どうしてもMMORPGに前向きになれない人へ――「FFXIV」田中弘道プロデューサーインタビュー(1/2 ページ)

PC版の発売日が9月30日に決定し、まもなくクローズドβテストが実施される「ファイナルファンタジーXIV」を控え、MMORPGに二の足を踏んでしまうという立場でインタビューしてみました。

» 2010年07月01日 16時53分 公開
[馬波レイ,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 筆者がゲームを紹介する仕事に関わって10ウン年。プライベートではほとんど遊ばないMMORPGの記事、それも、オンラインMMORPG期待の新作「ファイナルファンタジーXIV」のインタビューをする機会を得た。相手はそのプロデューサーを務める田中弘道氏。田中氏といえば、MMORPGをしない筆者ですら、すぐにそのちょっと強面の顔(失礼!)が思い浮かぶほどの「FF」界の重鎮じゃあないですか。

E3会場のスクウェア・エニックスブースの中でも目立つ位置にあった「FF XIV」の展示。試遊は招待制にもかかわらず、プレイ待ちの行列ができるなど、その注目度の高さをうかがわせた

 プレッシャーから正直オファーを断ろうかとも思ったが、こちらにもゲームライターとしての意地がある。そこで筆者は一計を案じた。「一夜漬けの上滑りの質問をするより、知らないことを正直に伝えて、素直に疑問をぶつけてみよう」と。ある意味開き直りとも取られかねないこの企画。題して「MMORPGを遊べないいわば素人が、田中Pにいろいろ聞いてみました」。さあ、どうなる!?

 インタビューにお答えいただいた田中弘道氏。ファミコン時代から「FF」シリーズの開発に関わり、その後も数々のビッグタイトルを手掛ける。エグゼクティブ・プロデューサー ソフトウェア開発担当にしてコーポレイト・エグゼクティブ オンライン事業推進部と、肩書きの長さがゲームに関わってきた年輪の深さを感じさせる。現在は、「FF XIV」の開発で、休む間もない日々を過ごしているとのこと。

―― MMORPGに関しては実はちょっと抵抗があって、ヘンな質問をするかもしれませんがご容赦ください。先程開発中の「FFXIV」をプレイさせていただきまして、第一印象がグラフィックが非常にキレイで、以前プレイしたことのある「FFXI」からすると、隔絶の世があります。

田中氏 ふふふ。試遊していただいたのは、βテストの前段階のものですが、α版に比べてグラフィックはかなり向上しているはずです。それに、オンラインゲームですから、サービスインしてからもずっと手は入れていきますよ。

E3で公開されたトレーラー映像より。「FF」らしい高品位なグラフィックで描かれる新たな世界の映像には、多くの観客注目が足を止めて見入らされていた。ちなみにこれ、いわゆるムービーではなく、ゲーム中のイベントシーンで見られるリアルタイム生成画像

―― MMORPGというジャンルは、時間の経過とともにプレイヤーが成長していくこともあり、ゲームの“寿命”があるのではないかと想像するのですが、そのあたりはいかがなのでしょう?

田中氏 そうですね。「FFXI」の稼働時は「4〜5年くらいかね?」なんて話をスタッフ間でしていたんですけど、「ウルティマオンライン」や「エバークエスト」といった、「FFXI」より先にサービスを開始したタイトルも現役ですからね。短期で終わってしまうタイトルもある中、幸いプレイヤーの方々の支持もあって、今日まできました。

―― なるほど、それだけユーザーが熱心にゲームを支えているということですね。ところで、「FFXI」のユーザーから「FFXIV」へのユーザーデータの引継ぎはできるのでしょうか?

田中氏 いいえ、引き継ぐことはできません。データやゲーム性がまったく別なので、新規のサービスとして遊んでいただければと。ただ、インタフェースやアバターに関してはあえて共通の部分を残しています。当然「FFXI」をずっとやってきてくれて思い入れのあるユーザーさんもいますから、その人達がいるかぎり「FFXI」のサービスは継続していきます。

―― では、「FFXIV」で新しい世界観を構築するにあたって、特に意識した点はどのあたりでしょう?

田中氏 「FFXI」から「FFXIV」に移るユーザーさんのことを考えて、やはりアバターの見た目を「FFXI」と同じにしたことですね。ユーザーさんが愛着を持っているのは自分のアバターですから、それをそのままに移行したいだろうと。姿形は同じだけど、まったく新しい冒険が楽しめるということで、これまでのユーザーさんにはフレッシュな気持ちで遊んでもらえると思います。


キャラクターメイキング画面。「XI」のアバターの雰囲気を残しつつも、よりこだわりのキャラクリエイションが可能となっている。αテストでは選べなかった、ミコッテ族の姿も確認できる

―― MMORPGというゲームに対して「時間がかかるんじゃないか」とか「敷居が高いんじゃないか」と構えている人たちもいるかと思うのですが、「FFXIV」ではそういった意識を取り除く仕掛けはありますか? あえてコアではない人への施策というか。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  5. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/17/news066.jpg 「ヤバすぎwwww」 ハードオフに1万8700円で売っていた“衝撃の商品”が690万表示 「とんでもねぇもん見つけた」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた