ロックマンシリーズは、主人公とプレイヤーの成長の物語――ロックマンスペシャルステージ東京ゲームショウ2008 カプコンブース

大盛況なカプコンブースの特設ステージで、ロックマンスペシャルステージが行われた。登壇したのは「ロックマン9」エグゼクティブプロデューサーの稲船敬二氏、流星のロックマンシリーズプロデューサーであるホリケンこと堀之内健氏、そしてロックマン本人! 2人のクリエイターからロックマンにまつわる熱く面白い話を聞くことができた。

» 2008年10月11日 10時26分 公開
[仗桐安,ITmedia]
photo

 カプコンブースでは10月10日14時よりロックマンスペシャルステージが始まった。このイベントは大きく分けて2部構成になっていた。まずは「ロックマン9」の話が聞けた前編をお伝えしよう。

稲船氏の口から飛び出した、ビックリ企画

 最初に壇上に上がったのは、ファンにはおなじみ、「ロックマン9」エグゼクティブプロデューサーの稲船敬二氏だ。

photo 「ロックマン9」エグゼクティブプロデューサーの稲船敬二氏

 稲船氏は、20年以上ロックマンというタイトルをつけてきて、それが継続していて、それにファンがついてきてくれている、と切り出した。そんなファンのみんなに向けてWiiウェアで「ロックマン9」の配信が始まったこと、また、配信後、好調に販売していることを報告し、ファミコンというコンセプトの中で、理解をされないかもしれないという不安があったが、ファンの皆様が理解してくれた、と喜びを伝えた。


photo 売れ行き好調な「ロックマン9」

 開発にはすごく苦労があった、と語る稲船氏。「作る側にもファミコン(のようなグラフィック)を作るのが初めてのスタッフがいた。色数制限がないにも関わらず、色数制限しろとか、キャラ数制限しろと言うもんだから、訳の分からないこと言ってるなと思われてたかも。いざ色数を制限してみたら、僕から『もっと色増やしたら』と言われて『色使ったらいかんのんちゃうんのん!』という感じでした(笑)」と、おもしろエピソードを語ってくれた。

 ネット販売にはパッケージのソフトとは違う楽しみがある、と稲船氏は話す。「販売だけじゃなくネットを活用したい。ネットの特性を生かしたことをやりたい。ロックマンが注目された背景には、ニコニコ動画でロックマンの曲を使ったものがヒットしたり、『エアーマンが倒せない』という歌ができたというのもある。そういったファンの活動に対してどう取り組んでいったらいいのか。ユーザーの気持ちを大切にするのが大事だろうと考えた。もっともっとニコニコさんにロックマンの面白さを伝えてほしい。もっともっとロックマン関連の動画を出してもらっていい。というわけで、画像、音声、動画のサンプルをどうぞ持ってっちゃってください、ということになりました」というビックリ発言が飛び出した。

 これは「オフィシャル素材配信企画」と題して10月10日午後3時から公式サイトで開始しているようだ。

 稲船氏は続ける。「カプコンは広い心を持っているぞ、と。それでみんなに楽しんでもらってロックマンの楽しさをアピールしていただけたらうれしいし、お互いメリットがあるんじゃないかと思うんです。ゲームを楽しむということもエンタテインメントだけど、動画を楽しむということ、ゲーム以外のところでロックマンを楽しんでもらうのもエンタテインメントだと思う。どんな形でもロックマンを使っていただければ僕らはハッピーなんです。ぜひぜひ公式の素材を楽しんでほしい」と、配信企画の主旨を伝えた。

photo 驚きの企画である。よっ! カプコンふとっぱら!

流星のロックマン1を作るつもりで取り組んだ「流星のロックマン3」

 「ロックマン9」にまつわる前編が終わり、稲船氏が壇上に残ったまま、流星のロックマンシリーズプロデューサーであるホリケンこと堀之内健氏と、ロックマン本人が登壇した。

photo 「流星のロックマン3」は2バージョンでの発売だ
photo ロックマンがやってきた

photo 堀之内健プロデューサー
photo 固く手を組む3人。素敵である

 ここで稲船氏から堀之内氏にバトンタッチ。最後に稲船氏は「ロックマンシリーズは、小学生から大人まで、幅広い層に受け入れられています。もっともっとおもしろいロックマンを提供していけたら、と思ってますので、これからももっともっとロックマンを応援してくれたらうれしい。流星のロックマン最新作はいい作品に仕上がってます。堀之内の話をぜひ聞いていって、楽しんでください」とコメントし、ステージを降りた。

 そして、「流星のロックマン3」のプロモーションムービーが流れる。

photophoto テンポよくかっこいいプロモーションムービーが上映された

 司会者から堀之内氏への質問。「今回の3は今までの1、2とイメージや世界観が様々な点で違うようですが、いかがですか」と尋ねられ、堀之内氏は、旧作よりもプロモーションムービーがスタイリッシュでかっこいいものになっていることにふれた。

 「流星のロックマン1のつもりで作っているんです。流星のロックマンのよさって何だろうって考えて、ストーリーやバトルももちろんそうなんですが、一番表現したかったのは、メインターゲットである男の子の心のド真ん中にビシッとくるかっこよさだろう、と。それは、リアリティに裏打ちされたサイバーな近未来的かっこよさなんです。男の子がかっこいいと思うところはそういうところなんですよ。1や2では、宇宙人というテーマやなんでもありな感じで、ファンタジーになっていたところがある。そこを一から見つめ直して世界観を再構築しました。科学技術とリアリティを考えたデザイン、世界観をひとつひとつ見直しました」と、堀之内氏は語る。

photo スクリーンの画像で比較。確かに旧作(左)と新作(右)ではロックマンの姿が微妙に違う
photo ゲームの連動アイテム「ノイズ改造ギア」が発表された。これは、データをカードで入力して、ゲームに連動するデータを組み込めるもの。ロックマンの能力を、やってはいけないような改造をしてパワーアップするように、めちゃくちゃ強くできる、のだとか

photo KCBが唄うタイアップ曲「stellar」も発表された。KCBのメンバーは“メロディはポップで聴きやすいんだけど、演奏はすごくかっこよくて、ロックマンのかっこよさに合っている”“「流星のロックマン3」を楽しみにしています”とビデオメッセージをくれた
photo 続いて、「流星のロックマン3」を応援する芸人として髭男爵が選ばれたことが発表された。ビデオメッセージで漫才形式のコメントを寄せる髭男爵。「流星のロックマン3」は、心強い味方を得たようだ

 最後に堀之内氏からのメッセージ。「流星に限らずロックマンシリーズについては、開発スタッフはひとつひとつ思いがある。ロックマンシリーズは、主人公とプレイヤーの成長の物語だと思ってます。1本1本やる中で、みんなの思い出の中でどう成長していくのか……毎年毎年ロックマンをプレイしていってほしいです」と締めくくった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」