艦これ艦娘“戦歴的”プロフィール「長波」編なにげに有名どころで戦ってます

ルンガ沖夜戦で“闘将”(米軍評価)田中少将とともに戦った彼女。「逃げ足が速い」などといわれるが、艦これ提督なら田中さんの気持ちも分かるよねー。

» 2013年10月17日 08時51分 公開
[長浜和也,ねとらぼ]

だってそう簡単に沈めるわけにいかないじゃない

 駆逐艦「長波」は、夕雲型の4番艦で大阪は藤永田造船所の生まれ。1942年6月30日に竣工して、最初の任務は北のキスカまで輸送船護衛だったが、8月31日に「巻波」とともに第31駆逐隊に所属してからは、彼らとともにショートランドを拠点に“鼠”輸送(駆逐艦による輸送作戦)に従事する。途中、「金剛」「榛名」のヘンダーソン基地艦砲射撃作戦や南太平洋海戦に参加し、第三次ソロモン海戦では輸送船団護衛として比叡霧島の戦いぶりを遠目に傍観しつつ護衛する輸送船のほとんどを守りきれずに沈めた後、11月30日に第2水雷戦隊旗艦として田中頼三海軍少将座乗のもと、ルンガ沖海戦を戦った。

 ルンガ沖海戦で駆逐艦8隻を率いて巡洋艦5隻駆逐艦6隻と戦い、巡洋艦1隻撃沈4隻大破の戦果を挙げた田中司令官の評価は米国ですこぶる高い。その一方で、距離1万メートルで魚雷を発射して真っ先に退避してしまった旗艦「長波」の消極的な行動から「臆病」と評価する日本の海軍関係者や戦史研究者も多い。

 ただ、駆逐艦8隻に責任を持つ増援部隊司令官として、そして、先の見えない戦況において、優勢な敵と遭遇した場合に戦力の保全を図るのは当然で、敵をけん制する雷撃を行い、その後反転して退避を図るのは妥当な行動と考える意見もある。艦隊保全のため無謀な夜戦を挑まないという考えは、“艦これ”提督なら体感として理解できるのではないだろうか。なお、反転しつつ発射した第2水雷戦隊の魚雷は、敵巡洋艦の戦列に向かって疾走し、先に述べた大戦果に結びつく。

 ルンガ沖海戦後の「長波」は、その後もソロモン海域における“鼠”輸送を実施。1943年5月以降は北方海域に転戦してキスカ撤退作戦に参加。11月には再度ソロモン海域に戻ってブーゲンビル沖海戦で戦う。さらに、1944年10月には、レイテ沖海戦にも参加するが、このときは潜水艦の雷撃を受けて大破した重巡洋艦「高雄」を護衛して退却したおがげで生き残った。

 輸送に夜戦に大規模海戦と、夕雲型駆逐艦としては戦歴に恵まれた「長波」は、1944年11月11日、フィリピンのオルモック湾に向けた輸送作戦において、敵航空機の爆撃で沈没する。このとき、駆逐艦ぜかまし、いや、「島風」も一緒に沈んでいる。

ルンガ沖海戦の経過をボードウォーゲーム「アイアンボトムサウンド」(クォーターデッキ/ホビージャパン)で再現した。敵発見はほぼ同時だが、田中司令は輸送任務を考えていったんは攻撃を控えた(写真=左)。しかし、敵が襲撃行動に入ったのを察知してすぐに砲雷撃戦と反転退避を命令する(写真=中央)。第2水雷戦隊が発射した魚雷は、敵巡洋艦戦列に集中し壊滅的なダメージを与えた(写真=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた