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» 2014年12月08日 12時20分 公開

軍神曰く「21世紀のVictory in the Pacific」:艦これ提督的ウォーゲーム要務令「太平洋戦史」編 (2/3)

[長浜和也,ねとらぼ]

少ない資源を計画的に使って戦い抜け

 てな感じで、早速始めてみようか。え、まだルールを覚えていないって? 大丈夫大丈夫。私がやりながら教えてあげるから。ボードウォーゲームは、ゲームの進め方と勝つ条件と駒の数値の意味が分かったらとりあえず始めてしまうのがいいよ。全部ルールを覚えてからなんて思ったら、始める前に疲れてしまう。

 太平洋戦争といえば、やっぱり、真珠湾奇襲とマレー沖のプリンス オブ ウェールズの悲劇だね。太平洋戦史は半年分に相当する1ターンを4ターン目の1943年(昭和18年)下半期、または、5ターン目の1944年(昭和19年)上半期まで繰り返す。ただ、1941年(昭和16年)12月の1カ月は「0ターン」として、南雲艦隊の真珠湾攻撃とマレー半島の陸上機による英艦隊攻撃だけを行う。ここで、戦闘方法を覚えればいい。

 戦闘も簡単だ。同じポイントに敵味方がいれば戦闘になる。まずは空母と陸上機ができる空襲を行って、次に、攻撃側が望めば水上戦もできる。

 そりゃ、サイコロコロンと。

 空襲では駒に書いてある空襲力を、水上戦では戦闘力をポイントにいる艦全部を足した値とサイコロ1つをふって出た値を“戦闘結果表に照らし合わせる。そこにある値が戦闘で損害を受けた艦の数だ。

 空襲では攻撃した側が、水上戦では攻撃された側が、それぞれ損害を受けた船を選ぶぞ。1隻ごとにサイコロを振って、出た値がいま選んだ艦の防御力以上なら撃沈だ。撃沈できないときはサイコロの値だけ後のターンに修理を終えて登場する。サイコロを振る回数を減らすことで、ゲームにかかる時間を短くできるんだな。

ここでは、仮想的に史実のミッドウェー作戦を再現してみる。戦闘は、空襲から解決する。空襲力を合計し、サイコロを1回振って、その結果を戦闘結果表と照らし合わせる

史実では、“慢心”した結果、日本は空母が全滅した。太平洋戦史では、守る側のすべての戦力を排除しないと占領できず、陸上機は空襲でしか攻撃できない(例外あるが)。それゆえ、戦艦と重巡洋艦がたくさん残っていても、空母を失った日本軍は撤退するしかない

 こうやって、真珠湾奇襲とマレー半島沖の英艦隊攻撃が終わったら、第1ターンの始まりだ。1942年の1月から6月。史実では、南方攻略から蘭印攻略、そして、インド洋作戦から珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦と続く時期だ。まず、そのターンに登場する増援をもらって、それから、「カード」を引く。

 え、カードって何? ってか。そう、太平洋戦史では「カード」を使うんだ。このカード、イベントカードとして使えるほかに、「資源」としても使える。というか、たぶん日本軍はほぼ資源として使うようになるだろう。

 太平洋戦史では、作戦を確実に実行したいとき、カードを1枚捨てなければならない。カードを使わない(または、使えない)場合、相手がカードを使っていると自分はなにもできないまま相手が作戦を実行してしまう。相手もカードを使わないときは、お互いがサイコロを振って先に動かせる権利を争うことになる。

 太平洋戦史では、このサイコロで双方同じ目が出るとターンが終わってしまう。「あーしてこーしてそーなったら、あそこを占領できる」と考えていても途中でとん挫してしまうため、計画を確実に実行するためには、カードを資源として捨てることが必要になる。

太平洋戦史ではゲームの手順を示したフローチャートを用意している。初めてでもこのフローをなぞってゲームを進めればいい。カード(資源)を消費しないと、相手が一方的に作戦を実行してしまう。両方とも資源を消費しない場合、サイコロの目によってはいきなりそのターンが終わってしまう可能性もある。計画した作戦を確実に実行するには資源が必要になる

 このカード、日本軍は第1ターンこそ4枚もらえるが、その後は、ボルネオ基地を占領しているターンにのみ2枚だけもらえる。一方、連合軍は最初こそ日本軍より少ないものの、1943年下半期に8枚、そして、1944年上半期10枚と日本軍を大きく上回るカードを手に入れる。こうして、「少ない資源をやりくりして、動きたくても動けない聯合艦隊」「豊富な資源を贅沢に消費して日本軍を蹂躙する米帝艦隊」が再現することになる。艦これのイベントでよくある状況だな。

 太平洋戦史では、艦隊を編成して出撃し、戦闘を行ってポイントを占領する「戦闘ラウンド」を、1ターンの中で繰り返していく。そうなると、艦これのように役に立つ艦を繰り返し出撃させたくなるが、太平洋戦史では、1回出撃すると駒を裏返してそれ以上動けなくなる。「燃料弾薬使い果たして疲れちゃったから動けないー」ってとこだな。再度出撃するには、お風呂、いや、「補給」をして駒を表にしなければならないが、この補給でもカードを資源として消費(捨てる)する。

 こういうふうに艦隊を動かすには、とにもかくにも資源となるカードを使わなければならない。このあたりの仕組みは艦これと同じだね。日本軍はターンごとに得るカードが少ないため「資源をやりくりして戦う聯合艦隊」を再現してくれるし、ターンごとにカードを得るために、開戦劈頭(へきとう)、何をさておきボルネオがある南方に向けて進撃することになる。

日本軍はボルネオを占領しないとカードがもらえない。そのため、まずは、ボルネオを含む南方攻略を実行することになる

 あわせて、得点源となる港湾としてフィリピンとシンガポールも攻撃目標になるね。太平洋戦史には陸軍が出てこないけれど、基地の占領では自分たちの軍艦だけになったポイント、または、陸上機を配置したポイントとその隣のポイントを基地として占領できる(軍艦と陸上機の隣のポイントでは占領に条件有)。これは「制空権と制海権をとれば陸戦も勝てる」ことを再現しているんだ。

 ただし、大規模都市の港湾攻略では大規模な陸軍部隊が必要だ。そのことを反映して、港湾攻略では、多数の軍艦と資源としてのカードが必要になる(経験則としては、シンガポールの攻略にはカード2枚または南雲機動部隊フル編成が、オーストラリアやハワイの攻略には聯合艦隊全兵力+カード1枚、日本攻略は米艦隊ほぼすべてと聯合艦隊を撃滅するために繰り返し出撃して補給するのに必要な“たくさん”のカード)。

太平洋戦史では、陸上機があるポイント(ルールブックにはないけれど、ここでは“現地制空権”と呼ぼう)とその隣のポイント(同じく、ここでは“隣の制空権”と呼ぼう)まで占領できる

しかし、敵も隣のポイントに陸上機をおいたら、“隣の制空権”が打ち消しあってどちらも占領できなくなる

そこで、艦隊を出撃させることになる。同じポイントに両軍の部隊が存在したら当然ながら戦闘が発生する

敵兵力をすべて排除すれば“制海権”をとって占領できる。しかし、隣のポイントに敵陸上機があると“制海権”と“隣の制空権”が打ち消しあって”どちらも占領できない

陸上機を配置してそのポイントに“現地制空権”を確立することで、ようやくそのポイントを占領できる。そのため、陸上機の配置が重要になってくる。なお、港湾を占領するには、さらに大部隊と資源を使って“攻略”をしなければならない

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