「日本のゲームはクソ」発言について「失礼だった」とPhil氏。質問者には励ましのメッセージも日々是遊戯

日本のゲームについての否定的なコメントで話題のPhil Fish氏と、質問者の後藤誠さん。2人のTwitterでのその後のやりとりをまとめた。

» 2012年03月13日 09時46分 公開
[ITmedia]
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単なる非難か、それともエールか

 今の日本のゲームについてコメントを求められ、「クソだね(Your games just suck.)」と答えたインディーズゲームクリエイターのPhil Fish氏。同氏の発言がその後、国内外に大きな波紋を投げかけたことについては先日お伝えしたとおりだが、その後Phil氏から、質問者の後藤誠さん(@SquashSesame)に、当日の非礼を詫びるツイートが送られていたことが分かった。

画像 Phil氏と後藤さんのやりとり

 前後のやりとりはTogetterの「世界最大のゲーム開発者会議GDCで「日本のゲームはクソ」発言 #GDC2012」にまとめられており、その中でPhil氏は後藤さんに対し、次のようにメッセージを送っている。

「im very sorry i was so rude to you in my answer. i hope the rest of your GDC was more enjoyable.」

(私の回答がとても失礼だったことを謝ります。あなたにとってGDCの残り期間が楽しいものであったことを願います。)

 これに対し、後藤さんはPhil氏にこう返答している。ちなみに「great experience」の部分は、本当は「貴重な」「得がたい」といった意味を込めたかったのだが、「great」では少しイヤミに聞こえてしまったかもしれない、と後悔しているそうだ。(以下、後藤さんのツイートの日本語訳部分は、後藤さん本人に確認してもらい「本来伝えたかった意味」で掲載している)

「Thank you. I am OK. I had a great experience when I attend GDC at the first time for me.」

「I forgot to mention this... I hope you enjoy your rest of GDC, too.」

(ありがとう、私は大丈夫です。GDC初参加で、貴重な体験をすることができました)

(これを言うのを忘れていました。あなたもGDCの残り期間を楽しめることを願います。)

 Phil氏の発言は現地でもかなりの反響があったようで、それに伴い後藤さんのTwitterにも直接、多くのアメリカ人から励ましのメッセージが寄せられた。そこには日本のゲームへの非難だけではなく、日本のゲームの良さや、子供のころから好きだったこと、今でも日本のゲームに期待していることなどが書かれていたという。

 これらに対する返答として、後藤さんはTwitterで「I can't stop really crying(本当に涙が止まらない)」と発言。さらに次のように続けた。

「They love Japanese games and they are cheering Japanese game developers.I am so glad I experience a moment. Thank you everyone. Thank you.」

「And, Please, Please stop to say bad mention to Mr. Phil Fish. I think we game creator are challenger who pursue the best game.」

「I think I would like to continue to challenge as a Japanese game programer. I think it is one of the answer to criticism of Japanese game.」

(彼らが日本のゲームをとても愛していて、日本のゲームディベロッパーを心から応援してくれている。私はこのような瞬間――多くの応援の“心”が届いた瞬間――を体験でき感謝でいっぱいです。本当にありがとう。)

(そして、どうかPhil Fish氏への非難を止めてください。私たちゲームクリエイターは、最高のゲームを追い求める挑戦者だと思います。)

(私も日本のゲームプログラマーの1人として挑戦し続けたいと思います。それが日本のゲームに対する批評の一つの答えだと思います。)

 一方、Phil氏の発言の真意については、その後ニュースサイト「Kotaku.com」がメールにてインタビューしている。それによると、Phil氏は「決して日本のゲームすべてを憎んでいるわけではない」としつつも、「しかし今のゲームの多くは、過去にとらわれたまま動けなくなっているように感じる」と回答。そのうえで「発言は不用意でしたが、今の日本のゲームが酷い(god-damn awful)という思いは変わりません」と率直なコメントを述べている。

 これらの発言を単なる「個人の軽率な発言」と受け取るか、それとも心からのエールと受け取るか。いずれにしても、日本のゲームについて見つめ直す、ひとつのきっかけになったと言えるのではないだろうか。

画像 Togetterにまとめられた「世界最大のゲーム開発者会議GDCで「日本のゲームはクソ」発言 #GDC2012」

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