「人並みにならなきゃ」という強迫観念 エッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」インタビュー(3)
「周囲がそうしているなら、無理してでもそうしないといけない」。
どうして私はこんなにもブサイクに生まれてしまったのだろう―― 整形の体験談を描いたエッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」。なぜ“顔を変えよう”と思ったのか。それによって、内面的にはどのような変化があったのか。著者・愛内あいるさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:直江あき)
漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」とは?
「整形して人生変えたい。自分を好きになりたい」
幼少期から10年以上、ブサイクな顔に苦しんできた日々。そんな人生を変えるために選んだのが、「整形」だった――生きづらい人生の葛藤と解放を描いた、衝撃のノンフィクションマンガ。
著者プロフィール:愛内あいる(Twitter:@aiuchi_airu/Instagram:@aiuchi_airu)
漫画家。愛知県出身。「ブサイクなので整形に行った話」がTwitter公開後に反響を呼び、生きづらい葛藤と解放の記録を描いた『自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話』(KADOKAWA)を刊行、現在その後を描いた「結婚したいモンスターになった私の話」講談社漫画アプリPalcy(パルシィ)にて連載中。
その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています
「周囲がそうしているなら、無理してでもそうしないといけない」
―― 今回のエピソードには「整形前の1年間に『私は人よりも劣ってるから頑張らないと!!』と自分磨きに努める」シーンが。すごくオシャレに気を遣っていたんですね。
高校時代は漫画を描く方が好きだったんですが、社会に出てから「人並みにやろう」とメイクするようになりました。ただ、自分のことをブサイクだと思っていたので、「人並みにしなきゃ」という強迫観念を抱いてしまって。
会社の先輩に「コスメがすごく充実してるね」とビックリされるくらい百貨店の化粧コーナー通ったり、当時は茶髪のふわっとしたロングヘアが流行っていたので「私もそうしなきゃいけない」と思い込んでエクステをつけたり。
地元企業で事務職の正社員だったんですが、手取りは13万円くらい。お財布事情は悲惨なことになっていました。オタク気質で、やり始めると一直線なんですよね。良い方向に行くと頑張れるけど、悪い方向に行くと思い詰めてしまう性格だと思います。
―― 周りに合わせてオシャレするのは、ツラくなかったですか?
「周囲がそうしているなら、無理してでもそうしないといけない」という感覚でした。あの頃は「エビちゃん(ファッションモデルの蛯原友里さん)みたいにしたら、かわいくなれる」「エビちゃんがとにかく絶対正義」という風にも思ってました。
今考えると、全然違うんですけどね。人それぞれに良さがあって、それぞれのかわいさがあって。エビちゃんのようにしたらかわいくなる子もいれば、路線が違う子もいる。そういうことが分かってませんでした。
整形してから変わったこと、変わっていないこと
―― お会いしてみて意外だったのが、作中の「他人と目が合わせられなかった」というシーン。相手の顔を真っすぐ見て話されていて、今とは全然違いますね。
整形してから、そういうのはなくなりましたね。ただ「二重まぶたにした途端」ではなく、少しずつ変わっていったところです。
以前は他人の視線が怖かったし、被害妄想じゃないですけど、他人の目を見ていると自信のなさや自分のイヤなところが見透かされそうな気がして、基本的に下を向いてました。
人の顔が見られるようになったのは整形後、自分に自信がついてからです。
―― 今はもう、容姿はコンプレックスではありませんか?
以前は、二重が絶対正義で絶対かわいいと思っていたんですけどね。ファッション誌で紹介されているメイクも、二重前提がほとんどでしたし。でも、「一重まぶた=ブサイク」という考え方をしなくなって、これに関するコンプレックスはなくなりました。
ただ、「整形したからハイ、おしまい!」というわけではなく、それまでに積み重ねてきた劣等感や、他人と比較してしまう自分がひょっこり顔を出すときもあります。
(続く)
本企画は全5本の連載記事となっています
関連記事
- 「お姉ちゃんはブサイクだね」は愛情表現? エッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」インタビュー(1)
「こういう記憶って大人になっても忘れられないんだな」。 - 「自分の顔を直したい」という強い気持ち エッセイ漫画「自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話」インタビュー(2)
「『きれいになりたい』というより『直したい』という感覚」。 - 母はADHD、子は発達障害グレーゾーン 育児漫画「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」インタビュー(1)
2019年2月に「入学準備編」が刊行された育児エッセイ漫画。著者に話を伺いました。 - スプレー缶を適当に捨てるのは「テロ行為みたいなもの」 漫画「ゴミ清掃員の日常」インタビュー(1)
「皮肉なことに、燃えないゴミを集める車両が一番燃えやすい、っていう」 - 人の子育てを見学して「親の理不尽」の正体が見えた気がした
親に頼るしかない子どもと、子どもの望み全部には応えられない親。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
-
60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
-
「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
-
皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
-
真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
-
71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
-
新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」