今年でオープン405年!? ちょんまげのサムライがイタリアンを作る深夜食堂に行ってきた
お店はイタリアンなのに店主はちょんまげサムライ姿。深夜食堂「ぺペロンチーノ」でサムライに会ってきた。
日が沈むと、東心斎橋(大阪市中央区)は電飾看板が鮮やかな色で輝き、観光客だけでなく、華やかな和装やドレスの女性や、光沢のあるベストを身につけた男性などが行き来する歓楽街の顔を見せる。そんな夜の街の一角に「サムライがスパゲティをゆでている!」と話題の深夜食堂「ぺペロンチーノ」がある。ちょんまげを結った大阪ミナミの名物店長に会いに行ってみた。
話題のサムライ店長、現る!?
「サムライだからといって和食が好きとは限らない。イタリアンが好き!」
ちょんまげ、着物姿でむかえてくれたのは2012年のオープンから今年で400と5周年(?)を迎える「ぺペロンチーノ」の店主「後藤 又兵衛(またべえ) 隆博」さん。ミドルネームの「又兵衛」は後藤家の家系図に記してあった実在の人物。同一人物かどうかは定かではないが、大坂夏の陣で真田信繁(幸村)とともに活躍した槍の名手「後藤又兵衛」と同姓同名だ。
店の座席はカウンターのみ10席。店内には所狭しとお客さんが持ち込んだおもちゃの槍や雑貨などが並び、棚のガラス戸には「ほっぺにチューは7万円」「うちのハートはヒートテック」「浮気する奴は嫌い!!! でも浮気する度胸のない奴はもっと嫌い!!!」などの言葉がマジックで勢い良く書かれていた。
「酔っぱらったお客さんが書いていかれるのですが、時々名言もあります」(後藤さん)
お客さんと距離は近く、後藤さんは調理をしながら2人組の若い女性客の恋愛相談に答えたり、家族と来ていた男の子から「どうして店長はサムライなの?」と聞かれて苦笑したりしていた。どうやら気さくなサムライのようだ。
どうしてちょんまげ?
実は2014年までは、まげを結ってなかった後藤さん。「金髪とかハイカラな髪形にしたこともありましたよ」(後藤さん)
しかし、友だちの「ご飯がおいしいお店」を手伝った時に着物を着ることになり、着物に合う髪形を試行錯誤した結果、ちょんまげに辿り着いたという。当初は髪形を維持するのが大変だということで2週間限定だったのだが、後藤さんのお店のお客さんからの反応もよく、そのまま続けることになり現在に至った。はじめは髪の長さが足りず、つけ毛が必要だったそうだ。
ちなみに、ちょんまげには小まめなお手入れが必要。歌舞伎役者からちょんまげの結い方を習った美容師に、2〜3日に一度月代(さかやき)をそってもらっているのだが、それには1時間程度かかるという。
ところで、夏の熱い厨房で調理している時、髪形が崩れることはないのだろうか。筆者の問いに後藤さんは大丈夫だと答えた。美容師が独自の配分で混ぜ合わせた水性ポマードとジェルで、臭いを出さずに形とツヤを保っているとのこと。
夜の本格イタリアンとサムライの心遣い
辻調理師専門学校を卒業後、ホテルやレストランで経験を積み「ぺペロンチーノ」をオープンした後藤さん。「ぺペロンチーノ」のメニューはグルメサイト等で高い評価を得ている。
さっそく店内ナンバー1の人気を誇る「卵とろとろオムライス!! 〜自家製ドミグラスソース〜」、またの名を「サムライス」(1000円)をオーダー。柔らかいあつあつの卵に、甘さ控えめで懐かしい味わいのドミグラスソースと濃厚な生クリームがかかっていて、暗褐色のライスには赤ワインが使われている。スジ肉や野菜くずなども残さず使い、創業当初から継ぎ足しながら作り続けているドミグラスソースは「ぺペロンチーノ」の神髄ともいえる。
次に店名にもなった、ぺペロンチーノの「シンプルisぺペロンチーノ」(700円)を注文。「ペペロンチーノ」のペペロンチーノは、全般的にスープが多めなのがポイント。「夜、お酒を飲んだ方が、何か食べたいけどラーメンの気分じゃない。そんな時に食べたくなるようなパスタにしました」(後藤さん)。箸で食べられるペペロンチーノにしたと話す。
「シンプルisぺペロンチーノ」は唐辛子の赤が印象的だが、タマネギとベーコンの旨みと甘みがスープに溶け込んだやさしい味わいだ。麺と具を一緒にゆでるため、野菜や肉のエキスが麺にしみているという。他に大葉と生姜の香りが食欲をそそる「大場と生姜のやみつきぺペロンチーノ」、「シンプルisぺペロンチーノ」の倍以上のニンニクと唐辛子を使ったスパイシーな「キング・オブ・ぺペロンチーノ」といったぺペロンチーノがある。
また料理にはなるべく野菜を多く使い、化学調味料は用いず素材の味を生かすという。「一度身体をこわしているので、サプリメントではなく、食べるもので健康を保つのが良いと思うんですよ」
日々の疲れやアルコールで弱った身体を、料理でいたわる後藤さん。気さくなサムライ店長の深夜食堂はおいしさと人情に満ちていた。
ペペロンチーノ
大阪市中央区心斎橋筋2-2-10 新日本三ツ寺ビル3階
営業時間19時30分〜33時(翌9時)※ラストオーダーは32時(翌8時)まで
(谷町邦子)
関連記事
- 高坂穂乃果の誕生日に驚異的なパンケーキアートが登場 イタリア料理店に制作理由を聞いてみた
食べるのがもったいない。 - 昭和の香り漂う喫茶店「カド」。入ってみたら……想像を絶する異空間だった!
古き良き。 - ふくろうだけじゃない、タカもいるよ! 奈良にオープンしたふくろうカフェに行ってきました
ふくろうと触れあったり、ハリスホークを腕に止まらせたりできる「ふくろうカフェならまち」を訪問。園長さんにふくろうの魅力を聞きました。 - 全フロア猫づくし! 大阪心斎橋にオープンした「ネコビル」初日リポート!
猫グッズの店に、保護猫カフェと、すべてのフロアに猫関連施設が入った保護猫のランドマークがオープン。初日の様子をお伝えします。 - あの国が古都でお好み焼き屋に……!? 大人の秘密基地「慈恩弘国(じおんこうこく)」に潜入してきた
あの「赤い」公国が京都にあった――お好み焼き屋として。あの名作アニメへの愛にあふれたお店で「大尉」に会ってきた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
-
【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
-
「プロ野球チップス」で誤字 伊藤大海投手を「176m」と記載してカルビー謝罪
-
「ママ友襲来10分前」→さぁ、どうする……? 大爆笑の“あるある”再現が400万再生突破「腹ちぎれました」「バナナ食べんでもええやん」
-
富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
-
21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
-
「大型魚の餌に!!」 熱帯魚店の“思わず目を疑うPOP”に恐怖 「サメでも飼うの?」
-
2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに手をスリスリされた瞬間…… 愛と幸せあふれる空間に笑顔になる「これぞ天使だ」
-
漂う違法感 東京に戻る息子へ持たせた“大量のブツ”に「九州人あるある」「帰省からの帰りいつもこれ」の声
-
【追記】クルマのヘッドライトを「魔法の水」で磨いてみたら…… SNSで話題「ダイソーのアルカリ電解水」の効果に「今日やってみます」「参考になりました」の声
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
- 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
- “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
- お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
- 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
- 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」