「ウォーゲームって何ですか」とのたまう新人に太平洋戦争を“体感”させてやる!:君は山本五十六の苦悩を感じることができるか?(4/4 ページ)
先輩女子は太平洋戦争で大事なことを理解した
ベテランのウォーゲーマーさんには、ヘックスも戦闘結果表もない。ターンもウォーゲームで一般的な「1日や1カ月といった一定時間でないVictory in the Pacificは、「ゲームとしては面白いが、シミュレーション性は低い」といわれるように、(特に日本では)ウォーゲームとしての評価は低い。さらに、太平洋戦争の重要な要素である「補給」がルールとして導入されていないことも、「このゲームはウォーゲームでない」といわれる理由とされてきた。
しかし、日本が太平洋戦争で敗北するそもそもの理由は、圧倒的な国力(=兵力)の違いが最も大きな要因だ。ミッドウェーで勝っていても、補給がうまくいったとしても、レーダーが開発されていようと、米軍の圧倒的な戦力に日本軍が蹂躙されてしまうことをVictory in the Pacificで“体感”することになる。
さらに、太平洋戦争における作戦の大原則である、「制空権確保における基地航空隊の重要性」「海上戦力の衝突における洋上航空勢力の優位性」は忠実に再現している。Victory in the Pacificにおいて、洋上航空兵力を持たない海上戦力は、洋上兵力を有する側を絶対に排除できない。
この圧倒的な戦力差と洋上航空兵力の優位性を再現していることで、当時の戦争指導者(主に軍令系)たちが直面した戦略的な問題と恐怖(連合軍側は開戦当初における日本軍の怒涛の攻勢を受け止める恐怖。日本軍側は戦争末期における圧倒的な戦力差で戦争を継続する恐怖)を体感できる。その意味で、Victory in the Pacificのシミュレーション性はすこぶる高い。
そのことを裏付けるように、連合軍を率いた先輩女子は、Victory in the Pacificで一番強力なコマに「空母」を挙げ、「陸軍をどう使うのかが難しいのよね」と航空隊を展開するために必要な基地を占領する陸軍の運用に悩んだと語った。開戦前に「えー、なんで船に“エンタープライズ”なんて名前をつけたんですか。なんか企業が関係しているんですか?」といっていたウォーゲーム初体験の女性が、太平洋戦争における空母の影響力と基地航空隊の重要性、そして、そのために必要な陸軍の役割を理解してしまうところに、Victory in the Pacificの優れたゲームデザインを知ることができる。
願わくば、“五十六さんの映画”を見て太平洋戦争で“何が起きた”のかを知った多くの日本人にも、このウォーゲームで山本五十六の苦悩を体感してもらえれば、と思う。
関連記事
- ARMを載せたAndroidで“DOSゲーム”が復活する!
Androidスマートフォンといっても、CPUの動作クロックは1GHz、解像度も800×480ドットと、DOS時代の最上位PCに負けていない。でも、ARMでDOSゲームが動くのか? - 64年目の敗戦──「WAR PLAN PACIFIC」で太平洋戦争を3時間で追体験する
IT系ゲームメディアというわけで、“64”年後という節目に「あの戦争」を追体験する。とはいっても、主流の“RTS”ではなく“旧態然”のウォーゲームで。 - 61年めの敗戦──フリーになった「Virtual PC」でフリーになった「Pacific War」を復活させる
夏がくれば思い出す1945年の8月15日、という日本人も少なくなったとニュースが報じる2006年の夏。そういう時代だからPacific Warで「あの戦争」のメカニズムを冷静に見つめてみたい。 - 「Carriers at War」でYAMATOは沖縄の海に逝く
信長でもない、大戦略でもない。己の本能のまま「海外ウォーゲーム」の話を続ける超私的連載。ついに「これをやるために私はPCを始めました」といってもいい伝説のタイトルが登場する。これぞ空母戦「PC」ウォーゲームといわれる所以はどこにあるのか? - Virtual PCで空母戦ウォーゲーム「CARRIER STRIKE」を復活させる
「Ultimaはどうしたっ」という声を無視してひたすらレトロPC「ウォー」ゲームを復活させるこの連載。ついに日本男子お待ちかねの名作空母戦の登場である。今回はSSIゲームを起動するときに引っかかる「Virtual PCのサウンド周り」についても解説しよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
不二家の「プレミアムショートケーキ(国産苺)」が半額に! 3日間限定キャンペーン
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
動物病院の会計中、振り返って愛犬を見たら…… “柴らしい”もん絶級の光景に「天使かよ!」「帰れるもんねw」
-
「ハンガー・ゲーム」出演俳優、撮影中の性的暴行被害を告白 泣きながら撮った当時の写真添え「すごくつらかった」と胸中明かす
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
上沼恵美子さん直伝「ホタテの一番おいしい食べ方」に絶賛の声続々! 「発想が主婦目線」「マネして作ってみます」
-
【今日の計算】「8×4−2+1」を計算せよ
-
1歳赤ちゃん、寝ぼけまなこの謎行動が150万再生突破 「仕事の疲れ、吹っ飛んだ」「少し出ちゃったの可愛すぎ」
-
「めざましテレビ」“新お天気キャスター”が「美しすぎる」と注目 ミス東京GP獲得から約4カ月で
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」