「お姉ちゃんはブサイクだね」は愛情表現? エッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」インタビュー(1)

「こういう記憶って大人になっても忘れられないんだな」。

» 2019年08月10日 12時00分 公開
[直江あきねとらぼ]


 どうして私はこんなにもブサイクに生まれてしまったのだろう―― 整形の体験談を描いたエッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」。なぜ“顔を変えよう”と思ったのか。それによって、内面的にはどのような変化があったのか。著者・愛内あいるさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:直江あき

漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」とは?

 「整形して人生変えたい。自分を好きになりたい」

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 幼少期から10年以上、ブサイクな顔に苦しんできた日々。そんな人生を変えるために選んだのが、「整形」だった――生きづらい人生の葛藤と解放を描いた、衝撃のノンフィクションマンガ。

著者プロフィール:愛内あいる(Twitter:@aiuchi_airuInstagram:@aiuchi_airu

漫画家。愛知県出身。「ブサイクなので整形に行った話」がTwitter公開後に反響を呼び、生きづらい葛藤と解放の記録を描いた『自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話』(KADOKAWA)を刊行、現在その後を描いた「結婚したいモンスターになった私の話」講談社漫画アプリPalcy(パルシィ)にて連載中。





















その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています

大人になっても忘れられない“兄弟・姉妹間での比較”

―― この漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」を描いたきっかけを教えてください。

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 もともとはフィクションの4コマなどを描いていたんですが、あるときエッセイ漫画を描いて整形した経験があることをチラッと入れたら、編集者の方に「こっちを膨らませた方がいいんじゃない?」と。

 確かに「私は整形美人」のように、顔を思いっきり変えるストーリーの漫画はあったのですが、埋没法の二重まぶた手術をした私のような、いわゆる「プチ整形」のエッセイはあまりなかったんですよね。

―― 読者からの反響はどうでしたか?

 整形をカミングアウトされる方が多かったですね。コミケにブースを出したときも、会いに来てくれた読者の方が「実は私も整形したんです!」と教えてくれたり。

 それから「子どものころ、自分の親から容姿を妹と比較されて傷ついた」という経験も描いているんですが、「私も子どものころ比べられて……」と話す人たちがたくさんいたことも印象に残っています。「お兄ちゃんは優秀なのに、あなたは……」という話もよく聞きました。

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 こういう記憶って大人になっても忘れられないんだな、外見にせよ中身にせよ、大なり小なり、コンプレックスって皆あるものなんだなと実感しました。

「妹は目がぱっちりしてかわいいのに」と言われ、コンプレックスに

―― 愛内さんの場合、どんなことを言われていたんですか?

 母親から「お姉ちゃんは、お父さんに似てブサイクだね」と言われたり。父は父で「お前はブサイクだな」と。自分のことを棚に上げてるけど、あなたの遺伝子も半分は入ってるんですけど……という話なんですが(笑)。

 きっと、こういうことを言う人たちも周囲と比較されながら育っていて、むしろ言うのが当たり前くらいの認識なんだと思います。「イジりとはかわいがること」「古き良き愛情表現」のような感覚なんでしょうね。

 私の場合は妹と年子で比べやすかったのもあると思いますが、親だけでなく、親戚や近所のおばちゃんからも「妹は目がぱっちりしてかわいいのに」と比べられて。本当に言ってはいけないことだと思うんですけどね。

―― 妹さんとの関係はいかがですか?

 妹は大好きだし、仲良しですよ。でも、強いコンプレックスを抱いていた時期もありました。

 私はエビちゃん(ファッションモデルの蛯原友里さん)に憧れていたんですが、シフォンスカートとか、ふわっとした感じのお嬢さんスタイルが似合わないんですよね。でも、妹はよく似合うっていう。「エビちゃんになりたくてもなれない私」がいて、そのそばに「なれる妹」がいる。それがすごくイヤで、私の何かを刺激していました。

 それでつい「あんたはいいよね、シフォンスカートが似合って」みたいに当たってしまって。「そんなことを言われても困る」と妹に怒られたり。完全にひがんでましたね。距離が近いから、ネガティブな感情がぶつけやすかったんだと思います。

―― そういう比較のされ方も、ツラいかもしれませんね……。

 結局、自分も家族だからと甘えて、言わない方がいいことを言ってしまっていたんですよね。相手が友達だったら、心で思っても口にしませんから。そういうときは反省して、すぐに謝っていました。

(続く)

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