鯉のぼりをなぜ飾るの? 「こども日」にまつわるトリビアをご紹介します

5月5日は「こども日」です。

» 2016年05月04日 20時41分 公開
[日本気象協会 tenki.jp(http://www.tenki.jp/)]
Tenki.jp

 子どもの頃、五月人形や鯉のぼりを飾り、柏もちを食べていたのを思い出します。しかし、なぜ鯉のぼりを飾るのか? 柏もちを食べるのか? そもそも「こどもの日」とは一体何の日なのでしょう? 今さら聞けない「こどもの日」にまつわるギモンを解決するために、その歴史を紐といていきます。

こどもの日 鯉のぼりは立身出世のシンボル。江戸時代の町人の発想から生まれました

端午の節句から、こどもの日へ

こどもの日 現在は、男の子も女の子もお祝いする日!

 5月5日は端午の節句ともいいます。

 「端午の節句」は、そもそも中国発祥の厄祓い行事でした。それが奈良時代に日本に伝わり、日本古来の行事と結びつき形を変えながら、江戸時代に五節句のひとつに定められ、男の子の行事として定着しました。

 そして、1948年に定められた国民の祝日法によって「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日として「こどもの日」が制定され、男女の区別なくお祝いする日となりました。

こどもの日に欠かせないアイテムの始まり

こどもの日 端午の節句は、菖蒲の節句ともいわれます

菖蒲湯

 「端午の節句」は、「菖蒲の節句」ともよばれ、奈良〜平安時代には、強い香気で厄を祓う「菖蒲」を蓬(よもぎ)とともに軒にさしたり、あるいは「菖蒲湯」に浸かったりして、無病息災を願っていました。

兜・五月人形

 その後、武家社会へと時代が移り、これまでの風習が廃れ、「菖蒲」と「尚武」をかけた「尚武=武士を尊ぶ」という意味合いが強くなっていきました。

 将軍に男の子が生まれると旗指物という家紋のついた旗や幟(のぼり)を立てて祝う風習が武家に広がり、男の子が生まれた印として幟を立て、身を守る「鎧」や「兜」を飾り、男の子の成長や立身出世を願う行事へと変化していきました。

鯉のぼり

 武家を見習い江戸庶民の間で、鯉の滝登りで立身出世のシンボルであった鯉を幟にするアイデアがうまれ、武家の幟に対して、町人の間で鯉幟(こいのぼり)をあげるようになりました。それが端午の節句には欠かせない縁起物として現在に至るのです。


こどもの日 武士の家では男子が生まれた際に、身を守る鎧や兜を飾るように

ちまち vs. 柏もち

 端午の節句の食べ物といえば、「ちまき」と「柏もち」ですね。関西の方は「ちまち」、関東の方は「柏もち」のほうが、なじみがあるかもしれません。それは……「ちまき」が中国から伝わった平安時代には、都が関西にあったため、主に西日本中心に広まったからといわれています。

 ちなみに「柏もち」は日本発祥の食べ物で、鯉のぼりとともに江戸時代にうまれました。柏の木が関西にあまり存在しなかったこともあり、関東中心の風習となったと考えられています。

 ──余震が収まらない中、不安な日々を過ごしていらっしゃる方も多いと思います。明日は、みなさまと一緒に子どもたちの健康と健やかな成長を祈る一日としたいです。


Copyright (C) 日本気象協会 All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」