連載
» 2010年03月02日 10時00分 公開

「東方見文録」弾幕系じゃない方の“東方”ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

連載第83回は「東方見文録」。ナツメのファミコン参入第1弾でしたが、カルトな展開のアドベンチャーゲームとして、翌年発売の「アイドル八犬伝」と並び称される存在でした。エンディングも衝撃的。

[ゲイムマン,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

時を操る機械を操る程度の能力

 13世紀。中国・元へ行き、フビライ・ハーンに仕えたマルコ・ポーロが、その行程で経験し見聞きしたことを、ルスティケロという作家が記した「東方見聞録」。

 この「東方見聞録」に影響を受けて、マルコ・ポーロに弟子入りし、“黄金の国ジパング”へ行って金儲けしようと考えた男がいる。彼の名は「東方見文録」。「東方見」が苗字で、「文録」が名前である。

 文録は、東南アジア大学歴史工学部旅行学科の4回生。卒業旅行と称して、自ら発明したタイムマシンを使い、西暦1275年のベニス(ベネチア)へ向かうことにした。目的はマルコ・ポーロに会うこと。そして“黄金の国ジパング”へ行き、代官山に日本一の雑貨屋を出すための資金を稼ぐことだ。

 しかしいざタイムトリップしてみると、転送された先は、マルコが乗っていた船の中。しかもマルコと父ニコロの目の前に突然出現してしまう。びっくりしたニコロは腰が抜けて、背が縮んでしまい、旅を続けることができなくなった。そこでやむを得ず、文録をマルコに同行させ、ともに元国に向かわせるのであった……。

手前にいる濃い顔の男が文録。後ろのかわいいコックさんがタイムマシン
ニコロの背が縮みすぎ。マルコのびっくり顔もひどい。マルコの叔父・マテオはなぜかこのゲームに登場しない

 ナツメが1988年に発売した「東方見文録」は、こんなオープニングからスタートする。主人公の名前も変だし、学部・学科も何それと思うし、タイムマシンを発明する資金でお店の1軒や2軒出せるだろうし、マルコの前に出たら文録の外見も口調もいきなり変わっちゃうし、腰が抜けて背が縮むってのも謎だし、ニコロがそんな得体の知れない奴をあっさりマルコと同行させる心理もわからないし。……ツッコミどころがありすぎる。

 あと、ネットで調べるまで気づかなかったけど、実際にマルコ一行がベネチアを出たのは1271年。1275年には既に元国に着いていたはずだが。

 ちなみに「東方見聞録」には、ジパングに“黄金でできた宮殿”があると書かれているが、これはどうやら中尊寺金色堂のことらしい。この当時にはまだ、京都の金閣寺や、津名の1億円の金塊や、宇多津のゴールドタワーはなかった。

パッケージも変だ。一応左が文録、右がマルコだろうと思うけど
中尊寺金色堂は1124年建立。この覆堂の中にある。奥州藤原氏は中国と交易を行なっていたらしい
今もオシャレな雰囲気の代官山。文録はこんな町にいったい、どんなお店を出す気だったのか?

マルコは大変な者とコンビを組まされました

 文録とマルコは、アークルという町にやってきた。なじみのない名前だけど、実はマルコ・ポーロが本当に訪れた町(イスラエルのアッコのことか?)。この時期はローマ法王が空位で、新法王が決まるまでアークルで待つことも、エルサレムで聖なる油を手に入れることも、どうやら史実らしい。

部屋の鏡を割ったら、宿屋のあるじが現れた! なにそれこわい

 ただし、このゲームに出てくるアークルはなかなかカオス。ベールで顔を覆った謎の女性に紹介されて、彼女の経営する宿に泊まる文録とマルコ。しかし彼女の正体は、ヒゲの濃いオカマだった! しかも部屋に入った2人を、マジックミラー越しにこっそりのぞいていたのだ!

 そんな宿に泊まって何事もないはずはなく、夜が明けると文録の荷物がそっくり盗まれていた。窓の鉄格子が少し広げられ、床に大きな足跡が残っていたので、文録は“犯人は小柄で大足”と大胆に推理。町でまさにそういう体型の人物を見かけ、問答無用で殴りかかる。だが彼は犯人ではなく、しかも後にローマ法王となる神父デオパルト(テオバルド)であった(ちなみに実在の人物)。

 文録とマルコはデオパルトの許しを得て、エルサレムにある聖墳墓教会で、ランプを灯す聖なる油を受け取ろうとする。ここにも邪魔が入るが、神の怒り(詳しくは書かないし書けない)で撃退し、無事に聖なる油を入手。ローマ法王となったデオパルト改めグレゴリー10世から、フビライへの親書を受け取る。これにて第1章終了。

 ちなみに、アークルとエルサレムの間にある砂漠は、このゲームいちばんの難所かもしれない。道筋のヒントも目印もまったくなく、運が悪いと延々と抜けられないのだ。この砂漠はもしかしたら、初期のPC用アドベンチャーゲーム「惑星メフィウス」(T&Eソフト)へのオマージュなのかもしれない。まあ「惑星メフィウス」の砂漠のつらさは、こんなもんじゃないけれど。

“犯人は小さくて大足”ってどんな推理だよ! と思うが、まさか本当にそんな人がいたとは
砂漠はこの後の行程でもたびたび出てくる。実際、砂漠の多いルートを通っているから仕方ないか
パスワードは文字じゃなくて不思議な絵。BGMがマイムマイムなのは、もともとイスラエルの曲だからか?

