枝野経産相、ドワンゴ川上会長らが“闘技場”に集結 「クール・ジャパン作戦会議」その全ぼうニコニコ超会議(3/3 ページ)

» 2012年05月11日 18時55分 公開
[池田園子,ITmedia]
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「役所が直接乗り出すとろくなことにならない」と枝野氏

 作戦会議も半ばに入った。海外に迎合せずにクール・ジャパンを広めるための“具体策”を出そうと津田氏が切り出すと、枝野氏は「役所が直接乗り出すとろくなことにならない」と前置きした上でこう続ける。「ネットの力は大きな要素だが、ネットで海外に日本のカルチャーを持っていったときに、商売ができるような仕組みをどう作るか。役所はそれを考える役目をしないといけない」(枝野氏)

 猪子氏はクール・ジャパンを世界へ発信するときに「コンテンツだけでもうけようと考えると歪む」とアドバイス。クール・ジャパンをきっかけに、取り巻く産業全体を盛り上げていくべきとの考えを示した。川上会長もこの考えに同意するように「コンテンツは宣伝費だと考えるのが効率的な使い方だと思う」とコメント。例えばニコニコ超会議は赤字のイベントだが、宣伝費と捉えれば安い――と説明していた。

画像 会場は大盛況

クール・ジャパンの熱気を伝える「アーカイブ」の必要性

 生駒氏はクール・ジャパンを広める具体策として、クール・ジャパンの熱気をありのまま伝えられる「アーカイブ」をネット上へ置き、365日24時間アクセスできるようにする重要性を説く。「クール・ジャパンとググってみると、1番上にNHKの番組、2番目に経産省のページ、3番目にWikipediaという順位になっている。常にこの場(ニコニコ超会議)のような、日本のカルチャーの盛り上がりを見られるサイトへ世界中からアクセスできたら理想的。どんなカルチャーにとっても、アーカイブは必須」(生駒氏)

 佐藤氏も「日本の60〜80年代の音楽のアーカイブを作れば、新しく発見してもらえるチャンスは増える」と自身の専門である音楽に関して、アーカイブの重要性を力説。さらに50年以上前に世界中でヒットした「上を向いて歩こう」を例に挙げ「これ以降、世界中でヒットした日本の曲はないが、これまで使い捨てのようにしてきた音楽は、実は宝の山だと思う。それを見つけて磨き直せば、海外でヒットするものも生まれるはず」と述べた。

 「アーカイブ」の議論を受けて、ここで津田氏が「枝野さん、もっと(積極的に)著作権法に関わってくれないんですか?」と切り込むと、枝野氏が「確かに今の著作権法は時代に合わなすぎる。壁は厚いものの、積極的に変えようとはしている」と返す場面も。川上氏は「著作権法を変えて、色々な人がコンテンツを利用できるような仕組みにしていかないと。日本人はチームワークが苦手。優秀なのは個人のクリエーターだから」と述べた。

あの人が飛び入り参加!

 議論もそろそろ終盤に……という頃、この日会場にいた評論家の宇野常寛氏が、津田氏に呼ばれて飛び入り参加。コメントを求められ「単に作品だけを外に持って行くのは意味がない」と発言。「日本独特のキャラクター文化はそもそも欧米に馴染みがない。作品を通してファンが交流する文化はまだない。消費文化自体を輸出しないと根付かない」と熱弁した。

 宇野氏の発言を受けて川上氏は「日本の労働力が足りないから外国人移民を受け入れようという話がよくあるけど、オタクに限って移民を受け入れれば良いと思う。彼らをまた海外に戻すとき、日本文化は自然と広がる」とネコミミをピクピクさせながら話していた。

 AKB48のプロデュースで知られる秋元康氏らが名を連ねる「クール・ジャパン官民有識者会議」など、クール・ジャパンに関する議論の場はニコニコ生放送でも配信されている。枝野氏は、これらのライブ配信を見ながら「アイデアをどんどん出してもらいたい」と締めくくった。

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