目指すは米国App Storeナンバー1──ハドソン 柴田氏が語る「iPhoneアプリにかける思い」:ゲームプラットフォームとしてのiPhone(2/3 ページ)
日本でも盛り上がりを見せるiPhoneアプリ開発
柴田氏が感じている“iPhoneの可能性”については、国内の開発者も高い関心を寄せている。ソフトウェア開発者の支援を行っている特定非営利活動法人MOSAが開催したイベント「第4回 DEMOsa」に参加した柴田氏も「注目度は非常に高い」と話す。
「メーカーという立場だと、まだ様子見のところが多いと思います。すでに持っているコンテンツがあって、本当にこのメディアに出していいのかな、と検討しているところなのでしょう。ただ、一般の開発者や小規模な会社は、ものすごい、願ってもないチャンスととらえ、すごくわくわくしていると感じます。成熟したプラットフォームだと、なかなかそういう会社は参入するのが難しいですから」(柴田氏)
iPhoneの画面上で、池の中を鯉が泳ぐ様子が楽しめる「KOI POND」や、ライターを付ける感覚でiPhoneの画面に火をともし、それを別のiPhoneに移したり、世界中のどこで火が付けられているかを地球儀に表示する「Sonic Lighter」といった、個人や小規模の会社が開発した非常に人気が高いアプリはすでに多数登場している。またユビキタスエンターテインメントなどが、iPhoneの画面を紙のノートのように自由に使えるようにするアプリ「ZeptoPad」のような日本発のアプリも開発している。
「iPhoneは、お客さんが作っていくメディアとしての可能性を持っていると思います。面白い商品があれば、自然とユーザーの間に広まりぐっと伸びてきます。最近は、YouTubeで映像を見て、面白いと思ったものをiPhoneで探す、という流れができていると思います。ハドソンでも、全タイトルの映像を用意して、YouTubeで公開しています。もちろん、アプリはいつでもどこでも3Gネットワーク経由でiPhone 3Gに直接ダウンロードできるよう、可能な限り容量は10Mバイト以下に抑えています。やはり思いついたときにダウンロードできるのと、家に着いてからiTunesでダウンロードするのとでは違いますから」(柴田氏)
「半年以内に北米でトップ10に入りたい」
ハドソンがリリースしているゲームの価格は、無料から7.99ドル(900円)まで、さまざまなものがあるが、値付けは常に悩んでいると柴田氏は言う。ゲームの価格は地域によって差があり、意外に知られていないことだが、ゲーム専用機(コンソール)向けのゲームの場合は、実は日本より北米の方が安い。店頭での価格は、主にバイヤーや店舗が決めるため、商品によっては1000円や2000円で売られるものもあり、平均すると4000円弱が一般的だ。一方日本では、4800円や5800円といったタイトルが多い。北米でそこまでの値段が付いているタイトルはほとんどないそうだ。
「これがデジタルダウンロードになると、日本と北米は逆転します。北米では、ケータイゲームなどでも500円や600円のタイトルは普通にあります。日本の場合、315円や210円といった価格のアプリが多いせいか、iPhoneアプリの価格はやや高いイメージがあると思います。でも、海外市場で見ると実はそれほど高価とは受け止められていません」(柴田氏)
ただ、最近は無料アプリがものすごく多いため、全体の価格が無料に引っ張られて少しずつ下がっている傾向が見られるという。
日本と海外で人気のあるアプリにも違いがあると柴田氏は指摘。「今後どうなっていくかはかなり流動的なので分かりませんが」と前置きしつつ、「日本のiPhoneユーザーは非常に“ハイソサエティ”といいますか、ある意味とんがったユーザーが多いので、iPhoneを持っている人の割合で考えると、海外よりアプリを買っている人の数は非常に多いと思います。積極的にコンテンツを使ってみようとする方が多いのでしょう。しかも、メーカーに対しては比較的温かいまなざしで見守ってくださっている感じがします」と、日本の状況を説明した。
一方、北米では初代iPhoneの発売以来、数百万台以上出荷され、幅広い年齢層のユーザーがいることもあって、「ユーザーは日本よりも厳しい目を持っていると思います」と柴田氏は話した。
現状では、ハドソンのタイトルの地域別ダウンロード比率は、日本が全体の2〜3割に上る。この数字は、端末の販売台数を考えると非常に多い。もちろん、ハドソンが日本人になじみ深い、よく知られているソフトベンダーであり、日本語のアプリを開発しているからという理由もあるので、海外のベンダーとは大きく傾向が異なるだろう。しかし逆に、この数字は海外ではもっと売れる可能性を秘めているともいえる。
「ハドソンとしては、半年以内に北米でベスト10以内に入りたいですね。できればトップをとりたいです。今までの最高は、ボンバーマンで16位でした。それもApp Storeがオープンして間もないころでした。『KOI POND』には勝てていないわけです(笑)。やはり北米では、ハドソンのネームバリューはまだ低く、ブランディングも浸透していません。iPhoneアプリでハドソンブランドが強化されれば、コンソールも含めてほかのジャンルにもいい波及効果が望めると思っています。北米の高い壁は、チャレンジのしがいがあります。面白いゲームが出せれば、北米ベスト10は絶対とれる自信はあります」(柴田氏)
Androidにも興味津々
iPhoneだけでなく、モバイルの新しいプラットフォームという意味では、Windows MobileやAndroidなども広がりを見せているが、ハドソンとしてはこれらのプラットフォームをどう見ているのだろうか。
柴田氏は「我々はコンテンツメーカーなので、やろうとしている考えに合致し、やりやすそうであれば、どんなプラットフォームでも出していきます。何かにためらう気持ちは全くありません。iPhoneだけにとどめるつもりはありませんし、今まで以上にケータイもやっていきますし、Androidも含めたさまざまなプラットフォームに対して積極的にやっていきたいですね」と、その意気込みを見せた。
特にAndroidは、現在非常に注目しているプラットフォームの1つだという。具体的な形はまだ見えてきていないが、App Storeのようなアプリケーション配信の仕組みである「Android Market」が提供予定であること、そしてYouTubeが容易に閲覧可能であることが重要なキーになると柴田氏は指摘した。
「Android Marketは、App Storeと共通する部分があると予想されます。誰でも登録できて、さまざまなコンテンツを全世界に配信できる仕組みはとても魅力です。AndroidでもiPhoneを同じような展開ができるようになるなら、今まで構築してきたノウハウが生かせると思います」(柴田氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」