レビュー
» 2016年08月07日 11時00分 公開

「取ってしまえばどうということはない」 魚屋さんがまとめた寄生虫データが食卓に安心を届けてくれそう司書メイドの同人誌レビューノート

「魚屋が出会う身近な魚の寄生虫」をご紹介。フルカラーで寄生虫の画像が載っているので、苦手な人は注意。

[シャッツキステ,ねとらぼ]
シャッツキステ

 やっと梅雨明けして暑い夏が到来! 海が呼んでいますね。泳ぐも良し、魚を釣るも良し。釣ったお魚は、今夜のおいしい晩ごはんに……とうきうきしますが、実はそのお魚さんのなかには「彼ら」がいるかもしれないことを、私は知ってしまったのです……。

 今回レビューする同人誌は、タイトルからお察しいただける通りの内容です。レビューするときはいつも「こんなに面白い同人誌だから、もっとたくさんの人に読んでいただきたい!」と思っており、今回ももちろん、いえ、ますます強くそう思っているのですが、今度ばかりは「読むかどうかは自己責任で」と言わざるを得ない、なかなかのショッキングな内容となっています。

 しかし、前書きで作者さんも述べているように「知って、最終的にお魚をおいしく食べること」がこの本の目的です。知っても知らなくても「彼ら」が身近にいるのなら、私は知る方を選びました!

今回紹介する同人誌

「魚屋が出会う身近な魚の寄生虫」 A4 20ページ 表紙・本文カラー

著者:泉翔


同人誌「魚屋が出会う身近な魚の寄生虫」 イベント“博物ふぇすてぃばる”で完売した人気本

リアル魚屋さんが教えるリアル寄生虫事例が満載

 うわあああ! 本のタイトルから想像はしていましたが、フルカラーの誌面にピチピチの寄生虫さんたちの写真が満載。覚悟したつもりでしたが、それでもびくっとしてしまいます。トップバッターはアニサキスは聞いたことがあります。ちょうどこの間読んだ伊集院静氏の工ッセイの中で「阿川佐和子氏もアニサキスにニ回やられている」というのを読んだばかり。アニサキスはこんなお姿だったんですね。

 ほかにもニべリニアやテンタクラリアなど、初耳ですが、その姿はいずれも「あっ、これは取り除いた方がいいですね」と瞬間的に察知できるビジュアル。そんな、見つけちゃったら手が止まりそうな寄生虫の彼らが、どの魚にいるのか、出現頻度、迷惑度、人体への影響などの項目で分かりやすく紹介されています。作者さんは魚屋さんにお勤めとのことで、「ブリ糸状線虫は丸まっていると発見しにくい」など、日々働いているからこそのリアルな説明も。

同人誌「魚屋が出会う身近な魚の寄生虫」 迷惑度MAX!

寄生虫と戦う魚屋さんの奮闘ぶりが光る

 ページをめくってもめくっても魚介と寄生虫が続きます。あ、アサリに入っていた小さなカニのページはちょっとほっとしました。そうか、これも寄生の一種ですね。魚に、貝に……こんなに寄生されているものなんですね、としみじみとさえします。ん? でもいままでの日常生活でお魚のなかの寄生虫なんて出会ったことがないなあ……と思っていたのですが、それってお魚屋さんが一匹いっぴきを頑張って取り除いてくれていたからなんですね。

 釣りをする方などには常識なのでしようが、基本的に切り身を購入する方法でしかお魚と出会っていないと、こんなに魚屋さんの力が大きいなんて思ってもみませんでした。時に自分の目を信じ、時に最新マシンを導入して、日々、コツコツと寄生虫を取り除いて「安心しておいしい魚を食べてほしい」と奮闘する様子が、4コマまんがを交えて書かれます。ありがとうお魚屋さん!

同人誌「魚屋が出会う身近な魚の寄生虫」 カニになんだかほっとしてしまいましたが、これも寄生生物!

取ってしまえばどうということはない

 あまりにもナチュラルに寄生虫が存在することを知り、私も本の途中までは「うわあ……知らなければよかったかも」と思っていました。けれど、読み進めるうちに「寄生虫はそんなにレアなものじゃない」「取り除けばいい」「適切な処置をすれば彼らは滅び、おいしく食べられる」と繰り返し書かれていることに気付きました。

 作者さんは「魚に虫ついてた! 気持ち悪いしお腹壊したくないから捨てよう」から「魚に虫ついてた! でも、取ってしまえばどうということはない」になるように……と願いをこめて語っていらっしゃいます。普段、触れていないだけにその存在にびっくりしてしまいましたが、いずれ巡り会ってしまうのなら、目をつぶらずにせっかくのお魚をおいしくいただきたい、むしろ見つけ次第、スムーズに除去できる方法を知れてよかった! と思うまでに至りました。

