整形して出会えた“固定観念にしばられない人たち” エッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」インタビュー(5)

「自分で作り出した呪いの空間の中で『やっぱりダメだ』と立ち止まるんじゃなくて」。

» 2019年08月24日 12時00分 公開
[直江あきねとらぼ]


 どうして私はこんなにもブサイクに生まれてしまったのだろう―― 整形の体験談を描いたエッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」。なぜ“顔を変えよう”と思ったのか。それによって、内面的にはどのような変化があったのか。著者・愛内あいるさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:直江あき

漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」とは?

 「整形して人生変えたい。自分を好きになりたい」

 幼少期から10年以上、ブサイクな顔に苦しんできた日々。そんな人生を変えるために選んだのが、「整形」だった――生きづらい人生の葛藤と解放を描いた、衝撃のノンフィクションマンガ。

著者プロフィール:愛内あいる(Twitter:@aiuchi_airuInstagram:@aiuchi_airu

漫画家。愛知県出身。「ブサイクなので整形に行った話」がTwitter公開後に反響を呼び、生きづらい葛藤と解放の記録を描いた『自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話』(KADOKAWA)を刊行、現在その後を描いた「結婚したいモンスターになった私の話」講談社漫画アプリPalcy(パルシィ)にて連載中。






















その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています


人それぞれな整形の価値観

―― 二重まぶたにする整形手術のあと、「他のところも整形したい」とは思いませんでしたか?

 「整形=何箇所もやるもの」というイメージが強いらしくて、「整形したことがあります」と言うと、よく「ドコとドコとドコをやったの?」みたいに聞かれることは多いですね。

 でも、そういう気持ちにはならなかったです。人によって「自分は鼻までしよう」「肌だけにしておこうか」みたいに、いろいろな基準があるものなんですよ。

 私の場合は、念願の二重になれたことによって気持ちやテンションがハイだったこともあり、「ちょっとでもかわいくなったなら、恋愛は人並みにできるかも!?」と他の楽しみに目が向きました。

 反対に「自分がやりたいからやるんだ!」とどんどん整形している人もいます。価値観は人それぞれで「整形=悪」ではありませんから、ちゃんと自分で判断したうえでやっているのであれば、いいんじゃないかと思います。

 もしも劣等感にとらわれたり、整形に依存してしまったりして「次も次も」とキリがなくなっているのであれば、ツラいでしょうね。

「ポジティブなものにも、ネガティブなものにも引っ張られながら前に進んでいく」

―― 整形してから、変わったことはなんですか?

 整形は自分にとって大きなことだったので、実現できたことは自信になりました。直後は気持ちもハイになって、その勢いで行動して彼氏を作ることに夢中になったり。「ずっと道の真ん中にあった邪魔なものをどかしたぞ、取りあえずこの細道を通って進んでみるか」みたいな感じでした。

 私の場合は、整形をすることで「自分のやりたいことをやっていいんだ」と自分を許すことができるようになったんだと思います。整形というよりは、整形を通じて前を向けるようになったことで自分の行動も変わっていきました。

 その中で自分とは考え方が真逆な、外見や世間体にこだわらない人たちと出会って、良い意味で価値観をぶち壊してもらえました。

 何というか、自分で作り出した呪いの空間の中で「やっぱりダメだ」と立ち止まるんじゃなくて、モヤモヤしながらでも動けたのがよかったと思います。

 自分がモヤモヤしているとネガティブな人を引き寄せてしまうんですけど、中にはキラリと光る物申す系の人や、愚痴ばかり言わない人もいて。そういう気持ちが明るい人に刺激をもらいながら、少しずつ呪いを解いていく。ポジティブなものにも、ネガティブなものにも引っ張られながら前に進んでいく。そういうことが大事だったんだと思います。

(了)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた