“残念女子”ソムリエによる残念女子マンガ3選 「手品先輩」「じけんじゃけん!」「マヤさんの夜ふかし」
「虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ!」。第78回目は、残念女子をこよなく愛するUK社主がオススメの残念女子マンガを3作品紹介。
全国10万人(推定)の残念女子好きのみなさま、ねとらぼ読者のみなさん、こんにちは。虚構新聞の社主UKです。私がオススメのマンガを「ウソだと思って読んでみろ!」紹介するこの連載、第78回目となる今回は久々に残念女子が活躍するマンガの紹介です。
残念女子とは何か。
それは「言動がおかしい」「奇行が目立つ」など、「この人、おとなしくしていればモテるのにもったいない……」という考えがよぎらずにはいられない残念さが際立った女子のこと。つまり、残念なのは性格や行動といった中身であって、見た目(だけ)はかわいいことが多い。以前に紹介した駄菓子マンガ「だがしかし」の枝垂ほたるさんなど、まさに残念女子の典型です。
常々「残念女子ほどステキな女子がいようか、いやいない!」と反語をまじえて熱弁しているのですが、周囲からは「ないわ〜」「普通の美人でいいだろ」と理解されないのが本当に歯がゆくてなりません。頭のてっぺんからつま先まで女子力でみっちり固めた人より、女子力をその浮ついた言葉ごとロードローラーで蹂躙していく女性の方が魅力的に決まってるじゃないですか!
と言うわけで、今回はそんな残念女子が登場する作品を3作まとめて紹介。残念女子好き10万人(※推定)はもちろん、まだ残念属性を経験したことがない人にこそ、実際読んでその魅力を感じてもらいたいです。
見せる手品はどれも失敗! ドジっ子残念女子「手品先輩」
まず1人目は、昨今残念女子好き界隈で話題になっているアズ先生のショートコメディ「手品先輩」(〜1巻、以下続刊/講談社)から、ヒロインの奇術部先輩(※名前は不明)です。
廃部寸前の奇術部存続のため、カードマジックから脱出マジックまでさまざまな手品で新たな部員を集めようとするも、下手すぎて失敗ばかりの先輩。もうこの時点でダメさを存分に醸し出していますが、その上人前に立つと吐くほどのあがり症という手品の神から見放されたとしか思えない彼女は、巨乳&ミニスカという恵まれたビジュアルにもかかわらず、その変な性格ゆえ友達はゼロ。まさに残念女子のお手本のような先輩、ステキ!
そしてまた、成り行きで入部することになったしっかり者の後輩・助手君との掛け合いが彼女の残念っぷり(ほめ言葉)をさらに引き立てています。ちなみにわれらが助手君の視点で言えば、作中割とよく出てくる先輩のパンチラ・ポロリのようなラッキーエロスより、めったに見られない彼女のメガネ姿のほうが眼福だと思うのですがどうでしょうか、メガネ女子好きのみなさん(試し読みサイト)。
ミステリに夢中になりすぎる 盲目系残念女子「じけんじゃけん!」
続いて2人目は、安田剛助先生の日常ミステリマンガ「じけんじゃけん!」(〜1巻、以下続刊/白泉社)から、ミステリ大好き白銀百合子先輩です。
黒髪ロングな白銀先輩の魅力は、ミステリのにおいを嗅ぎつけた途端、目の中にハートが浮かび上がって周りが見えなくなったり、小説の叙述トリックが見破れなかった悔しさでふくれっ面を見せたり、クール系美人が子どものように変わり果ててしまう残念さ。また、校内一の美女と評判の彼女が立ち上げたミステリ研究同好会には、彼女目当ての入部希望者が殺到するのですが、審査を厳しくし過ぎたせいで合格者はゼロ。彼女ひとりだけが在籍することになった結果、部未満の同好会として活動しているという残念さ。手品先輩といい、なぜ残念女子は物事に夢中になるとこうも冷静さを失ってしまうのか。
物語はそんな白銀先輩に一目ぼれした転校生の戸入君だけが、なぜか推理の才能を認められ、唯一のミステリ同好会会員として彼女と共に日常生活のささいなミステリを解決していきます(試し読みサイト)。
手品先輩と白銀先輩、奇しくも両者は「残念な先輩」という点で共通していますが、彼女たちの残念さを引き立てているのは、助手君や戸入君という「しっかり者の後輩」の存在でしょう。困った先輩の一挙一動に振り回されて戸惑っているようだけど、実はそんなシチュエーションを楽しんでるよね、君たち? 「ああ、この人本当にダメだな……」と頭を抱えながら、実は心の中でフフッとほくそ笑んでいるその快感、分かりますよ……!
こたつPCで深夜チャットに興じる自称魔女 堕落系残念女子「マヤさんの夜ふかし」
最後は、最も現実(リアル)に近い残念女子をご紹介。保谷伸先生の「マヤさんの夜ふかし」(〜1巻、以下続刊/徳間書店)から、自称魔女の主人公・マヤさんです。本作は、マンガ家を目指して作画に勤しむ豆山さんが入院中に知り合った「魔女」のマヤさんと、毎晩深夜に通話アプリ「スカイペ」を通じて雑談する、いわゆる「さぎょいぷ」コメディ。
他2作とは異なり、キャラの個性より2人の対話のおもしろさを押し出した作品なのですが、第1話冒頭からマヤさんの生活臭がすさまじい。魔女と名乗りながらもジャージ+メガネ+座いす+こたつPCというスタイルで、深夜にカップラーメンを食べていいか豆山さんに真剣に相談する(で、当然食べる)姿に、「お前は俺か!」と。ソシャゲにハマって使用済み●Tunesカードがゴミ箱に散乱しているリアルなダメさを除いて、彼女に親近感を覚えずにはいられませんでした。
ただしマヤさん、実は本物の魔女なのです。豆山さんは「そういう設定の人」と思い込んでいるけれど、「私は魔女だ」というマヤさんの言葉は残念要素ではありません。あしからず。
手品先輩と白銀先輩は「黙っていれば美人なのにもったいない」ですが、飛び抜けて美人というわけでもないマヤさんの場合、「性格をこじらせてもったいない」という別の意味での残念さを醸し出しています。それにしても、みんな本当にもったいない……(にやにやしながら)。
これまで本連載でも何度か語ってきたように、残念女子が持つ真の魅力とは「周りを気にせず自分の道を突き進んでいること」に他なりません。残念な彼女たちは、普通の人にとって逃れがたい「他人の目」という束縛から自由な、しっかりした自分の価値観を持った存在でもあるのです。
「もったいないと思われながら生きること」は、実はマニュアル化した横並びの女子力なんかよりほどいばらの道。それをものともせずわが道を行く無頓着さに惹かれると言ってもよいでしょう。「残念」はほめ言葉です。
女っぽい/女っぽくないという二項対立の向こう側にいる残念な女子が、マンガの世界だけでなくリアルでももっと増えればよいなと思いつつ、今日はこの辺りで筆を置きます。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
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