描かなくてもマンガができる! 萌えキャラも登場のマンガ制作システム「マンガロイド」ってなんだ!?

2014年は「マンガロイド」元年となるか。

» 2014年02月14日 11時14分 公開
[種子島健吉,ねとらぼ]

ボカロじゃなくて「マンガロイド」!?

 ボカロならぬ「マンガロイド」――絵が描けなくても漫画が作れる革新的システム――が来る! そう語るのは「エクゾジャケット」を公開している大坪商介氏。

 「マンガロイド」はおおまかにいうと集めた素材で3Dモデリングデータを設定し、キャラクターのポーズや表情を変えて物語を描くことができる簡易マンガ制作システム。作業はマンガを描くというよりも、3Dモデリングデータといういわば俳優に演じてもらうという気分になるという。

 そのあたり、物語と楽曲という違いはあれども、自分の楽曲を歌ってもらう、ボーカロイドに近いのかもしれない。マンガ作家というよりは、映画監督に近い感覚になれるのが「マンガロイド」の制作手法だ。

 大坪氏はこの着想を佐川電子の「パワードジャケットMK3」から得た。今までいろいろなマンガ作品の構想を練りつつも、絵が思うようには上達せず、マンガ家になるなど夢のまた夢とあきらめていた。そんなとき、ニコニコ動画で3D CG映像制作ツールのMikuMikuDanceを使用して制作されたボーカロイド楽曲の映像などを観て、3Dモデリンク技術を本格的なマンガ制作にも応用できないかと思い立った。

 マンガ制作に3Dモデルキャラクターを使用するにあたって当初は、登場人物のポーズや表情を細かく設定するのが難しかったそうだが、複数のソフトや技術を組み合わせることで解決できた。具体的には、マンガ制作ソフト「ComicStudio」と、「六角大王」や「DAZ Studio」といった3D CGソフト、フィギュア型モーション入力機器のクーマリオンの組み合わせが核となるシステムを利用した。

 今回、大坪氏と有志はこのマンガ制作システムを「マンガロイド」と命名。「マンガロイド」を普及すべく、同人作品で萌え系キャラを数多く描いている、けんたうろす氏に「マンガロイド」のイメージキャラクター「花絵ショコ」のデザインも依頼した。

mangaroid 大坪氏の「マンガロイド」制作環境

mangaroid KINECTもあるが、動きが制限される屋内ではクーマリオンのほうが作業しやすいという

mangaroid けんたうろす氏デザインの「マンガロイド」イメージキャラクター「花絵ショコ」

「マンガロイド」が「マンガ」の発想を変える?

 先行している簡易マンガ制作ソフトなどとの違いは、やはりより細かなポーズや表情がつけられること。ただし、細部までこだわることができるだけに、3D CGソフトをある程度使いこなす必要があったりと、いわゆる誰でもできる超お手軽な方法というものではない。

 しかし、いったん素材を集めてモデリングデータを設定してしまえば、制作スピードはマンガを描くよりもはるかに早いという。大坪氏の場合、昼間は別の仕事をしながら、夜帰宅してから週5日程度、2時間ぐらいずつ制作するというペースで約1年間に10本ものマンガを描けたという。筆者のように絵心のない「描けない人」だけでなく、「描けるが描く時間がない人」にも朗報かもしれない。

 これを邪道ととるか、おもしろい試みととるか人それぞれだと思う。だが、少しでも「おもしろそうだな」と思ったら、既成概念を取り払い発想を変えて、ニュートラルな気持ちで取り組んでみてもよいのではないだろうか。

mangaroid

萌えキャラ登場のイメージ映像公開!

 「マンガロイド」イメージキャラ「花絵ショコ」がナビゲートする「マンガロイド」の概要紹介映像が公開されているので、実際の制作フローなどぜひともご確認いただきたい(ニコニコ動画にも同じものがアップされている)。この映像では、「マンガロイド」によるマンガ制作の細部にまでは触れられていないが、反響次第ではより詳細な第2弾を制作することも、大坪氏と有志は考えている。

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mangaroidmangaroid クーマリオンでポーズを作り(左)、キャラの表情などを調整してからコマに配置して、吹き出しや背景などを付ける(右)

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漫画 | 3D | VOCALOID | アイデア(発想) | MikuMikuDance


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