レビュー
» 2009年02月27日 13時59分 公開

伝説の極道が、PS3で大暴れ!――東京と沖縄でリアルな街を駆け抜けろ「龍が如く3」レビュー(1/3 ページ)

大人のみなさん、お待たせしました。桐生一馬が帰ってきました。あの、伝説の龍が帰ってきたのです。今度のプラットフォームはPS3。そして今度の舞台は東京と沖縄。あらゆる面で過去作品からグレードアップした「龍が如く3」を、大人の貴方に!

[仗桐安,ITmedia]

大人のエンタテインメントは伊達じゃない 〜「龍が如く」シリーズ最新作、登場

 伝説の龍、桐生一馬が帰ってきた! いや、正しくは何だろう……新天地(新ハード)で蘇った! とでも言うべきだろうか。

 セガの「龍が如く3」は、人気アクションアドベンチャー「龍が如く」シリーズの最新作だ。「龍が如く」と「龍が如く2」はPS2でリリースされたが、本作はいよいよPS3での登場となる。スピンオフ作品である「龍が如く 見参!」で既にPS3デビューは果たしているが、やはり本編の正統なる続編が最新のハードで出るということで、ファンは心待ちにしていたのではないだろうか。

 「龍が如く」シリーズの魅力は、その徹底的に作り込まれた箱庭と、とことん遊べる“大人の”エンタテインメントにある。

 箱庭を自由に移動できるゲームといえば「グランド・セフト・オート」など海外タイトルが目立つが、「龍が如く」シリーズは日本の歓楽街を舞台にしていて、一貫して“神室町”という架空の街を描いている。リアルで臨場感あるフィールドで何でもありのストリートバトルができる、というのは何とも爽快なものがある。実際の歓楽街でカラーコーンを振り回してケンカをしたら大変なことだが、ゲームの中ではそれもアリなのだ。

 また、シリーズ作品すべてがCERO:D区分(17歳以上対象)である点からも分かるように、大人のためのエンタテインメントとして作られている。裏社会に身を置いた主人公が、街のチンピラや極道たちとケンカをするという要素、流血や暴力表現もさることながら、なんと街中に風俗案内所があったり、キャバクラや賭博場に通うことができるなど、まさにアダルトな遊びの要素が散りばめられている。

PS3で桐生さんの顔がよりリアルに、よりかっこよくなりました

 だからこそ、他のゲームとは違うオンリーワンな面白さを持ったシリーズとして、大人のユーザーに支持されているのだろう。「龍が如く」がBest版を合わせた累計でミリオンヒットになったり、「龍が如く2」が2007年の日本ゲーム大賞で優秀賞を取るなど、ゲームとしての人気と評価は高い。

 そんな「龍が如く」シリーズの最新作が、PS3で満を持して登場だ。PS2のDVD-ROMでもかなりのボリュームだったが、本作ではPS3専用のBD-ROMで作られている。次世代機でスケールアップした桐生一馬の活躍について、お伝えしていこう。

今度の舞台は東京と沖縄! 〜謎と陰謀が渦巻く世界で、桐生、奮闘す

桐生一馬

 本作の主人公(=プレイヤーキャラ)は、「龍が如く」「龍が如く2」と同じ桐生一馬だ。

 桐生はかつて“堂島の龍”と呼ばれ恐れられた伝説の極道。“親殺し”(実際の親を殺したのではなく、組長を殺したの意)の汚名を背負った桐生が神室町に戻ったところから「龍が如く」は始まる。神室町を舞台に東城会と消えた100億円を巡る物語が描かれ、桐生の過去を清算するドラマチックな展開が繰り広げられた。

 「龍が如く2」では、東城会と関西の近江連合との抗争が勃発。ゲームの舞台は、神室町に加えて、関西の蒼天堀、新星町(いずれも架空の街だが大阪をリアルに再現している)に行くことができるようになった。関東と関西を行き来しながら、東城会の隠された過去や、20数年越しの復讐劇が顕わになっていき、最終的には“堂島の龍”桐生と“関西の龍”郷田龍司の対決で幕を閉じた。

 本作の物語は、時系列的に「龍が如く2」の後の桐生を描いており、完全なる続編だと言える。「龍が如く」で東京の街が、「龍が如く2」で東京と大阪の街が綿密に作り込まれたわけだが、本作では沖縄・琉球街という新たな舞台が用意されている。

 極道の世界から身をひいて、沖縄でアサガオという養護施設を営んでいる桐生一馬。その傍らには、神室町で出会った遥も一緒だ。たくさんの子供たちに囲まれて平穏な暮らしをしている桐生のもとに、土地買収というトラブルが襲い掛かる。アサガオでの生活を守るために立ち上がる桐生。やがて桐生は、沖縄の基地拡大法案とリゾート開発計画という2つの政治的な計画とその裏にある陰謀に巻き込まれていく――。

 序盤は時系列が前後しながら、沖縄と東京でほぼ同時に起きた2件の発砲事件に至るまでの2年間を追体験できる。しばらくはアサガオでの子供たちとのふれあいがメインで描かれるが、舞台が東京に移ってからは、いつもの「龍が如く」節でハードな大人の世界を堪能できるだろう。

アサガオの子供たちに「おじさん」と呼ばれ慕われる桐生
遥や子供たちの安住の地を守るべく、桐生は東京と沖縄を行き来する
敵に囲まれても一切ひるまない桐生。さすが伝説の極道だ

大物政治家も絡む、壮大な物語へと発展していく
真島さん健在です。いい活躍しますよ

 毎度のことではあるが、話の構成やキャラクター造形が非常にしっかりとしており、不可解な謎や人物関係の推移などで、ユーザーのハートをつかんで離さない、巧みなストーリーテリングを味わうことができる。かつて死んだはずの風間にそっくりな男の影、中盤で明らかになる基地拡大法案とリゾート開発計画の裏事情、後半で畳み掛ける怒涛のドラマチックな展開、そして最後に流れるは矢沢永吉が歌うエンディングテーマ……。

ミレニアムタワーにヘリコプター襲来。その目的とは……?
かつて亡くなったはずの男が桐生の身近な男たちを襲撃?本当に彼は風間なのだろうか

 前2作をプレイしたファンならばまず満足するであろう、濃ゆいドラマが待っている。前2作をプレイしていなくて本作に興味を持っているという人もご安心いただきたい。本作には前2作のダイジェストムービーが収録されている。かなりしっかりと作られたムービーなので、プレイする前にこれを観ておけば、いきなり髭の男が出てきても「おっ。風間の親父っさんなのか?」と、ちゃんとストーリーにのっていけるはずだ。

桐生のモノローグが流れる中、1と2の内容を把握することができる

 シリーズ恒例ではあるが、声優陣の豪華さも要チェックだ。本作では藤原竜也、中村獅童、宮迫博之、宮川大輔、高橋ジョージ、徳重聡、泉谷しげる、渡哲也などがメインの役で参戦。ムービーで熱い演技バトルを魅せてくれる。違和感があったりするかな、と多少心配したりもしたが、なかなかどうしてそれぞれが役にはまった演技をしている。演出とキャスティングの妙でドラマをしっかりと盛り上げてくれているのだ。

豪華声優陣による新キャラはどんな活躍をしてくれるのだろうか。期待してほしい
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