艦これ提督的ウォーゲーム要務令「太平洋戦史」編軍神曰く「21世紀のVictory in the Pacific」(1/3 ページ)

時は西暦1941年12月8日、帝国陸海軍は西太平洋上において米英と戦闘状態にいれり。その3年9か月後、帝国の現状に鑑み、共同宣言を受託する旨通告せしめたり。

» 2014年12月08日 12時20分 公開
[長浜和也ねとらぼ]

短時間でできるシンプルルールの新作戦略級ウォーゲームなのだ

 やあ、「艦隊これくしょん」、順調に進んでいる? 2015年の1月からはアニメも始まるみたいだね。うん、プロモーションビデオを見たけれど、戦闘描画もそれっぽいから期待できそうじゃない。いやいや、あの“不動の射法”もありでしょう。そのあとの、吹雪の動きもいいし。

 で、きょうは、そういう話ではないと。艦これのWikiでいろいろ海軍逸話を調べてみたら、自分でも聯合(れんごう)艦隊を率いて史実の戦いを追体験してみたくなった、ですとおおおぉー! 

 よぉーし、よぉーし、よしよしよしよし。こちらの世界によくきたよくきた。そういうことなら、初めての艦これ提督さんでもすぐにできるボードウォーゲームを紹介しようじゃないか。

 ん? 以前ねとらぼで新人さんに無理やりやらせていた「Victory in the Pacific」ですかと。おー、あれ読んでくれたのか。ありがとうありがとう。うん、あれはいいウォーゲームなんだけれど、2014年になってもっといいのが登場しているんだ。

 それが「太平洋戦史」だ。登場する駒は軍艦と陸上機(正確には基地航空部隊)だけ。軍艦の種類は空母と戦艦と重巡洋艦だけだ。将棋より種類は少ないから覚えやすいよね、とは、Victory in the Pacificの紹介と同じセリフだ。

太平洋戦争の戦略級ボードウォーゲーム「太平洋戦史」だ。パッケージデザインは、ハワイ北方まで進出した真珠湾攻撃2日前の赤城だ

 1つの駒が1隻の軍艦になる。性能を表す値は「戦闘力」「防御力」「移動力」の3つだけ。空母と陸上機はこれに「空襲力」が加わる。ただ、艦これ提督さんたちが知っている「高雄と愛宕は近代化改装をしていたが、鳥海と摩耶は新造時のまま開戦」など、細かい逸話も表現している。

 さらに、選択ルールでは、重雷装艦の「北上」「大井」姉妹や、“航空戦艦”「伊勢」「日向」、未完成だった空母「伊吹」「笠置」、そして、“戦艦”「信濃」までもが登場する。

ほぼ同世代の日米英航空母艦のユニット。下段の数値は「戦闘力」「防御力」「移動力」、そして、その上にあるのが航空母艦と陸上機だけにある「空襲力」だ。ハーミーズって意外とでかいね

選択ルールで登場する、“戦艦”「信濃」に“航空戦艦”「伊勢」、そして、未完成だった航空母艦「伊吹」

 艦名入りの駒には平面イラストが描いてるが、艦のサイズが同縮尺ので、大きさも比較できる。米海軍が“標準型”と呼ぶ戦艦(日本の長門型や伊勢型、扶桑型とほぼ同じ世代)が、新世代の巡洋艦より小さかったりすることも分かったりして、イラストを見ているだけでも興味深い。

40センチ砲を搭載して長門とともに“ビッグセブン”と呼ばれた「ウェストバージニア」だが、意外と小さく、重巡「愛宕」とさほど変わらない

 太平洋を中心に東はハワイ、西はセイロン、北はアッツ島、南は北部オーストラリアを収めたマップは、ウォーゲームでおなじみの六角マス目(ヘックス)ではない。太平洋戦史のマップでは、太平洋上にあって太平洋戦争で戦いの場となった主要な拠点を示した「ポイント」を線でつないでいる。線でつながっているポイントに駒を動かすことができるんだな。

 ヘックスのマップと比べて、ポイント同士の関係が分かりやすく、戦略における重要度(より多くのポイントとつながっているポイントは要所になる)も把握しやすいね。

東はハワイ、西はセイロン、北はアッツ島、南は北部オーストラリアを収めた太平洋戦史の戦場。主要な拠点となるポイントを航路でつなげている

 ポイントには、「港湾」と「基地」がある。港湾には点数がついていて占領している側が毎ターンごとにその点数をもらえる。それから、ターンの終わりに相手より多くの基地を占領していると、これまた1点もらえる。

 ゲームの勝敗は、「超ざっくりにいうと」毎ターン貯金していった点数をゲームの最後でどれだけたくさん持っているかで決まるのだ(正確にいうと、ターンの終わりに奪っている点数を比較して、多い側がリードしている差の点数を貯金できる。あるターンの点数が11点と9点だったら、11点取っている側が2点を貯金できる)。

 なので、「最終的に日本軍は軍事的に壊滅していても、緒戦で奪った大量リードで逃げ切ってゲーム的に勝利」ということも可能だ。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた