頭上からいろんなモノが落ちてくる恐怖! 手作り感満載のお化け屋敷居酒屋「赤羽霊園」へ行ってきた

「お化け屋敷居酒屋 赤羽霊園」は、高校の文化祭のお化け屋敷を思わせる手作り感あふれるお店。シンプルで原始的な仕掛けにビックリさせられる。

» 2015年03月30日 16時53分 公開
[姫野ケイねとらぼ]

 漫画家の清野とおる先生が東京・赤羽で出会ったユニークな人物を描いた漫画「ウヒョッ!東京都北区赤羽」(双葉社)が人気だ。同作をモチーフとしたドキュメンタリードラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」が放送されたこともあり、今、空前の赤羽ブームが来ている。

 赤羽には一風変わった居酒屋が多い。今回は「お化け屋敷居酒屋 赤羽霊園」を訪れてみた。もう、外観からして怪しい臭いがプンプンする。高校の文化祭のお化け屋敷のような手作り感があふれている。看板には「天空より生首落下、君は耐えられるか!」「座敷牢完備・妖怪料理有り!」の文字が。どこから突っ込んでいいのか分からないし、妖怪料理とはどんな料理だろうか……。

昼に撮影した「お化け屋敷居酒屋 赤羽霊園」
不気味と言えば不気味だけど、昼だからまだ大丈夫(?)

 再び夜に訪れ、撮影した写真がこちら。暗闇に浮かび上がるジェイソンのお面や着物を着た幽霊が、昼よりも怪しさを醸し出している。

夜の「お化け屋敷居酒屋 赤羽霊園」

 怖いのが苦手な筆者。1人で行くと夜眠れなくなりそうなので、ライター仲間と行くことにした。小さめの扉を開けていざ入店。マスターの高橋さん(「高」は本来ははしごだか)が出迎えてくれた。

お客が入ると、マスターが持っている宇宙人(?)の人形が動いて鈴の音が鳴る仕組みになっている

 店内は赤く薄暗い照明で不気味だ。壁にはびっしりと、400個以上のしゃれこうべが取り付けられている。なんとこのしゃれこうべ、型に新聞紙を溶かしたものを入れ、マスターが1つ1つ手作業で作ったもの。1つのしゃれこうべが完成するまで1週間かかるという。なんという気の遠くなる作業!

ソファ席20席とカウンター席4席がある
マスター手作りのしゃれこうべ

 壁や天井にはガイコツや髪の毛、クモなどがぶら下がっている。これらが、後にとんでもない恐怖体験を仕掛けてくるとは、このときは知る由もなかった。

 席に着いたらさっそくメニューの注文を。ドリンクは飲み放題メニューのみ。男性2500円、女性2000円で、なんともリーズナブルな価格。おまけにカラオケの値段まで入っているので歌い放題でもある。

 1杯目はレモンサワーを注文。乾き物は仏具に盛られて出てきた。

 フードは、何やら怪しいメニュー名がずらり。メニューは卒塔婆に書かれている。下の段の右から3番目のメニューが非常に気になる。「ポコ○ンが一番人気のメニューだよ」と、マスター。これは頼むしかない。

「ポコ○ン」……気になる……

 出てきた「ポコ○ン」は……まんまだ、もう、そのまんまだ。気になっている女性を連れてきて、うっかりこのメニューを頼むと、早々と恋が散ってしまいそう。

「ポコ○ン」(クリックするとモザイクが外れます)
同行してくれたライター仲間・イケダオソトさんといただきます(クリックするとモザイクが外れます)
「目玉親父」はかわいらしい目玉焼き
「釜茹で地獄」は熱々のおでん。フードは全て500円

 料理に舌鼓を打っていたところ、突然何かが頭上に降ってきて、思わず「キャーッ!」と悲鳴を上げてしまった。そう、頭上にぶら下がっている髪の毛が落ちてきたのだった。実は、厨房には何十本ものひもがぶら下がっており、そのひもが客席の頭上にある仕掛けにつながっている。マスターがひもを引っ張ると仕掛けが落ちてくるという、なんともシンプルで原始的な仕組みになっている。固い素材のものが落ちてくる仕掛けは頭上で止まり、ケガをする心配はないのでご安心を。筆者の悲鳴を聞いたマスターは「いい声出すねぇ〜」とニヤリ。マスター、人が悪いですよ……?

 午後8時頃、団体のお客さんが入店。この日は送別会だというが、なぜ、送別会にこの店を選んだのが若干疑問だ。この団体客も席について一息ついた頃、壁の絵が落ちてきてパニックに。客が仕掛けに驚いて悲鳴を上げるたび、うれしそうにニヤニヤと笑うマスター。仕掛けは忘れた頃や、話に夢中になって油断しているときに落ちてくる。

仕掛けに驚いた後は、みんな決まって笑う

 マスターの高橋さんがこの店を開いて、もう24年になる。その前は、この場所でテレクラを営業していたという高橋さん。条例が変わって営業ができなくなり、店をどうしようか悩んでいたある日、後楽園遊園地のお化け屋敷を訪れて「赤羽にこういうお化け屋敷のような飲み屋があるといいな」とひらめいたそうだ。そこで、テレクラを自らの手で改装し、仕掛けを手作りして、この内装に仕上げた。1つの仕掛けを作るのに、約2時間かかる。

 しかし、この店に通い詰めると、慣れて驚かなくなってしまうのではないだろうか。この問いには「たまに模様替えするのよ。今は冬バージョンだけど、夏は夏らしく模様替えするの」と答えてくれた。

 カラオケ居酒屋でもあるので、カウンターに座っている男性が歌い始めた。筆者もタンバリンで盛り上げてみることにした。気持ち良く歌っている最中でも、容赦なく頭上から落下してくる。

カラオケで歌い出した人を盛り上げる
筆者も歌ってみた。選曲は、中島みゆきさんで「ファイト!」。しかし歌っている最中にも……

 飲んで歌って驚けるお化け屋敷居酒屋と、ちょっぴりSっ気のあるマスターは赤羽にとても似合う。今、赤羽ブームだが、それはおそらく一過性のものに過ぎないだろう。しかし、マスターはブームであろうとなかろうと、これからも客を驚かせ、そして楽しませてくれるはずだ。

店鋪情報

住所:東京都北区赤羽1-35-8

営業時間:午後7時〜午前2時

定休日:日曜日


姫野ケイ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/17/news023.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  2. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  3. /nl/articles/2404/17/news136.jpg もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
  4. /nl/articles/2404/17/news111.jpg 「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
  5. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  6. /nl/articles/2404/17/news029.jpg 「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
  7. /nl/articles/2404/17/news117.jpg 「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
  8. /nl/articles/2404/17/news025.jpg 築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
  9. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  10. /nl/articles/2211/26/news054.jpg 辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」