災害のオンパレードとWii操作のオンパレードで描かれる、極めてハリウッド的なアクション巨編:「ディザスター デイ オブ クライシス」レビュー(2/3 ページ)
プレイの合間に挿入されるムービーでは、外国人による全編フルボイスと日本語字幕がつき、外国映画の雰囲気をしっかりと味わえる。グラフィックは、正直なところPS3やXbox360のリアル系のゲームとくらべれば見劣りを感じる部分もあったが、主要人物の造形はかなりきれいにモデリングされている、という印象。災害の描写など、美麗さとともに演出の迫力を感じることができる部分では、思わず息を呑むほどのクオリティを体感することができた。特に個人的には津波の描写が出色の出来栄え。「あー。わーわーわー」と言葉にならない感嘆の独り言をつぶやきながら、大迫力の津波に見入ってしまったほどだ。
本作のムービーの量は割と多い方だと言えるが、けしてムービー偏重な内容ではない。物語を転がすために必要十分な量のムービーが流れ、主人公の肝心な見せ場はゲームとしてプレイできるようになっており、その緩急のバランスはなかなか良好だ。
ストーリーは一本道なのだが、設定上の目的やシチュエーション的な「この場をどうにかしなくては!」と思わせるフリがうまいので、おつかいでやらされている感はあまり感じなかった。また、1つのステージはそんなにプレイ時間が長くなく、物語の続きが気になるところで終わるので、思わず「次のステージまでやってみよう」と思いながら延々とやってしまう、という徹夜コースになってしまうかもしれないので、お気をつけを。
銃撃って、レスキューして、カーにも乗って 多彩な操作の秀逸なアクション
本作は、アクション映画的であると同時に、とてもゲームらしいゲームでもある。Wiiリモコンとヌンチャクを使ってさまざまなアクションを起こすことができるのだ。
基本的な操作方法は、コントロールスティックで移動し、Aボタンでジャンプ、射撃をする時は射撃用の画面になり、ポインタで狙いを定めてBボタンで射撃、ヌンチャクを振ってリロード、Zボタンで物陰に隠れて敵の攻撃をやり過ごすことができる。全体を通してみると、敵との銃撃戦がメインな感はあるが、それ以外にもステージごとにできることが異なる。
とにかく市内で逃げ遅れた人たちをレスキューする、というステージもあれば、Wiiリモコンを横持ちにしてカーアクションをプレイするのみのステージもある。一言にレスキューと言っても、市民たちの置かれた危機的状況はそれぞれ違うので、レスキューの操作もそれぞれ異なる。
例えば、ある人は泥だらけになっている上に、どこかを怪我している。この場合はBボタンで放水して泥を落としてあげて、なおかつ、傷口を発見したら、今度はコントロールスティックをぐるぐる回して包帯を巻いてあげなくてはならない。例えば、ある人は瓦礫に足を挟まれている。瓦礫をどかすためにAボタンを連打し、ゲージがMAXまでいったらWiiリモコンとヌンチャクを振り上げて、瓦礫の除去に成功だ。また、カーアクションなら「2」ボタンでアクセル、「1」ボタンがブレーキ、Aボタンがサイドブレーキで、Wiiリモコンを傾けることでカーブを曲がることができる。
この他にもさまざまな場面でのさまざまな操作があり、初めてその操作に触れる場合には必ず操作説明が表示される。これだけ聞くと「いちいちいろんな操作するのはめんどくさそうだな」という印象を持つかもしれないが、各操作はそんなに複雑ではない上に、その場その場の状況で理に適っているものなので、一度覚えればすんなりと頭に入るはずだ。
ただ難点を言えば、カーアクションがあまりにシビアな点が気になった。少しでも障害物にあたるとアウトでそのままゲームオーバーにつながってしまう、突き放した難易度のステージがいくつか存在する。ほかのパートとくらべて極端にシビアなので、おそらくレースゲームなどに慣れていない人は何度もリトライをすることになるだろう。カーアクションについては障害物の位置を覚えてクリアする“覚えゲー”的な側面があるので、根気よくトライしてほしいところだ。
バリエーション豊かな操作方法でピンチを切り抜けていくレイのステータスもまた、実に情報が多い。LIFEゲージが0でゲームオーバーになるのは通例通りだが、そのほかにスタミナ、肺ゲージ、心拍ゲージなどが画面に表示されている。スタミナは何もしなくても少しずつ減るが、特殊状況下ではさらに減りやすい。スタミナが0の状態が続くとLIFEが減っていくので、フィールドの障害物を壊して、食料などのアイテムをゲットしていかなくてはならない。
煙地帯に入ると肺が汚れて肺ゲージが黒くなる、というのは本作独特のユニークなステータスだ。各地では地震による火災や噴火による炎が巻き上がっていて、有毒ガスを含む黒い煙が噴き出している地帯がある。この地帯を通ると肺ゲージがダメージを受けるので、通り過ぎたあとに心拍ゲージに合わせながらZボタンを押して、深呼吸をすることで肺を浄化する、という操作をすることになる。
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