歴代のマンガ、アニメ、ゲーム、メディアアートのデータを一挙網羅! 文化庁が「メディア芸術データベース(開発版)」サイトを公開
日本のコンテンツ産業・文化史における画期的な第一歩。歴代タイトルのデータ閲覧が誰でも無料で利用可能に。
日本が世界に誇れる文化を、後世に残すうえで欠かせないデータベースがついに完成
文化庁はマンガ、アニメーション、ゲーム、メディアアートの作品および所蔵情報を集めた「メディア芸術データベース(開発版)」サイトを、3月17日午前10時より公開しました。
本サイトは、各メディア芸術作品・所蔵情報の調査をはじめとする事業における一環として作成されたものとのこと。発表資料によりますと、データベースにはマンガの単行本・雑誌が33万冊、アニメーションはテレビ放映・劇場版アニメ・OVA(オリジナルビデオアニメ)など約9000タイトル、ゲームは家庭用ソフト・アーケードゲーム・PCゲームが約3万5000タイトル、そしてメディアアートはメディアアート・現代アート関連の展覧会・イベントなどの情報が約1万件網羅されており、誰でもアクセスすることが可能となっています。
それでは、百聞は一見にしかずということで、早速データベースを使ってみましょう。
これさえあれば、例えばゲームソフトの場合は「昔遊んだあのゲームはどのハードで発売したんだっけ?」とか、「最近『無双』シリーズに興味がわいて遊びたくなったんだけど、全部で何作あって買うと合計何円なのかな?」などといったデータがすぐに取り出せます。筆者のように、普段ゲームメディアで記事を書くライターや業界関係者だけでなく、一般のマンガ・アニメ・ゲーム好きのみなさんにもとてつもなく便利なデータベースなのです。
アーカイブ事業の当事者にお話を聞いてみました
同サイト公開にあたり、配信元である文化庁にお話を聞いてみたところ、「『メディア芸術デジタルアーカイブ事業』は平成22年度(2010年度)から開始しております。我が国でどれだけのメディア芸術作品が生み出され、どこに何が所蔵されているのかという、作品およびその作品の所蔵情報を把握するための調査から始まりました。メディア芸術作品のデジタルアーカイブを推進するためには、基盤となる基礎情報データベースが必要なため本データベースを構築しました」とのことでした。
また、昨年3月に実施された「京都ゲームカンファレンス」において、ゲーム分野の基礎データ(関連記事)の作成状況を発表した、同分野ディレクターで立命館大学で非常勤講師を務める福田一史氏にもお話をうかがってみました。
―― ゲーム分野のデータ入力はいつ頃から始めたのでしょうか?
福田氏 2012年8月から2015年2月までです。
―― 入力だけで2年以上かかってるんですね……。では、データの収集はどのようにして行ったのですか?
福田氏 参考文献などの紙媒体の資料や、近年のタイトルについては公式Webサイト、一部タイトルについては現物など、重複的に情報源として利用し入力を行いました。公開するデータベースではすべてのタイトルについて情報源を明記しているのでご参照ください。また、入力作業ならびに精査作業は合計で30人程度の研究者、学生、ゲームジャーナリストらにより行われました。
―― データ作成で特に苦労した点は?
福田氏 ひとつに絞ることは難しいですのが、「項目の仕様設計ならびに実態の入力に基づく仕様の調整」「文献間の情報の不統一に基づく真偽確認や書式の統一」「膨大な数からなるデータの精度向上」などがあります。
―― 今回、公開実現を迎えてのご感想は?
福田氏 開発版としてのリリースということもあり、データベースの内容についてもシステム面についてもまだ不備があるかと思いますが、今後継続的に改善されていくものと理解しています。さまざまなご意見をいただければと思っています。私たちが想定していない活用法があるかと思いますので、みなさまの独自の活用法を教えてください。
ちなみに、本事業におけるゲーム保存の枠組みは……、「1:将来の散逸劣化に備える基本情報のデータベース構築」「2:ゲーム保存と活用の基盤となるデジタルアーカイブ」「3:ゲームおよび関連資料の保存と活用」の3段階に分けて実施する計画になっていることが、前述のカンファレンスにて発表されています。つまり、現在は枠組みの第1段階がようやく終了したに過ぎず、肝心カナメとなるゲームそのものの保存はこれから。アメリカやイギリスなど、現状では海外に比べると大きく遅れを取っている感はいなめないでしょう。今回公開されたサイトも「開発版」という名がついている以上、「完成版」となるにはまだしばらくの時間がかかりそうです。
とはいえ、国から文化として認められてデータベース化が実現したのは大きな進歩であることに間違いはありません。日本が世界に誇れる各作品のデジタルアーカイブ化を一日も早く実現させ、海外のレベルに追いつくことを期待したいですね。
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