ペニーオークション詐欺で初の逮捕者 「格安で落札できるよ!」→できませんでした

「サクラ」botを仕込むことで、利用者が絶対に落札できない仕組みを作っていた疑い。

» 2012年12月07日 22時26分 公開
[ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 京都府警は12月7日、いわゆる「ペニーオークション」サイトを運営していた男ら4人を詐欺罪の容疑で逮捕した。「格安で落札できる」などとうたいながら、絶対に落札できないようなシステムを組み込み、利用者から手数料をだまし取っていた疑い。ペニーオークションをめぐっての逮捕は全国初。

 ペニーオークションは通常のオークションサイトと異なり、入札するごとに数十円〜100円ほどの手数料がかかる点が特徴。そのかわり高額な商品が格安で出品されており、運が良ければ破格の値段で落札できる――というのが売りとなっていた。

画像 あるペニーオークションサイトの「終了オークション」の様子。高級腕時計がわずか17円、30万円分の旅行ギフト券が142円で落札されている

 しかし、ネット上では以前から「詐欺ではないか」と危険視する声も相次いでいた。通常のオークションでは、落札できなければお金を払う必要もないが、ペニーオークションの場合、落札できなければそれまでに払った手数料がすべて水の泡になってしまう。「途中でやめたら……」という心情から、引き際を見極められず必要以上にヒートアップしてしまいやすい。オークションが長引けば手数料だけで数万円、数十万円に達するケースもある。

 しかも、画面の向こうでは誰が入札しているのか分からないから、運営側が「サクラ」を仕込んで、手数料と入札額をつり上げているのではないか、という指摘もあった。運営側が落札した場合、払ったお金は自分に戻ってくるのだから、理論上、落札額は無限に釣り上げることが可能だ。

画像 ペニーオークション詐欺に騙されるな!」と危険性を指摘するサイトも

 今回のケースでは、運営側は自動で入札するbotを組み込み、入札者の落札を妨害していた疑い。入札者は「あと少しで落札できるかも」と思って入札するが、あと少しになるとbotが入札し、値段をつり上げる。ずるずると手数料だけが取られ、商品は絶対に落札できない仕組みだ。まさに、これまで指摘されていた「サクラ」疑惑が立証された形となる。

 今回摘発されたサイトはすでに閉鎖しているもよう。もちろんすべてのペニーオークションサイトがこうした詐欺を行っているという確証はないが、その構造上、きわめてリスクの大きいオークションであることは間違いない。「40万円のテレビがたった2000円で落札できた!」といったうたい文句を見ても、うっかり騙されないようご注意を。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」