「JINS MEME」の新たなアプリで体験するマインドフルネス:“ウェアラブル”の今(1/2 ページ)
「今自分が体験していることに意識を向ける」といったニュアンスの、「マインドフルネス」がシリコンバレーで流行しつつあるが、JINS MEMEを使うと、集中力を可視化することができる。実際に試してみた。
シリコンバレーにおいては、ビジネスの現場でもはやっている「マインドフルネス」。筆者が利用しているコワーキングスペースWeWorkでも、水曜日の午後にマインドフルネスの無料セッションが用意されている。一方で、疑問の声もある。
マインドフルネスとは、「今自分が体験していることに意識を向ける」という瞑想に近いもので、ストレスや不安の軽減、意思決定、集中力向上といった仕事への効果から、血圧やコレステロールの低減、快眠といった健康に役立つ効果も期待できるという。
一方で、膨大な情報を摂取し、その中から新たなものを導き出すことに長けているタイプの人がマインドフルネスを実践すると、創造性が損なわれるという意見もある。なんでもそうだが、人は千差万別で、万人に通用する手法はない、ということだ。
筆者は個人的には、どちらかというと情報にまみれながら考える方が好きなタイプではあるが、一方でマインドフルネス的な、公園で頭を空っぽにしながら、揺れる木々や空を眺めるという行動を取り入れてもいる。あるいは仕事場と自宅との行き来に長めの徒歩を取り入れて、その日やる仕事、やった仕事について考えながら歩くのも好きだ。
ただし、こうした行動は、あくまで「自分の感覚」というさじ加減の上で行われていることに過ぎない。今日は「リラックスできた」「集中できた」「散漫だった」という自己評価の頭に、必ず「なんとなく」というフレーズが付いてしまう。
いずれにせよ、やらなければならない仕事は済ませなければならない。仕事にかかる時間もノルマ達成も同じであることから、筆者の中では、前述の集中度合いに関する尺度にはならないのだ。
JINS MEME OFFICEで仕事を計測する
そこで、取りいだしたるは、JINSのウェアラブルデバイス、「JINS MEME」だ。
本連載でも以前ご紹介したとおり、「JINS MEME ES」は、6軸センサーと眼電位センサーを内蔵したメガネで、体の傾き、運動、そして眼球の動きを記録することができる。それでいて、バッテリーと加速度センサーを収めるツルの部分が少し大きい以外は、普通のメガネと変わらないデザインを実現している。
このJINS MEMEに、新たに「OFFICE」「TAIKAN」「ZEN」「WALK」という3つのアプリが追加された。仕事をする日常生活を送る人々が、自分の仕事のパフォーマンスや日々の状態を可視化し、改善に向けて鍛えることができるようにするアプリ群だ。
これまで、JINS MEMEは、眼電位センサーを持たないモデルを中心に、ランニングなどのエクササイズ市場を開拓してきた。特に、ランニングブームの中で、トレーナーがJINS MEMEをプログラムに取り入れることで、受講生への広まりを作り出すことができたという。これとは異なるモデルを描くべく、JINS MEMEが仕事と集中の分野に取り組むことにしたというのだ。
JINS MEME OFFICEの使い方は、まず、集中したい(計測したい)時間を設定するところから始まる。時間は、5分単位で、5分から180分まで設定することができる。
「5分集中してアイディアを完結させよう」「25分集中して原稿を書き進めよう」「45分もしくは90分の授業時間に集中時間を合わせよう」など、用途に合わせて時間設定をすれば良い。筆者は、25分を1セッションとして集中するポモドーロ・メソッドがしっくりきているため、25分に設定してみる。
設定が完了したら、JINS MEMEを装着し、仕事を始める。計測項目は、目の動きから測定する「集中したアタマ」と「集中したココロ」、体の動きから測定する「集中したカラダ」の3点だ。これらをリアルタイムで点数化して記録し、集中状態をグラフで記録してくれる。
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