かずに姉川の合戦が起こり、織田・徳川軍が浅井・朝倉軍を破る。
さて藤吉郎は、奉行、中老と順調に出世していくが、これに伴って主命も、より重要なものをこなせるようになる。
斎藤家や浅井家との戦いでは、敵将の調略(引き抜き)を積極的に行なうのがいい。藤吉郎の魅力や、調略の技能が高いと、うまくいけば1カ月で3、4人引き抜ける。ただし斬りかかられることもあるので、武力も上げておきたい。
そして相手の勢力を削いだところで、相手を脅迫して降伏させれば、一層の信頼値上昇が見込める。
このほかの仕事には、城の改修や朝廷工作、合戦への参加がある。改修は築城の技術があれば短期間でできるが、評定で提示された時しか実行できない。朝廷工作は信長の官位を上げるために朝廷と交渉するのだが、公卿におみやげを持っていって仲立ちを頼むことになるため、出費がかさむことが多い。
長浜城で今度は、部下に命令を出す立場に
信頼値が、家老に昇進できる値に達した上、能力値のうち3つが80以上となり、茶道や芸術をある程度身につければ、藤吉郎は家老に昇進し、城を1つ任される(このとき、名前が木下藤吉郎から羽柴秀吉に変わる)。
その城は長浜城(史実では秀吉自身が築いた城)だが、長浜城がまだ織田領でない場合は、長浜城を取るまで一時的に別の城に赴任する。
現在復元されている長浜城は、長浜駅の近くにある。京都や大阪から新快速が直通していて行きやすい。駅の逆側には観光名所の黒壁スクエアがあり、その中には「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁」もある。
城の内部は博物館になっている。長浜城築城の様子を再現したジオラマや、曳山祭りの曳山の模型、地元出身の小堀遠州や、国友一貫斎(鉄砲鍛冶で、その技術を生かして望遠鏡などを作った)に関する展示などがあった。
展望台からは、もちろん琵琶湖がよく見える。後に秀吉と柴田勝家が戦う賤ヶ岳(しずがたけ)や、石田三成の生地(伊吹山のふもと)、関ヶ原も見えた。
「太閤立志伝」では、秀吉が城主になると、今度は自ら評定を開いて、家臣に主命を出す立場になる。
他の大名や城主は月初に1回しか行動できないのに対し、秀吉にはそういう制限がなく、月に何度でも評定を開ける。これは相当なアドバンテージ。
とはいえ最初は石高も少なく、家臣も3人しかいないので、できることには限界がある。各地の町を回って浪人を登用したり、他国の武将を調略したりして家臣を増やすとともに、新田開発をして石高を増やす。
信長からは、対立する大名の城を半年以内に落とすよう指示される。でもまだ長浜城は石高が少ないため、多くの兵を雇えない。小さな砦を攻めるか、あるいは武将を調略して敵の兵士を減らして攻めるかしたい。城主を調略すれば、戦わずして城が手に入る。
城攻めでは、役立つ攻略法がある。他機種版でできるかどうかは分からないが、スーパーファミコン版では、攻める城の規模が砦クラスの場合、敵本隊の背後に回り込めば、敵はこちらに攻撃してこない。自分の部隊が鉄砲を持っていたら、攻撃時に反撃を食らうこともないので、味方の損害を最小限に抑えられる。
また、敵の本隊を挑発して、城の外におびき出すのも有効。複数の部隊で取り囲んで攻撃できる。城が直轄城か、もしくは城主の能力が低ければ、3回も挑発すればほぼ間違いなく本隊が飛び出してくる。
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