昭和の香り漂う喫茶店「カド」。入ってみたら……想像を絶する異空間だった!

古き良き。

» 2015年05月05日 11時54分 公開

 墨田区向島。東京一の花街とも、東京スカイツリーの麓とも言われるここは、時代を超えても健在する古き良き風景がいまだに残る場所。そんな町並みにふさわしい外観をした喫茶店がある。


画像 いにしえを感じる

画像

 と、ここまではよくある光景ですが、大きく掲げられた看板には「カド 季節の生ジュース くるみパン」と明記されています。生ジュース? くるみパン? この風貌にこのメニュー……。ピンとこない表記に興味はマックスそそられ、さっそく店内へ入ってみました!


画像 外の雰囲気とはうってかわって、ハイカラなラインアップ

画像

 ドアを開けた瞬間、目に飛び込んだのは壁一面に飾られている絵画の数々。しかもリアルに描かれた大きな肖像画ばかり。見上げれば、天井にも! さらにシャンデリアがその豪華さをいっそう格上げしています。 “面食らった”とは、まさにこういうことかもしれません。ドアの前に立ち尽くしてしばし呆然。


画像 ゴージャスな内装とインテリアに圧巻!

画像 天井もすごい

 「お好きな席にどうぞ」と声をかけられ、我に返って店内を見渡すと、黄色のバラ柄テーブルに心を奪われて着席。すると、ご主人が「ここは初めてですか? でしたらご説明します」と丁寧な説明をしてくれました。オススメのサンドとドリンクを注文し、その間は店内を物色。


画像 変わったデザインと色、柄、すべてがオシャレなテーブル

 店は、注目したい珍しいもので埋め尽くされています。気になるのは、ヴィクトリア調のゴージャスな装飾に昭和時代のレトロな品々。大正時代のものまであります。考え付かないような組み合わせが意外にもマッチし、オシャレな空間になっているセンスの良さに脱帽です。建築やデザインを学んでいる学生さんなら、勉強になるのではないでしょうか?


画像画像 “昭和”の香りが漂う品々

 そしてそれらは、ただのアンティークかと思いきや、現在も使用しているものがほとんどだそうです。ご主人がスイッチを入れてくれた扇風機はかなり強風で性能がいい。製作した昔の日本人の魂までも感じさせられました。


画像 昭和と大正の初期に作られた扇風機

 メニューは壁にある年季の入った紙に書かれたもの。これらには、初代店主の直筆のものが多数あります。つまり、当時から変わらぬメニューを提供しているということ。店の雰囲気に“味”の与える逸品ですね。


画像 ペンの色もさまざま、これがまた“味”に

 さらに話を聞けば、この店のオープンは昭和33年。今のご主人の亡きお父様が初代店主だったそうです。そして今年で57年目。その頃から店の中も外もメニューも、ほぼ変えておらず、傷んだ箇所は独自に修復しているとのこと。現在の天井とテーブルに描かれたバラはご主人の作。手作りなのに完成度が半端ないです!


画像 繊細なタッチでまるでプロのよう

 そして驚くことに、この店の設計は、有名な小説家・志賀直哉さんの弟である志賀直三さんだといいます。ロンドンに留学していた直三さんは帰国後、この喫茶店に訪れ、当時のマスターであったお父様と仲良くなったそう。その感性がふんだんに盛り込まれている喫茶店なのです。


画像

 そうこうするうちに注文した品ができました。全粒粉にクルミとドライブルーベリーを練り込み、ひまわりとかぼちゃの種を乗せた手作りパン。そこに焼きナスとモッツアレラチーズなどをはさんだサンドウィッチです。プラス、45年間愛され続けている医食同源漢方的配合の活性生ジュース。サンドは素朴な味のパンと具材の相性が抜群。そしてジュースは絶品! 酸味とほのかな甘みが溶け合い、体にスーッと染み込むような喉越しは病みつきになりそうです。


画像 くるみブルーベリーパンのなすモッツァレラサンド+ミニサイズのドリンクセット750円

 ちなみに、持ち帰り用のパンもあります。焼き上がりはお昼頃。ALL300円とリーズナブルなのが嬉しいですね。


画像 11種類のパンは、どれも大きめで食べ応え十分

 外からは想像しがたい店内に、聞けば聞くほど歴史深い店事情、そしてハイカラで健康的なメニューの品揃えと、どれをとっても相容れない要素にお腹いっぱいになったことは言うまでもありません。この三位一体が、この店の大きな魅力。一度足を運んだら、常連になりたくなること間違いなしです。

(茂木宏美/LOCOMO&COMO)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/10/news102.jpg 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  2. /nl/articles/2412/09/news188.jpg 結婚発表の高畑充希、「いつ恋」共演の有村架純と2ショット “プレートの文字”に注目するファンも「ただただ尊い」
  3. /nl/articles/2412/09/news077.jpg 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  4. /nl/articles/2412/09/news172.jpg 市川團十郎、亡妻・小林麻央さんが着用していた服を長女が着られるようになったと報告「よく似てる」 そっくりな姿を投稿
  5. /nl/articles/2412/10/news163.jpg 「えーー」「衝撃!」「食べれるんですか!?」 大沢たかお、“まさかの食事風景”にファンびっくり 「明日は雪かな」
  6. /nl/articles/2412/09/news049.jpg 道端で凍える野良子猫を保護→病院で安楽死を勧められるも…… 1年後の姿に感動「救ってくれてありがとう」【海外】
  7. /nl/articles/2411/05/news138.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  8. /nl/articles/2412/09/news063.jpg 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  9. /nl/articles/2412/10/news160.jpg 「マニアックすぎw」とざわつくも“1分で完売”の最新ガンプラ話題 「この令和の世に??」「珍しいヤツだから普通に欲しい」
  10. /nl/articles/2412/09/news133.jpg 「初めて見た」 真美子さんとNBA観戦の大谷翔平→よく見ると…… 貴重な姿に「つけてますね」
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」