 寄生虫について知ろうとしたら、専門書は存在しています。でも、キッチンで彼らと出会う瞬間を想定して書かれた本はなかなかありません。そんななかで、食卓に近い魚屋さんという立場から、明日すぐに役立つ目線で書かれたこの本は、とっても親しみやすかったです。

 ちなみに、本を読み終えて、早速お魚を買ってきてまじまじと眺めたのですが、今回は「彼ら」には出会えず、切り身はおいしい晩ごはんになったのでした。

同人誌「魚屋が出会う身近な魚の寄生虫」 目次には寄生虫の名前がこんなに……。熱い作者さんの前書きも必見です

サークル情報

サークル名:二次元魚市場 瀞鮪物産店

Twitter:@syo_izumi

ブログ:http://toro-magurobussanten.blog.so-net.ne.jp/


今週のシャッツキステ

シャッツキステ けもの耳をつけてお給仕していた催しも終わり、そっと取り外すとなんだか愛着が。もふもふ。さて、来週の今ごろは夏コミまっただ中ですね。あなたも私もみんな参加者。体調をしっかり整えて、めいっぱい楽しみましょー!

著者紹介

司書メイド ミソノ 司書メイド ミソノ:秋葉原カルチャーカフェ「シャッツキステ」でメイドとしてお給仕する傍ら、とある大きな図書館で司書としても働く“司書メイド”。その一方で、こよなく同人誌を愛し、シャッツキステでも「はじめての同人誌づくり」「こだわりの特殊装丁」の展示イベントを開く。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えた辺りで数えるのをやめました」と語る

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2110/21/news155.jpg 伊藤かずえ、13年間ともにした愛車とお別れ 総走行距離は14万キロ超で「今まで本当に有り難う」と感謝
  2. /nl/articles/2110/21/news173.jpg だって安室ちゃんがついてる! 中川翔子「この写真を見れば生きていける」1枚が100人力どころじゃない頼もしさ
  3. /nl/articles/2110/22/news092.jpg ROLAND、“両サイドの巻き髪”が強い新ヘアに賛否 称賛の一方で「あぁ金髪ローランドが恋しい」との声も
  4. /nl/articles/2110/22/news077.jpg つるの剛士、10年前の家族ショットに時の流れ実感 “このころ影も形もない次男”にしみじみ「今年は七五三」
  5. /nl/articles/2110/20/news095.jpg 「これはガチ長所」 採血で発覚した思わぬ長所を描いた漫画が「うらやましい」と話題に
  6. /nl/articles/2110/21/news013.jpg カリスマ美容師が子猫をスタイリングした結果…… 笑撃の仕上がりが電車の中で見てはいけないやつ
  7. /nl/articles/2110/22/news028.jpg 「あなた一日中家にいるの? はー…シンドイ」→妻が不機嫌になった意外な理由 “ちょっと怖い妻”の漫画がおそろしくかわいい
  8. /nl/articles/2110/21/news050.jpg 「攻殻機動隊」タチコマの“コスプレ”がすごい完成度 人が乗れて走ってアームも動く!
  9. /nl/articles/2110/21/news010.jpg “新人猫の受け入れに精魂尽き果てた管理職の猫です” あおむけで脱力寝する姿に「おつかれさま」「昇給してあげて」と励ましが集まる
  10. /nl/articles/2110/22/news094.jpg ガンダム作中の食事を再現したメニューがガンダムカフェに登場 「連邦軍の配給食」「アーガマ艦内食」など

先週の総合アクセスTOP10

  1. 葉月里緒奈、美人な元マネジャーと“再会2ショット” 「共演した俳優さん達は私ではなく彼女を口説いてました」
  2. docomo×進撃の巨人キャンペーンの商品「リヴァイ兵長フィギュア」が悲惨な出来だと話題に → 公式が謝罪「対応方法を検討しております」
  3. 有吉弘行、妻・夏目三久との“イラストショット”を公開 蛭子能収からのプレゼントに「下書きも消さずにうれしい!!」
  4. 「印象が全然違う!」「ほんとに同じ人なの!?」 会社の女性に勧められてヘアカットした男性のビフォーアフター動画に反響
  5. 梅宮アンナ、父・辰夫さんの看板が黒塗りされ悲しみ 敬意感じられない対応に「残酷で、余りにも酷い行為」
  6. 子猫が、生まれたての“人間の妹”と初対面して…… 見守るように寄り添う姿がキュン死するほどかわいい
  7. 工藤静香、バブルの香り漂う33年前の“イケイケショット” ファンからは「娘さんそっくり」「ココちゃん似てる」
  8. 板野友美、エコー写真とそっくりな娘の顔出しショットを公開 ぱっちり目の美形な姿に「こんな美人な赤ちゃん初めて見た」
  9. 後藤晴菜アナ、三竿健斗との2ショット写真で結婚を報告 フジ木村拓也アナ、鷲見玲奈アナからも祝福のコメント
  10. 「とりあえず1000個買います」 水嶋ヒロ、妻・絢香仕様の“白い恋人”に財布の紐が緩みまくる