連載
» 2010年04月02日 10時14分 公開

“レッツゴー!陰陽師”へ至る道のり「豪血寺一族」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/4 ページ)

連載第84回は「豪血寺一族」(アトラス)。動画サイトで「レッツゴー!陰陽師」がすっかり有名になってしまいましたが、第1作から個性的なBGMとアクの強いキャラクターには定評がありました。

[ゲイムマン,ITmedia]

ゼンインオドール

この男が陰陽師・矢部野彦麿である。大画面テレビにこの顔が映ると、不気味すぎて思わずのけぞる

 陰陽師・矢部野彦麿と琴姫が、坊主ダンサーズを従えて、激しく歌い踊る。そんなポリゴン映像が、動画サイトで大ブレイクした。

 2006年に発売されたプレイステーション 2用ソフト「新・豪血寺一族 煩悩解放」(開発・ノイズファクトリー/発売・エキサイト)に収録された、ゲーム内BGM「レッツゴー!陰陽師」のPV(プロモーションビデオ)である。

 「レッツゴー!陰陽師」は、ネオジオで登場した前作「新豪血寺一族 闘婚 Matrimelee」(開発・ノイズファクトリー/発売・プレイモア(現SNKプレイモア))から使われている曲だが、このPVのインパクトは強烈で、一躍脚光を浴びたのだ。

 「新・豪血寺一族 煩悩解放」でこのPVを見るためには、ゲームを何度かプレイしてポイントを貯め、なおかつミッションモードで特定の課題をこなさなくてはならない。特にミッションモードでは、途中で「闘婚」のボス、プリンセス・シシーを倒すことが難題だった。

矢部野彦麿&琴姫With坊主ダンサーズが、みんなそろって「レッツゴー!」
琴姫の「うううううううう」タイム!

 実はこのゲームには、「レッツゴー!陰陽師」以外にも、3つのPVが収録されている。リストラに遭ったサラリーマンが再就職先を探す歌「貧乏人間カネナイジャー」、宇宙人がほのぼのと歌う「ボクラノヒミツ」、パソコン自作の様子を3人組のアイドルが歌う「ときめきオーバークロック」だ。

 ただし、「陰陽師」以外の3曲はワンコーラスのみ。やはり「陰陽師」のPVが最も力を入れて作られているようだ。(特典のサウンドトラックCDには、4曲ともフルコーラスで入っている)

「ときめきオーバークロック」を歌う秋葉原三人娘。向かって右側の女の子が、矢口真里さんに似てるような気がする

 それに「ボクラノヒミツ」と「ときめきオーバークロック」は、ミッションモードで“ドローになる”という難しい条件をクリアしないとPVが出てこない。だから見ていないプレイヤーも多いかもしれない。もったいない。

 PVが作られていないBGMも全部変。個人的には、昭和歌謡風の「素晴らしきインタアネツト」や、グループサウンズ風の「青春の格ゲー」が特に好き。

陰陽に 陰陽に 陰陽に お宮

 京都の一条通は、住宅地の中の細い生活道路だった。四条通のような大通りを想像していたので意外だった。この一条通の途中、堀川に架かる橋が、「一条戻り橋」である。

 平安時代中期に活躍した陰陽師・安倍晴明は、この橋の近くに住んでいた。現在その屋敷跡には、晴明をまつった晴明神社が建っている。

 そもそも陰陽師とは、陰陽五行説(木火土金水と陰陽の組み合わせ)に基づいて、占いやまじないを行なう役職。晴明は特に優れた陰陽師として知られ、式神(しきがみ)を使う能力に長けていたとされる。

 式神とは陰陽師のもとで働く鬼神のことで、ウルトラセブンのカプセル怪獣や、ポケモンのようなものと考えるとわかりやすい。晴明は12柱の式神を使っていた。だが屋敷に住まわせておくと妻が怖がるので、普段は戻り橋の下に住まわせたという。

一条戻り橋の下を流れる堀川は、ごく最近整備され、明るい親水公園に生まれ変わった

 今回わたしは堀川に下りて、その戻り橋の写真を撮ってみた。式神の姿が写ってたらどうしようと思ったが、さすがにそれはなかった。

 平安時代末期、戻り橋にこの式神の化身とされる12人の童子が現れ、産まれてくる皇子の将来を予言したという伝説がある(ちなみにこの皇子は、後に壇ノ浦で命を落とす安徳天皇である)。晴明の没後170年ほど経っていたが、まだ式神たちは住んでいたことになる。だから今もここにいる可能性がなくはないのだが……。

 晴明神社の境内には、晴明の伝説について解説されたパネルがある。例えば、ライバルの蘆屋道満(あしや・どうまん)と、箱の中身を言い当てるという対決を行なったときの話。道満は「ミカン16個」と正解を言い当てたが、晴明は「ネズミ16匹」と言い、箱の中のミカンを全部ネズミに変えてしまった。

 またある日、藤原道長が外出したところ、愛犬が必死になって止めようとしたので、晴明に調べさせると、土の中から道長に呪いをかけるための道具が見つかった。晴明は犯人を探すため、和紙を折って作った白鷺を飛ばしたところ、蘆屋道満の屋敷に落ちた。実は道満が、道長に恨みを持つ藤原顕光の依頼を受けて、道長に呪いをかけたのだという。

 神社の一の鳥居に掲げられた五芒星は、安倍晴明の紋所。三重県鳥羽市の神島に暮らす海女は、魔除けのために五芒星と格子模様を手ぬぐいなどに描くが、これを「セーメー」と呼ぶ。多分、晴明の名前から来ているのだろう。

 同じ物を鳥羽や志摩の別の地域では、「ドーマンセーマン」と呼ぶ。そう、「レッツゴー!陰陽師」に出てくる「ドーマン! セーマン!」である。

 「セーマン」は「晴明」がなまったもので、「ドーマン」の方は蘆屋道満から来ているといわれる。平安時代の陰陽師の名前が、動画サイトに弾幕として流れていると考えると、なんかすごい。

平日のお昼だったが、晴明神社には主に若い女性の参拝客が多かった。一の鳥居には五芒星が掲げられている
こちらは祇園の八坂神社。もとは牛頭天王(ごずてんのう)をまつっていた。安倍晴明が書いたと言われてきた「ほき内伝」に、牛頭天王の話が出てくる

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