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2402/26/news043.jpg 生後1カ月赤ちゃん、ママが3時間抱っこで限界→バウンサーに座らせた瞬間 “激おこ”な表情に「かわいい」「ママ頑張りましたね」
  2. /nl/articles/2402/26/news040.jpg 1歳弟を寝かしつける4歳姉、2人の会話が「可愛すぎて泣ける」 “小さなお母さん”の活躍に「いつまでも仲良しでいてね」
  3. /nl/articles/2402/25/news065.jpg 「ほんと愛でしかない」「心から尊敬します」 “6男7女の大家族”うるしやま家のスーパーママ、“15人分のお弁当作り”が神業レベルで称賛の声
  4. /nl/articles/2402/25/news021.jpg 10人目妊娠中の妻、出張に行く夫から突然「疲れた時は冷凍庫を開けて」とLINEがとどき…… 優しいサプライズが140万再生
  5. /nl/articles/2402/26/news110.jpg 永野芽郁、ドラマ役作りで減量していた ミラノでの1枚に「足ほっそい!」「スタイルよすぎ」の声集まる
  6. /nl/articles/2402/25/news014.jpg 母が帰宅したと思って出迎えた猫、ふと顔をあげたら…… 想定外の事態へのリアクションに「いいねを一万個ぐらいあげたい」
  7. /nl/articles/2402/26/news122.jpg 石田ひかり、2人の娘たちが海外へ旅立ちしんみり 子どもの乗る飛行機を「朝まで追跡しておりました」
  8. /nl/articles/2402/26/news125.jpg 「時差投稿」宣言の北斗晶、ブログ写真をよく見てみると……? 白物家電の英語ボタンで示唆「円安だし」
  9. /nl/articles/2402/26/news049.jpg 着古したセーターがリメークで冬に大活躍の日用雑貨に超変身! 古着の意外な再活用が「とても懐かしい気持ちに」と話題に
  10. /nl/articles/2402/25/news007.jpg 【漫画】「愛犬の老いに直面した話」に「泣きました」「まさに同じ気持ち」と8万いいね 家族の老いと喪失に向き合う話に涙
先週の総合アクセスTOP10
  1. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  2. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  3. 宿題する8歳娘と、邪魔しつづける猫を1年記録したら…… 490万再生の愛がつまったやりとりに「最強の名コンビ」
  4. 真田広之の俳優息子、母の手塚理美がエール「彼なりに頑張ってる」 両親ゆずりのルックスに「イケメン」「男前」の声
  5. 野生の鯉を稚魚から育て4年後、判明した事実に飼い主「僕は今まで何を…」 激変した姿に「爆笑してしまいました」
  6. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  7. 食用でもらった車エビ、4歳息子に「育てたい」と懇願され…… 水槽で飼育した貴重な記録に「可愛い姿見せてくれてありがとう」
  8. 2歳娘とパパ、愛と平和しかないやりとりに「100億年分のストレスが消滅した」 涙が出るほど幸せな会話に称賛の声
  9. 3歳双子姉妹、17歳お姉ちゃんを修学旅行で見送ったら…… 寂しくて号泣する様子に「もらい泣きです」「愛されてますね」
  10. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「天までとどけ」長女役、芸能界の「負の連鎖」訴え 主演俳優の“お誘い”拒否し「他の演者やスタッフからも無視」「本当の事なんか誰も話さない」
  2. 田代まさし、南部虎弾さん通夜で“一団”に絡まれる騒動へ……にらみ合いの末に「ちょっと来い」「止めろよお前」
  3. 妊娠中の英俳優、授賞式での“金太郎”ドレスが賛否両論 「半裸の妊婦なんて見てられない」「ホットなママ」
  4. 「変わんないもん俺のと」 所ジョージ、ホンダ軽を超速カスタムで高級外車と“まったく同じ”外見に 「朝から楽しいよ」「完璧!」
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 「意識もうろう」「何も食べられない」 すい臓がんステージ4の森永卓郎、痩せた顔出しで“最悪の時期”告白 息子は「『死ぬ』が冗談に聞こえなかった」
  7. 授業参観の度に「かっこいい」と言われた父親が10年後…… 「時間止まってる?」と驚愕の声がやまない父子の姿が870万再生
  8. 65歳マドンナ、ワールドツアー中のダンスが“おばあちゃん”だと視聴者衝撃 「もうやめなよ」「こんなふうに終わりを迎えるなんて」
  9. 人気ブロガー医師が4年の闘病の末に42歳で逝去 夫が伝える「素敵な女性がいたということを皆様の心に残していただければ」
  10. 能登半島地震により海底が“隆起”→すさまじい様子を収めた写真に「自然の脅威を感じる」