友達できてよかったね……! 「バーナード嬢曰く。」SFオタクで暴走気味、神林しおりの青春:あのキャラに花束を
それはまるで恋のように。
アニメ化された「バーナード嬢曰く。」。主人公は、本を読んでないのに読んだふりをしたい読書家かぶれの町田さわ子。自称「バーナード嬢(以下・ド嬢)」。誰も呼んでないけど。
ド嬢がものすごく慕っているのが、SFマニアの神林しおり。この子ものすごく本オタあるあるの権化でありつつ、思春期の戸惑いを振りまいて生きているので、かわいくて仕方ない。原作の方から紹介します。
マニアは好きなことを話すと早口になる
神林は黒髪ロングでちょっとジト目の女の子。かなりの読書家で、知識量は多いです。基本読まず嫌いはしない。特に好きなジャンルはSF。古今東西あらゆる本を読みあさる生粋のマニア。
彼女の行動、どうにもオタクっぽい。例えば、自分が好きなジャンルを早口で延々と語ってしまう。愛があふれすぎていて誰かとSFのことを話したいけど、リアルではなかなかいえる機会がない。誰かが自分の好きなジャンルの話をしはじめたら途端に食いついて、思ったこと全部口に出してしまう。余計なことと分かっていても、1話せばいいところを10話しちゃう。
1巻、まだド嬢と神林がそこまで仲が良かったわけじゃない時期の話。たまたま神林が口にしたネタに、ド嬢がちょっと乗っかった。ここぞとばかりに神林、自分のうんちくをダダもらし。正直2行で済む話をベラベラしゃべります。間をつなぐためにセルフツッコミをしているあたりの痛さが半端じゃない。「ウフッ!」「アハハ!」「ンフフフ」「フフッ!」。引き笑いが入る。
神林は「オタクでありたい」わけではないです。ただもう、どうにも自分が制御できない。好きすぎてしょうがないから、ストップできない。
ド嬢にある日、「表紙が黒い本、オシャレだって思ってるよね?」と突っ込まれて衝撃を受ける神林。そう、SFは黒い表紙が多い。神林はかなり「表紙フェチ」なところがあったもんだから、指摘されてはじめて「黒い本がかっこいい」と思っていた自分に気付かされた時の衝撃たるや。あの本も黒いじゃないか! ラヴクラフトとか! 「厨二っぽいね」と言われたかのごときショック。
オタクなの分かってるけど「オタクっぽい」といわれるとショックを受ける。コレ自体が、あるあるじゃないですかね。
読書家の青春
神林はあまり友人が多いようには見えません。というのも他のキャラは比較的コミュニケーション慣れしているのに対し(特にド嬢はコミュ力モンスター)、神林はあまり友達と過ごすのに慣れていないから。
図書委員の長谷川いわく、いざ接してみると「神林さんメンドクサイところもあるけどやっぱりいい人です」。この一言が神林の全てを表現していると思う。
1巻ではマシンガントークで圧倒していた神林も、2巻3巻とド嬢や長谷川や遠藤と接しているうちに、だいぶ丸くなります。積極的に人と接しようとします。ってかド嬢が馴れ馴れしいのでほっといても会話が増えます。
さて神林はかつてから、小説を自分でも書いていました。どんな内容かというと、こうです。
「本好きの女の子の話」「ち、違うから! 架空の本好きな少女が図書室で……友達を作ったりとか……それだけ!」
いや、それ私小説だよね。そっか、そんなにうれしかったんだね。
神林にとって、本当の意味で自分をさらけ出せる「友達」ができたのは、図書室。あんまり考え方があわなくて、でも自分にはない価値観を持っていて、話していて気楽な友達、町田さわ子。
夏、ド嬢の発案でプールサイドで読書をするシーンがあります。なんてステキなんだろう、「集英社文庫ナツイチ」や、90年代の「新潮文庫の100冊」の写真みたいだ。
本が読みやすくて、はだしをプールでぱちゃぱちゃする。神林それ、青春だよ! 友達と2人、日差しの中、プールサイドで、ぱちゃぱちゃな夏。
何度でも聞くよ
ド嬢は神林のことが、大好き。いつも笑顔で神林に、子犬のようにまとわりついている。本を読まないようにズルをするド嬢は、神林にいつも殴られる。でもド嬢は神林のことをとても信頼していて、尊敬している素振りも見せます。憧れの「読書家」像でもあるから。それだけじゃ、ないけどね。
とはいえ、ド嬢は行動が大ざっぱなので、かなりやらかしてしまうこともあります。
ド嬢は頻繁に神林から本を借ります。ところがある時、借りた本にジュースをこぼし、クッキーのかすを挟む、というあまりにも雑な扱いをしてしまいました。さすがにド嬢も慌てて謝罪。でもその本はレアで、もう手に入らない。
「お前には もう 本貸さないから」神林はキレて、ド嬢に言い放ちます。時間がたつにつれて、居心地が悪くなる神林。ド嬢はしょんぼり帰ってしまいます。本気で感情を出してケンカした経験が少ない神林、寝ることもできないくらい、不安になってしまう。
翌日ド嬢の頑張りと、神林の優しさで和解します。神林にとってこれはとても貴重な体験でした。
神林は、ド嬢に対してものすごく気を許していることに、気づいています。自分は面倒くさい人間だ。本が好きすぎるゆえに余計なことも言ってしまう。その割にどう自分の感情を表現すればいいのか分からない。でもド嬢は、好きなものを素直に好きといえる。自分と一緒にいるのが楽しくて、本を読むのが極端に苦手なのに、借りた本は最後まで読んでいる。
神林の「好きなものマシンガントーク」は今も続いています。本人はド嬢にうんちくを語るのが、とても楽しい。だって聞いてくれるんだもの。ところがある日、J・G・バラードの「ハイ・ライズ」とチャック・バラニュークの「ファイト・クラブ」の話をした時、ド嬢に指摘されます。「神林って……おんなじ話割と何回もするよね。しかも毎回おんなじテンションで」。
は、恥ずかしい!!! 黒い表紙かっこいいって思ってるって指摘された時と同じくらい!!
その時、ド嬢は言いました。
「何度でも聞くよ?」
それはまるで、愛の告白。ド嬢は、神林の話を聞くのが本当に好き。裏表なく、素直に好き。こんなに真っすぐに思いを向けてくれる人間が、目の前にいる。時々、神林はどう対応すればいいのか困惑します。
神林の本音は、2巻「往復書簡」の回で言葉として書かれています。この回、Twitterでもものすごく話題になった傑作。往復書簡とか文豪っぽい、というド嬢の思いつきで、神林と手紙を送り合うことに。こういう時すごく真面目に、普段言わないことも真っすぐ書くのが神林です。だから小説が私小説的になるんだろうな。
「今はもう慣れたというか、町田さわ子のそういう姿勢に、時々ある種の純粋さのようなものを見いだしてしまっています。時々ですよ」「世の中には、知っているのに知らないフリをして、他人を試したりする物知りで頭のいい人がいます。そういう人間と比べたら。私は町田さわ子のほうが好きです。」
「いつも私のとりとめのない、本の話を聞いてくれてありがとう。これからもよろしくね。」
好きなものの話ができる相手がいる、幸せ。心を許せる友人がいる、安心感。
これからも仲良くね。
(たまごまご)
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