|
ソニーら4社,次世代プロセッサ「Cell」概要を発表
|
|
2004年11月30日 |
ソニーおよびSCEI,IBM,東芝の4社は29日,共同開発を行っている次世代汎用プロセッサ「Cell」の概要を発表した。
リリースによれば,Cellは64ビットのPowerプロセッサコアと複数の独立した浮動小数点演算コアを有するマルチコア方式を採用している。膨大なメディア演算をリアルタイムに処理することができる。
4社が挙げているCellの特徴は以下の通り。
・マルチコア/マルチスレッドアーキテクチャ ・主記憶とI/Oデータ転送バンド幅を大幅に拡張 ・フレキシブルなI/Oインターフェースを内蔵 ・リアルタイム処理用途向けのリアルタイムリソース管理システムを搭載 ・強力なハードウェアレベルのセキュリティシステムを内蔵 ・90nmのSOI(silicon-on-insulator)技術を採用
これらにより既存のPC,ワークステーション向けのOS,デジタル家電など複数のオペレーティングシステムを同時に実行することが可能になるという。また映画制作のためのワークステーションや科学技術用シミュレーションシステムなどへの応用も目指す。
4社は今後,このCellの技術について2005年2月6日から米サンフランシスコで開催されるISSCCで発表する計画。現在Cellプロセッサベースのワークステーションの最初の試作機は稼働を開始しており,1ラックで16テラフロップス(1テラフロップスは1秒間に1兆回の浮動小数点演算)の浮動小数点演算処理能力を達成する見通しだという。
なおIBMでは,2005年上半期には米ニューヨークにある300mm半導体工場にて試作を開始。SCEIは,同社が予定している次世代エンタテインメントワークステーションに搭載する計画だ。
またソニーはCellを搭載した2006年にはハイビジョン対応のデジタルテレビ,ホームサーバ群を製品化。東芝も2006年にCellを搭載したハイビジョン対応デジタルテレビを製品化する計画だ。
SCEIのCTO,茶谷公之氏は,「Celは送番組から次世代『プレイステーション』用のゲームソフトまで,あらゆるデジタルエンタテインメントコンテンツ開発の広範な側面において,その計り知れない能力を発揮すると期待している」とコメントを寄せている。
[SOFTBANK GAMES]
|