DeNAキュレーションサイト問題、スタッフに「元炎上バイラルメディア」の影 採用理由について南場会長「再度チャンス与えたかった」
問題視されているマニュアルの作成に彼らが関わっていたのでは――と推測する向きもありますが、現時点では「関連についてはまだ分かっていない」とのこと。
DeNAのキュレーションサイトが問題視され、WELQをはじめ10サイトが非公開になっている件で(関連記事)、過去に炎上し閉鎖していたバイラルメディア「BUZZNEWS」の元スタッフが運営に関わっていたことが指摘されています。DeNAの南場智子会長は12月7日、会見の中で、BUZZNEWSの運営元だった元WebTechAsiaのスタッフを採用していたことについて、「反省していてお詫びもしているということであれば、もう1回ちゃんと(チャンスを)与えてみよう」との判断からと語りました。
「BUZZNEWS」と言えば2014年、Webライターのヨッピーさんから画像盗用を指摘され炎上(関連記事)。一度は和解金を支払うことで和解していましたが、その後「一定の役割を終えた」としてサイトを閉鎖していました。
今回指摘されているのは、その「BUZZNEWS」を運営していたスタッフがDeNAに入社し、WELQなどの立ち上げに関わっていた――という点(TechCrunchの報道)。なぜ過去に盗用問題で炎上していたサイトの関係者をあえて迎え入れたのか、会見で南場会長は、詳細についてはまだ調査中のため分からないとしつつも、次のように語りました。
「私もその場にいたが、その人物を採用するというのは経営会議でも議論になっていた。しかし話を聞くと、炎上後は大変心を痛めており、今は反省してお詫びも済んでいるということだったため、それならばもう1回ちゃんと(チャンスを)与えてみよう、私に会わせてもらえないかと提案し、その後実際に会って確認もした。インターネットという文化の発展プロセスにおいて、間違いを起こしたものに再度チャンスを与えるというのは大切なこと。決して安易に行ったわけではなく、経営会議でも採用していいのかという議論はあった。(問題があったとすれば)採用するという意思決定よりも、採用した後にしっかり教育できたのかという部分。ただ、結果として同じような過ちを当社自身が犯してしまったのは、私どもの認識の甘さだった」(南場会長)
会見に同席していた、執行役員 経営企画本部長の小林賢治氏によれば、採用した元WebTechAsiaスタッフは複数人いたものの、現在も社内に残っているかどうかは把握していないとのこと(前述したTechCrunchの記事では「2016年に入ってDeNAを退社」とされていた)。また具体的にどんな業務に従事していたかについては「通常の編集業務を担っていた」と小林氏。他サイトからの盗用を推奨するようなマニュアルがあったことについて、一部では同スタッフらの関与を疑う声もありますが、小林氏は「マニュアル作成に元WebTechAsiaの人間が参加していたかなど、関連についてはまだ分かっていない」とコメント。また南場会長も「今回の問題にその人物が関与していたと推測する声もあるが、まだ調査中のため、そこは明らかになっていないという認識」と念を押しました。
関連キーワード
DeNA(ディー・エヌ・エー) | 炎上 | 記者発表 | キュレーション | バイラルメディア | キュレーションメディア
関連記事
DeNAがキュレーションメディア騒動で記者会見 相談窓口の設置を発表、創業者の南場さんは「ただただ申し訳ない」
WELQを始めとしたキュレーションメディアが炎上していた問題で会見を行いました。ヨッピーさんインタビュー:BUZZNEWSが記事の盗用で謝罪、和解金支払いへ バイラルメディアを追い詰めたライターの執念と戦略
ヨッピーさんはどうやってBUZZNEWSを追い詰めたのか?記事盗用で炎上の「BUZZNEWS」が閉鎖へ 「一通りの役割を終えたと判断」
サイトは2月6日で終了するようです。グノシー、キュレーションメディア騒動受けコメント 「異なるサービスと認識」
騒動が始まって以来、株価が急落していました。DeNA、「MERY」も含めた10サイトを全て非公開に キュレーションメディア問題を受けて
MERYは12月7日より全記事を非公開化。キュレーションメディア「ギャザリー」でも記事の非公開化 「これまで以上に厳しい基準で精査する」
約6万記事中、約1万6000記事を非公開にしています。キュレーションメディアで記事の削除・非公開化続く 「Spotlight」「by.S」でも一部記事を非公開に
削除に向けた精査を行うとするメディアも。DeNAの「WELQ」問題、唯一残った「MERY」も8割超の記事を非公開に 過去には「nofollow」リンク問題で炎上も
編集部で確認したところ、実に10万本以上の記事が非公開となっていました。WELQ問題でDeNAの社長兼CEOが謝罪 他のキュレーションメディアも記事を非公開に
WELQだけではなくiemo、Find Travelなど9サイトを非公開にします。DeNAの公式Twitterアカウントが非公開になっていると物議 「WELQ」問題の影響ではと推測する声もあったが
実際は海外子会社のアカウントでした。“信憑性のある医療情報サイト”だけを検索できるサービスが公開 「WELQ」問題をきっかけに個人が作成
問題となった「WELQ」は現在、全記事を非公開にしています。医学的知見を持つスタッフは一部だった……「WELQ」で全ての記事が非公開に
内容の正確性に問題があるとして多数の指摘を受けていました。 ※追記あり内容に問題ありと指摘されていた医療情報サイト「WELQ」、専門家の監修を行うと発表
医師や薬剤師などにより公開されている記事の監修を行い、問題があれば削除するなどの措置を取るとしています。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.