国内での死亡例も! 野生の「マダニ」が媒介する恐ろしい感染症とは?

入念な予防対策が重要です。

» 2015年06月13日 14時30分 公開
[日本気象協会 tenki.jp(http://www.tenki.jp/)]
Tenki.jp

 本格的な夏に向かうこれからの季節、屋外のレジャーやガーデニングなどで注意したいのが「虫さされ」。昨年の夏は、蚊が媒介するデング熱が社会的に大きくクローズアップされましたね。

 さらにもうひとつ、ここ近年、厚生労働省が注意を呼びかけているのが、野生の「マダニ」が媒介するウイルス性の感染症です。この感染症にはまだ特効薬がなく、重症化して死に至るケースも報告されています。

 マダニから身を守り、恐ろしい感染症を防ぐための注意点をまとめてみました。

マダニ 肉眼でも見える体長1〜10ミリの「マダニ」


致死率35%の怖い感染症「重症熱性血小板減少症候群」

 室内にいるイエダニやツメダニなどとは異なり、マダニは草むらや森林などに生息しています。体調は1〜10ミリと大きく、人や動物に食いついて血液を吸うと2センチ近くに巨大化することも。食いつくと3〜10日ほど離れず、皮膚にはりついて血液を吸い続けます。

 このマダニが媒介する感染症のひとつが、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」です。潜伏期間は10日前後で、発症すると発熱・下痢・嘔吐などの症状のほか、血小板や白血球が急激に減少して死に至ることもあります。

 国立感染症研究所によると、日本国内で初めてSFTSの患者が報告された2013年以降、これまでに全国で110人の患者が報告され、うち32人が亡くなっています(2015年4月現在)。まだ有効な治療薬やワクチンがなく、重症化した患者に対しても対症療法でしか対応できていないのが現状です。



野外から帰ったら全身をチェック&体調の変化に注意!

 マダニに咬まれても痛みや痒みはあまりなく、当初は気づかないことが多いようです。ですから、森林や草むらなどの野外へ行った日は、入浴時にマダニが付いていないか全身をチェックしましょう。

 皮膚に硬いゴマのような虫が食いついていたら、マダニの可能性大。食いついている頭部が残らないように、できるだけ根っこの部分からはがすようにして取り除きます(うまく取れない場合は、無理にはがさず皮膚科などの病院へ)。

 その後、潜伏期間の10日間ぐらいは体調の変化に注意し、発熱などの異常があればすぐに病院へ行くことが重要です。

※ねとらぼ編集部注:マダニを無理にはがそうとすると、口器が皮膚に残ったり、病原体を含んだ体液を注入されたりといった可能性があり、危険であるとの指摘をいただきました。マダニの吸血に気付いた場合は、皮膚科で周囲の皮膚ごと取り除いてもらうのがもっとも安全とのことです


肌の露出を減らして、ダニの侵入経路をシャットダウン

 何よりも最大の予防は、咬まれないように心がけること。マダニのいそうな場所に行く時は、長袖の服や長ズボン、帽子、軍手などを着用して、できる限り肌の露出を少なくすることが肝心です。

 また、サンダルなどの履き物はNG。足にフィットしたアウトドアシューズや長靴を履き、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れます。同様に、シャツの裾や袖口もズボンや軍手の中に入れ、首にタオルを巻いてダニの侵入経路を遮断すれば、より効果的です。

 これからの時期、人間もダニも活動が活発になります。楽しい夏のアウトドアレジャーで、恐ろしい感染症にかからないためにも、まずは入念な予防対策が重要といえそうです。

※参考/厚生労働省Webサイト、国立感染症研究所Webサイト


あわせてチェックしたい



Copyright (C) 日本気象協会 All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた