インタビュー

整形して出会えた“固定観念にしばられない人たち” エッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」インタビュー(5)

「自分で作り出した呪いの空間の中で『やっぱりダメだ』と立ち止まるんじゃなくて」。

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 どうして私はこんなにもブサイクに生まれてしまったのだろう―― 整形の体験談を描いたエッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」。なぜ“顔を変えよう”と思ったのか。それによって、内面的にはどのような変化があったのか。著者・愛内あいるさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:直江あき

漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」とは?

 「整形して人生変えたい。自分を好きになりたい」

 幼少期から10年以上、ブサイクな顔に苦しんできた日々。そんな人生を変えるために選んだのが、「整形」だった――生きづらい人生の葛藤と解放を描いた、衝撃のノンフィクションマンガ。

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著者プロフィール:愛内あいる(Twitter:@aiuchi_airuInstagram:@aiuchi_airu

漫画家。愛知県出身。「ブサイクなので整形に行った話」がTwitter公開後に反響を呼び、生きづらい葛藤と解放の記録を描いた『自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話』(KADOKAWA)を刊行、現在その後を描いた「結婚したいモンスターになった私の話」講談社漫画アプリPalcy(パルシィ)にて連載中。

その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています

人それぞれな整形の価値観

―― 二重まぶたにする整形手術のあと、「他のところも整形したい」とは思いませんでしたか?

 「整形=何箇所もやるもの」というイメージが強いらしくて、「整形したことがあります」と言うと、よく「ドコとドコとドコをやったの?」みたいに聞かれることは多いですね。

 でも、そういう気持ちにはならなかったです。人によって「自分は鼻までしよう」「肌だけにしておこうか」みたいに、いろいろな基準があるものなんですよ。

 私の場合は、念願の二重になれたことによって気持ちやテンションがハイだったこともあり、「ちょっとでもかわいくなったなら、恋愛は人並みにできるかも!?」と他の楽しみに目が向きました。

 反対に「自分がやりたいからやるんだ!」とどんどん整形している人もいます。価値観は人それぞれで「整形=悪」ではありませんから、ちゃんと自分で判断したうえでやっているのであれば、いいんじゃないかと思います。

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 もしも劣等感にとらわれたり、整形に依存してしまったりして「次も次も」とキリがなくなっているのであれば、ツラいでしょうね。

「ポジティブなものにも、ネガティブなものにも引っ張られながら前に進んでいく」

―― 整形してから、変わったことはなんですか?

 整形は自分にとって大きなことだったので、実現できたことは自信になりました。直後は気持ちもハイになって、その勢いで行動して彼氏を作ることに夢中になったり。「ずっと道の真ん中にあった邪魔なものをどかしたぞ、取りあえずこの細道を通って進んでみるか」みたいな感じでした。

 私の場合は、整形をすることで「自分のやりたいことをやっていいんだ」と自分を許すことができるようになったんだと思います。整形というよりは、整形を通じて前を向けるようになったことで自分の行動も変わっていきました。

 その中で自分とは考え方が真逆な、外見や世間体にこだわらない人たちと出会って、良い意味で価値観をぶち壊してもらえました。

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 何というか、自分で作り出した呪いの空間の中で「やっぱりダメだ」と立ち止まるんじゃなくて、モヤモヤしながらでも動けたのがよかったと思います。

 自分がモヤモヤしているとネガティブな人を引き寄せてしまうんですけど、中にはキラリと光る物申す系の人や、愚痴ばかり言わない人もいて。そういう気持ちが明るい人に刺激をもらいながら、少しずつ呪いを解いていく。ポジティブなものにも、ネガティブなものにも引っ張られながら前に進んでいく。そういうことが大事だったんだと思います。

(了)

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